第32話 次からは
なんとか水を飲んで事なきを得ましたが後でセルフチェックしておきましょう。
「のぅ、セルリアよ。そんなに辛かったか?」
「……辛かったです……でも美味しかったですよ。また作って下さい。」
「セルリア……優しすぎるのもいかんぞ。本当の事を言ってやるのも優しさだと私は思う。」
カトレアさんの言うことも最もですが……やはり責める気はありませんでした。
「セレナさん。次からは一緒に作りましょう。そこで味の好みを知っていただければお互いの事をもっと知ることが出来ると思うんです!」
「それはいいのぅ!2人で作ろう!」
(遠回しに辛かったと言わない辺りはやはり優しいな。そして頭の回転が速い。)
カトレアさんは何か考えている様子でした。そしてふと顔を上げた時に私は先程の論文をカトレアさんに渡します。
「あっそうでした!カトレアさん、論文まとめてみたのですが読んで貰えますか?」
「あぁ……分かった。しかしこの短時間で凄い集中力だな。」
「そうですか?手術で16時間フル集中でやった事もありますし、年に何回かは48時間3件続けて手術した事もありますからこのくらいは余裕ですよ。」
「「……」」
私の言った事に2人は顔を白くしていたました。
「セルリア……そんな手術スケジュールはないぞ。」
「えっ?」
カトレアさんに言われて私は素っ頓狂な声を出してしまいます。
「普通に考えてそんな長時間の手術はミスがでる。だからそんなスケジュールを組んだ場合は上が止めるんだ。」
「そうなんですか?いつもスケジュールは院長先生が決めていたのでそれが普通だと思ってました。」
「馬鹿な!そんなスケジュールを作るなどあり得んぞ!」
「えっ?あれが普通なのかと……」
「全く……よく今まで医療ミスなかったもんだな。」
「集中力だけは昔からあったので……」
私は言われるままにしてきたのだけど……本来はいけない事だったんですね。
「あれ?セレナさんがいませんね。」
「なに?さっきまでそこに……いない……」
そして先程セレナさんが立っていた場所に1枚の紙がありました。そこには……
『ちょっと用事ができた。里へ行ってくる。』
紙にはそう書いてありました。
「なるほどな……」
カトレアさんは何かに納得していましたが、私は分からず首を傾げるのでした。
ここまで読んで頂きありがとうございました。次回も楽しみに!
来週は諸事情により休憩しますのでご了承下さい。
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