第30話 休憩
セレナさんのお怒りを治めるために今は少し休憩を取る為に甘味を頂いています。
「ふぅー……やはりこの里の茶菓子はいいのぅ。」
「おおー凄く美味しいです!」
「この里の特産品の茶揉み饅頭はあんこがこし餡だ。つぶあんとは違う味わいをだせるんだ。」
「我はどっちもいいがこの菓子ならばこし餡が良いのうー」
どうやら機嫌も治ったようなので研究に戻ろうと思います。
「あっセレナさん、口元に餡子が付いてますよー。」
私はセレナさんの口元についたあんこを取ってあげました。
「セルリアも口元に付いておるぞ。」
「えっ?」
私が口元に付いたあんこを取ろうとして手を伸ばすと先にセレナさんが取ってくれました。
「あっ、ありがとうございます……」
「なーに、お安いご用じゃ!」
そしてそのあんこをそのままセレナさん自分の口へ運んで食べました。
「あの……間接キスですよ!」
「分かっておる。我はセルリアの事好いておるからよい。」
その一言で私の顔が赤くなるのを感じました。これは怒ってるのではなく……照れてしまった様です。
「か、揶揄わないで下さい。」
「なんじゃ照れておるのか?可愛いやつじゃのぅ!」
「そ、そんなのでは……」
「セルリア、隠し切れていないぞ。そしてセレナよ。遊びもほどほどにしておけ。此奴はかなりの初心で純粋の様だぞ。」
カトレアさんが助け舟を出してくれましたが結局水の中に叩き落とされました。2人して私をいじめて楽しいですか?
「し、仕事に戻ります!」
私はパタパタと走って作業現場に戻りました。
「可愛いいのぅ……」
「なんですか?その締まりのない顔は?」
「そんな顔しておるのか?」
「ええ、200年の付き合いだがそんな顔してるあなたは初めてみた。」
「ちょこちょこ言葉使いがごちゃごちゃになっておるのぅ。我にとっては命の恩人じゃからな。」
「そんな者には見えませんがね……言うなればまるで好きな者を見てる様です。」
「なるほど……我が恋をしているという事か?」
「ええ、少なくとも私にはそう見えます。」
「よし!ならば告ってくる!」
「……まてまてまて!おかしいだろう!早すぎではないか?」
「何を言う!思い立ったが吉日!鉄は熱いうちに打てという。早くて何が悪い?」
「悪いも何もセルリアは人間。しかも同性ですぞ!」
「何がおかしいのだ?同性婚などドラゴンでは普通の事。人間共が何か言えばその国ごと焼き払えば良い。」
「いやいや!今行っても断られるのがオチですって!」
「何でじゃ?恐らく芽はあると思うぞ?」
「タイミングですよ。今セルリアは命の恩人のために必死に頑張ってます。そんなところに告白したって良い返事は帰ってきません。」
「……なるほど……一理あるな。では、事件解決まで待つとしよう。それまで我は何をしてればいいと思う?」
「それくらい自分で考えてくれ、私にも仕事があるからな。」
カトレアにそう言われて不満そうに頬を膨らますセレナ。どちらにしろ行く場所もないのでセルリアのいる場所で静かに待つのだった。
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