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防衛増税から見える日本の問題点とその帰結

作者: towa

突然岸田首相が防衛増税を言い出して大騒ぎになっている。

TVやYouTube等でもいろいろ議論されているが、ほとんど論点がずれている気がしたので筆を取った。


政府は防衛費の中身は念入りに検討しましたとか、大企業だけに増税しますとか言っているのだが、それは全部ごまかしにすぎないのにそんな枝葉の論議ばかりしている。


なぜそれが枝葉かというと、核心は「足りないのは予算に対する税金であって防衛費では無い」と言う事だ。つまり予算を組んだら収入(税金)が足らない事が分かった、じゃあ次には優先度をつけてどの予算を削るかという検討をして、次に借金(国債)を検討しそれでも駄目な時に増税を検討するべきなのだ。経過を見ているとその優先度をつけて予算を削る論議をした形跡が全く無いし、その事を指摘する人も居ない。


国がすべき事は大きく分けると、内部社会秩序の維持と外国に対する安全保障の二つだ。国際紛争が差し迫った今、防衛費の優先度が非常に高い事は言うまでも無いだろう。


年金、医療保険、福祉消費税、災害復興税、再エネ賦課金と国に吸い上げられるお金に色々名前が付いているが、これらは政府が国民に文句言われないようにごまかしているが間違いなく税金なのだ。

そして緊急事態の今でさえ防衛費を人質に取って増税をせまるその姑息さに憤り、呆れている。


あえてずれた議論に乗れば、大企業だけ増税した所で立場の強い彼らがその負担を下請けに転嫁する事は間違い無く、結局負担は社会的弱者に押し付けられる。防衛費の中身については素人に分かる訳がなくそれで国民が納得する事も有り得ない。アメリカから武器を買う事や敵地攻撃能力を持つ事すらけしからんと言っている人も居るが馬鹿馬鹿しくて指摘するする気すら起きない。


次に削れる予算が有るのでは無いかという指摘は政府が最も恐れている議論だ。

キャリア官僚の天下りは従来から指摘されているが現在も巧妙に外郭団体等が作られそこに税金が投入されている様だがだれも実態が把握出来ていない。この問題は根深く政民官に跨る利権構造として指摘され、これを改善する構造改革は小泉以降の自民党政権の課題であった。経済成長の鍵と期待されたが結局果たされる事なく岸田政権はとうとうこの課題を消してしまった。

また最近ネットで話題になっている若年女性支援団体の不正会計問題で、社会弱者救済予算が社会主義者界隈(活動家、左翼弁護士、貧困ビジネス団体)へ不正に流されている疑惑も浮上しつつある。これらは福祉名目の予算にくっつけられて分かり難く指摘しずらくしてあるが2兆円近くが支出されているようだ。この2兆円が全く管理されていない実態も同時に指摘され、東京五輪の1.5兆、コロナ予備費12兆の使途不明金もあわせて杜撰で無能な政府の実態が浮き彫りになりつつある。


借金(国債)については経済知識がそれほど有る訳では無いのだが、日本だけの国債償還費とかいうおかしな予備費を16兆も置いているそうだ、興味がある方はネットで検索してみて欲しい、特に高橋洋一先生の財務省や国債、経済に関する指摘はするどいと思う。


日本は官僚、政治、マスコミ、企業、学術界、寄生虫共の利権が絡まりあってどうにもならない状態になっているようだ。一つ一つ指摘して改善しようとしてもどこからか邪魔され、国全体を考えての合理的な決定が何も出来なくなっている。最近とみに他国に比べ経済成長していない事を指摘されているのもこういう硬直した状態のせいだろう、沈み続ける船と言う表現をした人がいるがまったくその通りだと思う。


こうなってしまった最大の原因は、事なかれ主義で合理思考の薄い国民性が、国という仕組みに関してきちんと考えて合理的に時代にそくして改善してこなかった事だ。つまり日本人の性質の問題なのだ、歴史は繰り返す、江戸末期と太平洋戦争のように切羽詰まった危機的状況にならないと変わらないし変われない。


一つ可能性があったのは橋下大阪維新の会が提唱した道州制だ。各地域で新しい仕組みを試し成功したものを全体化していく多様性という意味、中央官僚の力を構造的に取り上げるというチャンスだった。橋下氏が敵を作る人でも、いい意味で硬直した状態を破壊してくれる事を期待したが残念な事に引退してくだらない事をくっちゃべっているようだ。


2年前に書いたトランプバイデンの選挙のエッセイで戦争前夜かもしれないと書いたが、その後ロシアウクライナ戦争が起き、中国は独裁が進んで台湾有事の可能性が高くなってきた、アメリカは移民とリベラルの暴走で壊れつつある、日本は安倍さんが少しはましな経済政策と国防対応をされていたが暗殺されてしまい、官僚に利用される岸田首相が暴走する有様だ。正確に言えば想像していた方向ではないが世界が大きな混乱に向っているのは間違いないようだ。


歴史の奔流は個人にはどうしようもない、危機的状況になったときに知識があり視野の広い合理的なリーダーが現れてくれればいいが、ヒットラーのような人物を生み出す土壌にもなりうるから、諸兄には情報収集と冷静で合理的な判断をされる事を切に願う。


                2022年12月17日 記

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[良い点] エッセイに感想を頂いた者です。 読みましたが、大筋私が書いたことと同意見です。 何か誤解があったのではないかと思います。
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