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時間と精霊の狭間に沈む月  作者: 風見渉
第一章
5/48

相対

【光速(光速度)】

 光が伝播する速度の事。

 真空中における速さは299,792,458 m/sと定義される(約30万km/s)

 ※地球⇔太陽 約8分19秒、地球⇔月 約1.3秒





「えーっと、ですねー…」

 頭よりも、身体が重く感じる。

 感じているだけである。


 ティアリエルという少女を認識してから約八時間後──私の意識が仮想空間より現実世界に拉致されていた。


「マスターの身体は即席で造ってるのでー、耐久性が低めですねー」

 身体、とやらの説明をしてくれている──が、()()を掘り起こすならば、だいぶ不味いのではないかと思う。特に倫理観が…。


「あとー、この宇宙船()には地球上の重力の2割位は常時重力発生させてます。螺子とか細かいのがふよふよ浮かんでも危ないのでー」

 記憶の欠落がそれなりにあるようなので、解らないことは聞き流しておく。過剰な()()は私の管轄外だし、聞いたところで色々と後悔しそうな気が……。


「マスターの方は、促成培養なのとー…素体がー…」

 これ以上、これは聞いたらいけないような…──


「…少し、顔色悪いですねー、マスター?」

 ティアラはにっこり笑ってそういった。

──解ってて言ってるような…これ。

 かなり性格が黒いのではないかと思う……。

 溜め息しか出てこなかった。





「…光速で移動しているのよね?」

()()ですねー。そこまで速度出していないときもありますしねー」

「二百年ねぇ……」

 二百年位ならば()()の周辺、誰かしら普通に生きていそうである。現に当時の最長老が解っているだけで二千年…。


「えーっとー、マスター。これ(宇宙船)での移動時間が二百年なのでー、地球と時間がズレますよー」

「どれくらいの時間?」

 …ほぼ光速って言ってたわね…。

 光速の何%出してるのかしら……。


「低速や停泊期間の誤差いれても一万年くらいですかねー」

──はっ……?

 いやいやいや。おかしいでしょ!


「光速の99.99%で移動してるのでー」

「その数字おかしいでしょ!…エネルギー源どうしてるのよそれは!」

「……知らない方が良いこともあるんですよぅー」

 目の前のティアラが目をあからさまに反らし、目を伏せる。


『…記憶が無い方が、楽だと思いますよぅ……』

 微かに呟かれた声は、耳には届かなかった──




むずかしいこと言ってますがやっぱり黒い(´・ω・)

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