第6話 その頃……
セルリアがいなくなって2日……私は副院長の部屋に呼ばれていた。事のきっかけは私がセルリアが無罪の証拠を見つける作業をしていた所を副院長に見つかってしまったからだ。
「カスミ君、とりあえず掛けてくれ。」
「失礼します……」
真剣な面持ちだからセルリア関連である事は間違いなさそうだ。ただこの会話次第ではこの人が敵か味方かが分かれる重大な話し合いになりそうだ。
「話というのは他でもない。セルリア君の事だ。」
「ええ、どういう事か説明はあるのですね。」
「その前に君はどこまで知っているのか聞かせてくれないか?」
「……私が知ってるのはセルリアが手術ミスした所までです。とりあえず他にも根も葉もない噂も流れていて、その火消しをしています。あの子の医療業務に関しては私が補佐として立ち回っていたので。」
私がそう言うと副院長は深いため息を吐いて頭を抱えていた。
「はぁー……あの人は何がしたいんだ……」
やはりこの人は何かを知っているようだ。
「あの……私は伝えました。副院長の方も教えて頂けますか?」
「あぁ……そうだな。まず今回の件、セルリア君は無罪だ。」
「ですよね。では、黒幕は?」
「院長の息子クローゼだ。彼の医療ミスをセルリア君が被らさせれた。」
「あの……それは今回の件だけではないですよね?」
「……ああ……調べてみると沢山出ていた。しかも優秀な者ばかりだ……私はあの者たちに何と詫びれば良いのか……」
「それに関しては私も同じです……しかし、今はこの問題を解決しなければなりません。」
「……そうだな。まずはセルリアくんを含めたこれまでに辞めさせられた者たちの身の潔白を示さねばな。」
そうして私と副院長の座ってる間のテーブルにこれまでの患者のカルテを持って来た。
「この中から不正の証拠を見つけ出す。クローゼがこの病院に入ってきたのが5年前、そこからの記録を全て洗い出す。」
「わかりました。流石に持ち帰るのはダメなので今日から泊まり込みで探します。」
「あぁ、頼んだよ。僕は僕でやる事をしないといけないんだ。」
「やる事……ですか?」
「あぁ、証拠集めと離婚手続きだ。」
「はぁ!?何でそこまで!」
私は耳を疑った。1年前に副院長は結婚して3ヶ月前に子供が出来たと喜んでおり、祝福されていてとても幸せそうだったからだ。しかし離婚の理由を聞いて私は絶句する。
「院長が脅して来たんだ……余計な事をしたら僕の嫁の出産時に何かすると言ってきた……僕はあの人に何かあるなんて耐えられない。だから離婚を決意したんだ……」
「そんな……あのクソ院長そこまで腐っていたの⁉︎」
「院長の家系は代々医学界で権力を牛耳っている。だからみんなあの人に喧嘩を売らないんだ……とにかく、カスミくんは証拠集めを。僕は他に手を貸してくれる者を探す。」
「はい……」
そう言うと副院長は部屋を出た。私は込み上げてくる怒りを抑えつつカルテ借りて証拠を探る事にするのだった。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
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