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34.相反する極限の魔力の衝突

 アネモネはすぐさまアリエッテの元へ駆け寄り、ヒーリングパウダーで応急処置をする。


「アネモネェ!なんで敵の回復なんかしてやがんだ!

 というかテメェ、俺の知らねぇところでガキ作ってやがったのか……?」


「アンタなんかっ!元々好きでもなんでもないわよっ!

 でも私は……、人間だった時からこんな生き方しかできなかったわ……、本当に自分で自分が嫌になる……」


 アネモネは悔し涙を溢しながら叫んだ。


 しかし、全く響かないのがトップという男なのだ。


「アネモネェ……、テメェは少しそこで反省してろ!」


 トップはそう怒号を飛ばすと、アネモネの翅を無惨にも千切り捨てた。


「いっ、痛いっ! うぅ……」


 翅を失ったアネモネは大量に出血し、もはや能力は使えなくなった。

 それでも全身でアリエッテを守っていた。


 俺の怒りは頂点に達した。

 しかし、それよりも早く行動したのはヒルクだった。

 パワーアップしたヒルクは何も語らずトップの胸ぐらを掴んで、地面に薙ぎ倒した。

 

「なんで……、仲間にあんな事できんだよ……?

 お前の心はどうなってんだよ!心は!」


「お前……、さっきまでと違うな……。

 へっ!楽しくなってきたぜ……! ぐはっ……!」


 ヒルクはトップの喉に全体重をかけた。


「相棒、コイツは俺一人で押さえつけてるからよ……!

 その間に屁こき野郎をなんとかしといてくれるか?」


「頼んだぞ……ヒルク! 無茶だけはするなよ!」


(ミズナ!空中からゲイルに水を浴びせてびしょ濡れにさせるんだ!

 動きはトロい!当てるだけなら簡単だ!)


「了解したのよっ!」


 ミズナは指示通り動き、ゲイルはびしょ濡れになった。もちろんケツも。


「凍りつけっ!!」


 俺はゲイルのケツ目掛けて冷気を飛ばし、ガチガチに固めた。


「つ、冷たいだす〜!」


 その時、ギュルルルとゲイルのお腹が鳴った。

 

「冷えてお腹も痛くなってきただす……。

 んんんんっ!

 ダメだ、お尻が固まってオナラが出せないだす……」


(ユータン!ゲイルの腹に剣を突き立てろ!

 何度も同じ場所にだ!)


「了解したよっ! せいっ!せりゃっ!」


 ガキンガキンッとゲイルの硬い腹を刺し、傷をつけていく。


「だから、さっきから効かないって言ってるだす。

 それより、オナラの邪魔しないでくれだす……!」


(今だ母さん!

 フレイムアローで傷ついた腹めがけて全力で放つんだ!)


「了解だわっ!」

 

 母さんは一度後方にステップして距離を取り、フレイムアローを限界まで引き切って弾いた。


 太陽のように熱を凝縮した矢じりはゲイルの腹部へ一直線で突き進んだ。


 その矢はゲイルの分厚い皮と肉を貫き、体内でガスに引火して大爆発を起こした。


 ドッゴォォォン!


 しかし、タフなゲイルは腹がグチャグチャになりながらも、なんとか生きていた。


「い、痛いだす……。

 これじゃもうオナラ……出せないだす」


 チラリとこちらの戦況を確認したトップは、憤慨してもう手加減はできないようだった。

 

「テメェも役立たずかよ、ゲイル。

 もうこっからは遊びなしの全力だぜぇ!

 ヴォルケーノ・ヘルだ!消し炭になれやぁぁ!!」


 トップは咆哮と共に全力の業炎の魔力を放った。


 足元は赤く輝き始め、辺りは無数の火柱が噴き上げている。

 周りなんて関係なしの全方位攻撃だ。


「みんなっ、俺の後ろに隠れろ!」


 俺は両手から持てる力全てを出し切って冷気を放った。

 

「はぁぁぁぁぁ!!

 ユータンもフリーズグローブで援護を頼むっ……!」


「もちろんさねっ!」


 しかし、なんとか冷気で身を守る俺たちとは違い、ゲイルの身体は灼熱に晒されていた。

 あんなに防御力の高かったゲイルの皮膚はどんどん焼けただれていき、苦しんでいた。


「熱いっ!熱いだすっ!団長ォォ!!

 もうやめてくれだすっ!!」


 くそっ……、俺の身体が悲鳴をあげている……。

 だが、ここで冷気を止めたらみんなは助からない……!


「ミズナ、ここから曲射でトップの身体に水を撃てないか……?」


「ダメなのよっ!

 周りに水の素になる分子がなくて撃てないのよっ!」


 ……ダメか。 このままじゃジリ貧だ……!


「ふはっ!俺のヴォルケーノ・ヘルは誰にも止めらんねぇよ!

 小賢しい事企んでるみてぇだが、無駄だぜ?」


 くそっ、このままじゃ全員燃えちまう……。

 ……ならば、攻めるしか……ないっ!!


「いいか? 俺はこのまま前進するっ!

 みんなはユータンの冷気で耐えててくれ!」


「コウっ! 近づくなんて無茶なのよ!

 このまま少しずつ後退した方がいいのよっ!」


「……ありがとう、ミズナ。

 でもな、男には行かなきゃならねぇ時があるんだ……!

 コレ……、預かっててくれるか?

 俺の大切なものなんだ……」


 そう言って、俺はミズナが作ってくれたマントを渡した。


「コウっ!必ず……、必ず帰ってきて欲しいのよっ!」


「あぁ、行ってくる……!」


 俺は両手を前に突き出し、少しずつ前進した。

 衣服の端がチリチリと発火し始める。

 トップの目の前に辿り着くのが先か、力尽きるのが先か……。


「なんだよ、コウ。そんなボロボロの身体でこっちに来たら、塵も残らずに燃え尽きちまうぜ?

 おい、黙ってねぇでなんとか言えよ?」


 俺はトップの挑発に乗ってる余裕はなかった。

 ただ仲間を守るために、全神経を両手に集中させるだけだ。


 くっ、気を抜いたら吹き飛んじまいそうだぜ……!


 俺は一歩一歩確実に前進した。

 

 そして、ついに俺はトップの目の前に立った。


「おい、コウ。

 オメェ頭でもおかしくなっちまったのか?

 この俺に……!トップ様に! 勝てるとでも思ってんのかよ?」


「うるさいっ、黙れっ……!」


 俺はトップを睨みつけた。

 豪炎を放つトップの手を力強く握りしめ、限界を超えた冷気で抑え込む。


「なっ……に、コウ……、テメェいつからそんな魔力が出せるようになったんだよ……!」


「俺の力は、魔力を抑え込む魔力だ……!

 お前みたいなヤツに好き放題させないために、俺は覚醒したんだ……!」


 二つの相反する極限の魔力が、接触点で激しく衝突する。


 ……マズいな、指先の感覚が……!


「指先の感覚なら、俺だってとうの昔にねぇよ……!」


「トップ……、俺のテレパシーを受け取れるのか……?」


「あぁ、お前を追放させる前から……お前の頭ん中は筒抜けだ……!」


「……なん……だと?

 貴様の目的はなんなんだっ!トップ!!」

 

「俺はな……、ガキの頃からトップに立つ事だけを考えろと父親に教えられてきた……。

 だから俺はそのためならどんな手を使ってでも邪魔者を排除してきたんだ……!」


「俺がいつお前の邪魔をしたんだ!

 兵団にいた時だって、俺はお前たちを守ることだけを考えて必死に行動してたんだぞ……!」

 

「ちっ、……何も気づいてねぇのかよ……馬鹿が……!

 お前さえいなければ、俺の人生……こんなはずじゃなかったんだっ!コウッ!

 俺は……、父親の期待に応えなきゃいけなかったんだよっ!!」


 バチバチッと空気が破裂するような異音を発しながら、俺の魔力は確実にトップの肉体を侵食していった。

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