第34話 一筋の光
少し時間を遡る……
「な、なんなんだよあの女!」
「寝てるなら簡単に殺せると思ったのに……」
「寝てる方が強いって何だよ……」
「じゃあ起きてる時に今度はやるぞ!人間がこの村にいることが悪なのだ。殺しても問題ないはずだ。」
「だが、セレナ様の恩人だぞ……殺すのは流石に……」
「バレなきゃ良いんだよ!」
「確かにバレなきゃ何をやっても良いのぅ……しかしバレた時はどうするのじゃろうな?」
「あ、あなた様は!」
直後2人のエルフは意識を失った。
「という訳じゃ。とりあえず焼いていいかのぅ?」
「良い訳ない、とりあえず牢に入れておけ。処刑の時は好きにしていい。」
「うむ!では、楽しみにしておくとしよう。」
そう言うとセレナさんは魔法の縄を出して2人を縛りました。
「さて、話を戻そう。体力を付ける薬が有れば良いのだな?」
「え?ええ……」
「何か考えがあるのか?」
カトレアさんの問いにセレナさんは即答しました。
「ドラゴン族の滋養強壮剤ドライチを使えばどんな弱ったドラゴンもたちまち元気になる薬じゃ!」
「……セレナさん、それ……ドラゴン用ですよね?」
「人に試したら間違いなく死ぬぞ……」
「なんじゃ、薄められんのか?」
「ドラゴンが使う物ですからね。何万倍に薄めればいいか分かりません。」
「ん?いや、待てよ……点滴にするというのはどうだ?」
カトレアさんの呟きに私とセレナさんが反応します。
「点滴ですか?」
「ドライチをか?」
「違う。そんなもの使うか!とにかく少し時間をくれないか?」
「分かりました……」
何か考えがあるようなので私は待つ事にしました。
次の日……カトレアさんが私の部屋へやってきました。
「もしかしたら行けるかも知れんぞ。」
「本当ですか?」
「あぁ、月輪草と日輪草から取れる魔力を栄養剤と混ぜ体に流せば何とかなるやもしれん。」
「日輪草ですか……」
話は聞いた事がありますが、実物は見たことがありません……私が少し暗い顔をしているとセレナさんが私の様子を察してカトレアさんに聞いてくれました。
「で、その日輪草はどこにあるんじゃ?」
「日輪草はこの里にある。心配ない。」
「そうなんですか!」
私は希望の光を見た思いでした。
「ああ、調合こっちでしてやる。3日はかかるからその間は里の外で待っていろ。この前手を出そうとしたバカどもがいないとも限らんからな。」
そう言われて私とセレナさんは一旦エルフの里を出るのでした
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