第26話 対面
「お主がセルリアの先輩とやらか?」
我はカスミとかいう奴と話す為に病室へ入った。
「誰ですか?」
「何、セルリアに恩があるただのドラゴンじゃ。セルリアがあれだけ一生懸命に動いておるからどんな人間か知りたくてのぅ。」
「そうですか……では、今回の件も動いてくれたのですかね?ありがとうございます。」
「何、セルリアには恩がある。その人格を作ったのは紛れもなくお主、ならば我が協力するのも当然よ。」
「心の広い方で良かったです。あの子……人を疑わない子だから1人の時にトラブルに巻き込まれてないか心配だったんです。」
「そ、そうか……」
これはどちらかと言うと親の目線だと感じた。それはルミも感じたらしくツッコミを入れていた。
「カスミ先輩はセルリアの親ですか?私と違って過保護じゃないですか!」
「あのね、あの子は目を離すと迷子になる事もあるくらい私生活はグダグダなのよ。あの子は部屋に物を置かないんじゃなくて置いたら散らかるのよ。何度掃除に行った事か……」
この様子だと相当行ってるみたいだ。確かセルリアの実家は机とベッドしかなかったが確かに机の上は紙やら本やら散乱していた。
「まぁ今日は挨拶だけじゃ。我も今から少し休む。セルリアが寝ている間は我が寝られなかったからのぅ。」
「あぁ……あの子と眠るのは無理ですよ。なんせあの子寝ている間は気配で察知した相手を防衛本能で撃退してる様で、気配を消してないと襲って来ますからね。」
「その言いよう……お主もやられたな……」
「はい、酷い目に遭ったので往復ビンタで叩き起こしました。もともと戦闘向きじゃないので捕縛してしまえば何とでもなります。」
此奴も只者ではないようだ。
「いつかお茶会しましょう。セルリアも交えてね。」
「そうじゃな。ゆっくり話をしたい物だ。」
我はそのまま部屋を出た。そして少し休む。またセルリアを乗せて飛ぶ為に。
「先輩、ドラゴン相手によく話せましたね。」
「人の形に変身してるのなら出来なくないわよ。」
「……それにしても……敵に塩を贈るような事して良かったんですか?」
「何のこと?」
「惚けないでくださいよ。セルリアの事好きなんでしょ?」
「好きよ。それが何か?」
「取られても知りませんよ。」
「それは私が決めることじゃない。セルリアが決めることよ。それに……あの子とセレナさんの関係はまだ浅いからまだ勝ち目はあるわ。」
「はぁ……その前に早く元気になってくださいね。」
「分かってるわよ。」
そういうとカスミは横になるのだった。
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