第43話 心配事
「という事よ。それでもあの子を幸せに出来るの?」
「無論じゃ!」
「……話聞いてた?」
「勿論じゃ。セルリアを制御すれば良い。我ならできる。」
我は胸を張って言う。しかしカスミは頭に手を置いていた。
「心配しかないわー。」
「なんでじゃー!」
「だって、世間知らずの天然お人好しと人間社会を知らないドラゴン娘の2人旅なんてトラブルしか起こさないでしょ!」
「お、起こさん……と思うぞ……たぶん……きっと……」
カスミの言葉に我も不安になってしまった。我はトラブルになったら全てを燃やせば済むが、セルリアに関しては自分からトテトテとトラブルに突っ込んでいくだろう……
「「心配だわー(じゃー)……」」
同じ事を口にしてしまった……恐らくカスミは我らの事、そして我はセルリアの事で……
「本当に2人で行くの?」
「大丈夫じゃ……じゃが少し考えさせてほしい……」
冷静に考えるとセルリアの制御が難しい事に気がついた。そしてそのトラブルを我が全て燃やしてしまったら人間が絶滅してしまう……どうにかセルリアを制御する方法を考えねばな。
外で待っているつもりでした。でも2人の様子が気になってしまい私は病室の外で待っていました。
(何の話をしているのだろう?)
私はドアの前でウロウロしているといきなり扉が開いてセレナさんが病室から出てきました。
「あっ、えーっと……おかえりなさい!」
「何じゃここにいたのか?」
「はい……あっ、お話は聞こえてきませんでしたよ。なので聞いてはいません。」
私は皆潔白を示す為に胸を張ります。
「まぁ聞かれても良かった内容じゃったがな。」
「そうなんですね。どんな内容か聞いても?」
「そうじゃな……セルリアは可愛いという話じゃ。」
「……本当ですか?」
「本当じゃ!」
ニコニコ笑いながら言った言葉には裏があるようで素直には喜べませんでした。
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