Final.魔族と人間、一つの種族が描く未来
「……ウっ!コウっ!もうすぐ着くのよっ!」
「ん〜?むにゃむにゃ……。 ミズナか、おはよ」
目を覚ますと、どうやら後ろの席でみんな楽しそうに話していた。
時計を見ると魔王城から国王宮殿までは十時間ほどだったようだ。
「みんな盛り上がってるみたいだけど、ちゃんと寝たのかよ……?」
「エヘヘ。 マオ君と話が盛り上がっちゃったのよ!」
「相棒!マオのやつ、なかなか面白ぇぞ!
何でもっと早く紹介してくれなかったんだよ!」
「あぁ!ウチら、もうマオとはマブダチさね!
今度魔界に遊びに行こうって話してたとこさ!」
「うん。ヒルク君とユータン君は後日、私のお茶教室に招待しよう」
いやいやいや!コイツら仲良くなりすぎだろっ!
何があったんだよ逆に!
「マミは乗り物酔いとか大丈夫だったか?
ごめんな、パパ眠くて寝ちまってたよ……」
「マミはママの膝で寝てたから大丈夫だったヨ!」
「……ん? ママって??」
そう聞くと、すかさずアリエッテが答えた。
「ミズナさんがマミちゃんにママって呼ばせてたで〜す!
コウさんと結婚するために必死みたいで〜すよ!」
「ちょっと!アリエッテちゃん!
それ内緒なのよっ!!」
ミズナは笑いながら嬉しそうに言った。
「あらあら、まあまあ!
ミズナちゃん、私のこともお義母さんって呼んでもいいのよ〜?」
「本当ですかっ!お義母さん!
ぜひ呼ばせて欲しいのよっ!」
「おいおい、待て待て!
お前ら、俺が寝てる間に何か作戦立ててただろ!」
「エヘヘ。
アタシ、コウに負けない作戦立てられたかなぁ?」
……まったく。
勝手に進めるなよなぁ、せっかくプロポーズの言葉考えてたのに……。
『目的地に、到着しました』
その時、エスポワールの機械音声が国王宮殿に着いた事を知らせた。
「エスポワール、長旅お疲れ様……」
俺はそうつぶやいてから着陸して外に降りると、国王と一人の女性が迎えてくれた。
「……お母さん⁉︎」
その女性は、どうやらお義母さんのようだった。
「ミズナ、母さんと三人でお話があるから来なさい。
皆さまは、どうぞ大広間でおくつろぎ下さい」
国王はそう言い、ミズナを連れて宮殿に入った。
◇
俺たちは国王に言われたとおり、大広間で紅茶を嗜んでいた。
マオ君は国王に緑茶を飲ませてやりたいなどと話していて、相変わらずヒルクとユータンと仲が良さそうだった。
コンコンッ。
「失礼いたします」
大広間の扉が開いて入ってきたのは……、女王のドレスを着たミズナだった。
「エヘヘ。 みんな、驚いた?
パパとママと話したんだけど、今日からアタシが国王になっちゃったみたいなのよ……」
みんな驚きのあまり絶句していると、国王が補足するように話した。
「私たちの娘、ミズナはその目で世界を見てきました。
私のような椅子に座っているだけの人間とは違い、娘には行動力があります。
しばらくは私が補佐しますが、本日より正式に国王の権利はミズナに譲渡します」
「凄いじゃないか! ミズナ、おめでとう!」
俺は素直をミズナを祝福した。
「ありがとなのよ!コウ!
じゃあ早速、初仕事なのよ!
マオ君、こっちに来て欲しいのよ!」
「あぁ、ミズナ君。
人間界と魔界の友好の証だ。
私が過去五十年に渡ってしてきた事は許されないが、今後は協力させていただく事を誓うよ……」
マオ君はそう言ってミズナに手を伸ばすと、ミズナは快く手を取り、友好の握手をした。
◇
辺りがすっかり暗くなった頃、俺たちはミズナの家に戻って庭でパーティーを開いた。
料理はもちろんあのレストランのだが、今回はお酒付きだ……!
「母さん!俺いいこと思いついたぜ!
花火をイメージして、空に打ち上げるんだ!」
「いいアイデアね!
よぉし、出来るかしら……。それっ!」
ヒュ〜〜……、ドーン!!
あたりは綺麗な“ヒカリ”に照らされた。
「しかし、今夜は珍しく冷えるな……」
「コウさんっ!それならアリィに任せてくださ〜い!
サヤカさんの花火を邪魔しないように暖かくするで〜す!
そりゃ!インビジブ〜ルフレイム〜ッ!」
アリエッテがそう叫ぶと、身体が温まった。
「ありがとう、アリエッテ。
って、何やってんだユータン!危ねぇぞ!」
酒に酔ったユータンはミズナのアクアタンクの水からフリーズグローブの冷気で氷の剣を生成して、双剣スタイルになって舞を踊っている。
「あひぃ……、今夜は最高さねぇ……!
踊れ踊れ〜!」
「相棒ォ!もう飲めねぇぞぉ〜……。ヒック!」
ヒルクはその隣で横になっている。
コイツ、酔うと寝るタイプなのか……。
てか、双子そろって酒に弱いんだな……。
とまぁ、こんな感じでワイワイ楽しんでるんだが、実は俺は緊張していた。
そう、ミズナに大切なことを伝えたかったからだ。
「ミ……ミズナッ!
ちょっとだけ、いいか?」
「エヘヘ。 いつでもいいのよ」
「ん゙っ……、あ、あのなっ……。
俺は千年の時を経て、ミズナと出会えたのは本当に奇跡だと思うんだ。
テレパシーなんか使わなくても、お互いの気持ちを伝え合える、そんな夫婦になりたい……!
俺と結婚してくれっ!ミズナッ!」
俺は頭を下げてミズナに手を伸ばした。
「エヘヘ。
この冷たい手が、アタシ大好きなのよ……!
こちらこそ、よろしくお願いしますっ!」
ヒュ〜〜……、ドドーン!!
一際大きな花火が鳴った時、俺はミズナにキスをした。
ミズナも俺の背中を抱き寄せてくれた。
◇
……あれから数年経った。
俺は地球大統領に就任し、人間界の女王のミズナ、魔界の王のマオ君、その二人をまとめる仕事をしている。
ヒルクとユータンは宮殿の守衛になった。
母さんは魔界でパンチラティ博士と古の技術の復元をしている。
アリエッテはナースとして人間と魔族の看病をしている。
マミはミズナと同じ初等学術院で勉強をしている。
ママやお婆ちゃんみたいなリケジョになりたいんだとよ……。
昔はあんなにパパ大好きだったのになぁ……。
そんなこんなで今日も人間と魔族は協力して、来たるべき時に備えて営みを続けていくのであった。
――完――
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
以上が私、真星 紗夜のデビュー作となります!
つかみはゴリゴリの追放ものの異世界ファンタジーでしたけど、話が進むと現代ファンタジーとかSFっぽくなってきましたね。
私はラブコメ要素も好きなので盛り込んでみましたが、そちらはいかがでしたでしょうか?
初心者ながら緻密に世界観を考えましたので、もう一度読んでいただけると新たな発見があるかもしれません!
世界観の質問も受け付けております!!
各人物に共通している裏のテーマは“親子愛”でした。
作中では多種多様な親子の形を描いてきましたが、皆さまが一番印象に残ったのはどの親子でしょうか?
もし!もしですよ!
お気に入りやコメントがたくさん来ましたら、第二部を書きたいです!書かせてください!
15.で描いた、宇宙に旅立った人類が地球に里帰りしてくる話がメインになるかな〜?
魔王のプランによって急速に進化した人類
VS
高度な文明を持って地球を離れた人類
どういったストーリーになるんですかね〜?
第二部とは別の新作もすぐに投稿いたしますので、そちらの応援もよろしくお願いします!
第二部の執筆開始はこちらの新作を挟んでからですので、逃さないように作者の真星 紗夜のお気に入り登録もお願いします!
最後に!!
私は特級の声優ヲタなので、脳内再生CVとか何でもいいからコメントくださると嬉しいでっす!!
以上! 真星 紗夜でした⭐️




