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時間と精霊の狭間に沈む月  作者: 風見渉
第一章
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目覚めと頭痛

「おっはよーございまーす!マスター!」


 誰?

 …否、()()()()()

 記憶の中のその名前は【ファナ】と言ったような──


「ティアラ、起きるの待ってたんですよー」

 …あれ?名前、違う……?

 モニター越しに見えるその姿は記憶通り。長めの金髪をツインテールにしていて、見かけが7~8歳位のたぶん女の子。記憶の子は男の子じゃなかった、筈。

 もう一人いたかしら…?

 記憶を探ってみるが、もう一人いた記憶はやはりない。

 記憶が相当欠落しているのかしら…?


「マスター?ティアリエルですよー?おーい」

 …名前に聞き覚えが…何処にも無いんだけど…。どうしよう。


「マスター!返事してぇぇ…」

 あっ…。そういえば気圧されて発声してなかった。


「うん…聞こえてる…」

 少女がモニター一杯に映る。こちらを覗き込むかの様にして。


「マスターってばお寝坊さんですね!寝起き悪すぎです!」

 いや、多分、それは違うと思うの…。

 少々…否、かなり混乱を──状況に追い付けません。

 取り敢えず、説明が切実に欲しいとしか言いようがない。





「…ぇ…約二百年……?」

 頭が遠くの方で痛みを覚え始める。


「マスターが寝ていたのは、ですね」

 …ティアラがモニター越しに少々含みのある言い方をする。

 続けて爆弾が落ちてきた。


「それでですね、この宇宙船()()()光速移動してるんですよー!」

 …え……?


「今、何て、言った…の?」

 たかだか二百年程度で光速移動できてたまるか!と思った私の思考は正常だと思いたい。

 …しかし、記憶の中の()()なら当時の時点でやりかねないことも理解してる。要は、色々と規格外(チート)だったのだから。

 遠くにいた頭痛がジリジリと近寄ってきている、気がする。

 私は諦めたように何もない空を見上げた。

 …本当に色も何もない。微かに格子(グリッド)が見えるだけ。

 …何故、色の無い空に格子(グリッド)……?


「…だいじょーぶ?マスター…」

 大丈夫に見えますかね…色々と気力が削がれています。としか言い様の無い現状なんですけどね…。


「マスター、帰ってきてぇぇ…」

 意識を遠くにポイっと放り投げたい気分に駆られたのだけど、どうも許しては貰えない模様。

 一言で言うと、グッタリ。



 ティアラに聞きたいことは山とあるけれど。

 まず何から聞くべきか──幾つか候補を挙げては消していき──モニター以外には何もない無限に広がっていそうな世界を横目に見ながら問いを決めた。


「…私の居るこの場所は何なの、かしら?」

 問いながらも何となく予想がついた。

 そしてそれは大体正解だった。

片頭痛が遠くからひょっこり。

そしてじわじわと痛みが強くなっていくような感じです。

ある意味まだ名前が出てこない人がちょっと可哀想な第一次遭遇です。

寝起き、だもの(・ω・)

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