表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/50

第48話 再会

「どこかで……ワシももう万年生きてるからのぅ。」

「お爺様、セルリアはまだ10代ですよ。つまりここ最近ですよ。」


「ふむ……しかし人と話した記憶が全くないな……」


 もう12年前の事ですし、私の勘違いかも知れませんが……内容を話してみます。


「崖から落ちそうになってた少女を助けた事がありませんか?そしてこれから戦争に関わるなと約束したのですが……」

「あー!あの時の子供か!まさか娘とは思わなかったな!はっはっは!」


 完全に忘れられていたらしい……


「お爺様、セルリアと知り合いなのですか?」

「ああ、昔崖から落ちる人の子を助けたんじゃ。そうかそうか、その娘が我が孫をな。いやー、長生きはするもんじゃな!」


 豪快に笑うラシアさんに私は御礼を言わなければなりません。


「あの時はありがとうございました。今の私がいるのはラシア様が助けて頂いたからです。」

「なぁに、構わんよ。こうしてセレナを助けてくれたのだから巡り巡っただけの事、さぁ、今晩は宴じゃあ!準備せい!」



 そう言われて昨日の惨状を思い出した私はお酒は控える事にしました。






 セレナさんに里の中を案内して貰うと子供達が遊んでるのが見えました。


「どこの場所でも子供は元気なんですね。」

「子が元気じゃない場所など本当はあってはならんからな。」


 そうして目線を更に遠くへやると何やら木に吊るされてる物がありました。


「セレナさん、あれは?」

「あれは死刑執行中じゃ、ひと想いに殺す事もあるがあれは残酷な事をした者に与えられる死刑方法じゃ。」


 私は命はみな平等と考えます。例え悪人でも……もし本当に私が許せないとするならばそれは命を物として扱った場合です。


「あの方たちは何をしたのですか?」

「はぁ……セルリアには知られたくなかったがな。あやつらじゃ、セルリアを嵌めた院長親子。」


「えっ?」

「あやつらは人の法では生温いと考えた、だから王と話し合いこちらで刑を執行したのだ。」


 私はセレナさんの話を聞くとゆっくりと木に吊るされてる2人の元へ歩いて行った。


「……御二方お久しぶりです。」


「セルリアか……お前が我らをこんな目に遭わせたのは……」


 微かに院長の声がします。体の至る所に傷があり、足は火傷して黒くなっていました。


「もう……罪は償っただろう……?解放してくれ……私たちが悪かった……」


 私は無言で回復魔法をかけます。その様子をセレナさんは止める事はありませんでした。


「治して……くれるのか?」

「私はお医者さんです。怪我人、病気の方を救うのが仕事ですから……」


 私が治した事により2人は泣きながら御礼を言ってきた。


「ありがとう……許してくれるのだな。」


 しかし私は傷を治しただけで縄を解く事はありませんでした。


「おい、なんで縄を解いてくれないんだ?」


「私は怪我人は救います。病人も救います。ですが、罪人は救えません。法が定めた事なので。それに私はあなた方が死ぬまで許す事はありません。今も先輩は苦しんでいます。本来苦しむ必要がなかった事で……だから御二方も苦しんで下さい……死ぬまで。」


 私はそう言ってセレナさんとその場を離れた。その後子供達が2人に対して火を吐いたりと色々していた。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ