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第15話 逮捕

 セレナさんが里帰りした翌日。家に憲兵さん達がやって来ました。


「セルリア・ハーネスだな。」

「はい……なんでしょう?」


「最高裁判所より貴様を捕らえよとの命が下った。抵抗する様ならこの場で殺す。」


 ここまで言われては私も従わなければなりません。私はお父さんとお母さんに事情を話すと、すごく心配してましたが何かの間違いだと思うので心配しないでとだけ言って。憲兵さん達と一緒に王都へと向かいました。





 王都に着くと私はすぐに裁判ににかけられました。裁判所の傍聴席には院長や病院の重鎮の役員さん達が来ていた。そして裁判長から私に質問してきます。


「セルリア・ハーネス、貴様は自分の医療ミスを他の者に着せカルテの改ざんを行った。間違いないな?」


 裁判長からいきなり身に覚えのない事を言われてしまいました。


「いえ……私は確かに医療ミスをしましたがカルテの改ざんをした覚えはありません。」

「ほぅ。医療ミスは認めるのだな。」


「はい。ですがカルテの改ざんは私には出来ません。王立病院では、一度書いたカルテは全て先輩達に預けます。そして院長先生が確認後、次の診療までは誰かが保管しています。私は誰が私のカルテを保管していたかを知りません。ですので改ざんは不可能です。」


「ほぅ。最初に聞いた話とは違うな。ハーマス院長。説明を。」


 裁判長は傍聴席にいる院長へ質問しました。


「確かにその手法をしていますが、彼女は交友関係が深く誰が自分のカルテを持っているかを探った。と考える事も出来ます。」


「なるほど。分かりました。」

「待って下さい!そんな事私は聞き回ったりしてません!まず医療ミスの件は院長に言われるまで知りませんでした。そんな私がカルテを聞き回る事をすると思いますか?」


 私は裁判長に矛盾点を指摘しました。それにそれだと教えた先輩も同罪になるはずです。そんな危険な行為をする人はまずいません。


「静粛に!院長、セルリアが言ってる事も一理ある。具体的にセルリアに聞かれた、そしてセルリアに教えたという証人はいるのですか?」


 流石にこれは証人などいるはずがありません。私はそんな事した覚えがありませんから。しかし……


「証人ならいます。我が息子、クローゼとセルリアの教育係として付いていたカスミ・ドレディア。」


 私は先輩の名前を聞いて目を見開きました。まさかカスミ先輩が私を……そう思って先輩の方を見ると手足に無数のみみず腫れ。そして長かった髪はみるも無惨に切られてしまい顔にも暴行の跡が……ですが1番気になったのは目が黒く霞んでいた事です。


「カスミ先輩!大丈夫ですか⁉︎」


 私の問いに返事を返してくれません。恐らく何かを飲まされてるのでしょう。


「では、2人に問います……」

「ちょっと待って下さい!カスミ先輩の体は傷だらけです!拷問の末自白させられたのは明白。この方を証人に据えるのは不平等です!」


「何を言っている。彼女のどこが傷だらけなのかね?」

「えっ?」


(見えていない……)


 裁判長に見えていないという事は隠匿魔術を使っているという事です。私の目は常に呪いや結界などの見えない様に隠された傷を見抜くために高度の透視魔術を施したレンズを目に常時仕込んでいます。そのおかげで見ることが出来ました。しかし何もしていない裁判長にはカスミ先輩のあの痛々しい傷が見えないみたいです。


「では、改めて2人に問います。セルリア・ハーネスにカルテがどこにあるのか聞かれた事はありますか?」


「はい!」

「はい……」


「なるほど、身内だけでは信用に足りんが専属の教育係の者ならば信頼出来る証言だ。」


 そして判決が下されます。


「判決を言い渡す。カルテの改ざん及び医療ミス。人は過ちを犯す者とは言え罪を隠そうとする心は人の命を軽く見ていると判断し、セルリア・ハーネスを有罪とし今夜処刑する。また罪を知っておきながら対処をしなかったカスミ・ドレディアも共に有罪とし処刑する。以上!」


 私は抗議しようとしましたが屈強な男2人に押さえつけられ牢屋に連行されてしまいました。






 少し遅くなったが我はセルリアの元に帰って来た。日が少し傾き始めている頃セルリアの家の前で人の姿に戻り歩いているとセルリアの両親がとても心配そうな顔をして外で待っていました。


「あの、どうされたのじゃ?」

「あぁ……セレナさん……セルリアが……今朝逮捕されて王都へ行ったのです。」


「何じゃと⁉︎」


 我はその言葉に雷が落ちた様な衝撃を受けた。とにかく王都に飛ぼうとした時2人の兵士が現れた。


「伝令!罪人セルリアの親族だな?」

「罪人……だと?」


「そうだ。そしてセルリア・ハーネスに死刑判決が出た。あと数刻の後しょけカヒュ……」


 我は兵士が何かを言う前に兵士の喉元を鷲掴みにした。そして強烈な圧をかけて片方の兵士に問うた。


「おい、理由がどうかは知らんがどこで処刑が行われる。余計な事を喋ればこいつの首を握り潰すぞ……」


「え……あ……」

「あと10秒だけ待ってやる….10,9,8……」


「お、王都の中心にて行われます!民衆への見せしめも兼ねてです!」


「……分かった。」


 我は掴んでいた兵士を投げ捨てセルリアの両親に向き直った。母親の方はすでに泣き崩れており、父親の方は立ったまま顔を下にして涙を流していた。


「御二方、我がセルリアを助けてきます。この命に換えてもです!」

「セレナさん……」

「しかし間に合うのか?」


「我はドラゴン!本気を出せば王都まで5分もかからん!」



 我はドラゴンへ姿を変え最高速度で王都へ向かうのじゃった。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!


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