地割れ
白夜⇔極夜
だそうです。
此処で太陽が輝くとしたら
それは厚く覆われた その奥
いまは 滾りを鎮めて
昏い奈落で 炎を脈うたせている
此処で雲が泳ぐとしたら
それは滞った流れの そのなか
深く層を成し
星屑のように煌めく石たちを 呑みこんでいる
此処では 雲が雨を降らせることがないかわりに
雲を払う風も吹かない
極夜のように閉じきった 明かずの岩扉を開 くものが
もし あるのだとするならば
闇雲を斬り裂く 一閃の雷光にほかならぬ
まるで かえす刀のごとく
幾つも折れた軌跡を描きながら
白刃は黒き雲を断ち 厚い岩扉をこじ開 ける
見たか!?
大きく裂かれたた口から覗く
鮮血のように吹き出しそうな 赫い炎を
奈落の底でも絶えることなく
脈うちつづけていた この惑星の滾りを
明かずの岩扉を 斬り裂いてこじ開 ける
雷光のような亀裂
大地にそれが疾走るとき
奈落に眠っていた滾りが 鮮血のように吹き出して
朝焼けと夕焼けをいっぺんに燃やしたような
赫い炎に地表は包まれるだろう