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その後……

 1月の上旬。ジェイダンは槍の手入れをしながら言った。

「それにしても20000ポイントだもんな。一体、トレンチの正体って何だったんだ?」

 ファルシオンは飼い葉を食べながら答えた。

「魔界でも有名な間者だったみたいだよ。何でも風のように現れて必要な情報や家宝を持ち去るらしい」

「闇の世界の怪盗と言ったところか」

「うーん、どちらかと言えば何でも屋が近いかな。不死者を用いて領地1つ切り取った例もあるから」

「やはり、とんでもない奴だったという事か」


 彼らの言う通り、トレンチはある魔王に仕える魔界でも有名な闇の仕事人だったようだ。

 その人物を捕らえたことで、魔界の王たちの間でイルースィヴや俺たちは有名になり、攻略のリスクとリターンの釣り合わない存在として認知されるようになった。

「確か、人間界で最も攻略の難しい勢力とか言われてたよな」

 ジェイダンが言うとファルシオンも頷いた。

「うん。例のゴブリンエンペラーも、魔界の王の誰かがテコ入れした勢力だったみたいだしね」

「あれが倒されたときは、衝撃を受けた王も多かったって話だぜ」



 赤毛のロプも、ダンジョンマスター帳を開きながら小気味よさそうに頷いていた。

「ところで、お主たちは礼のポイントは何に使うんじゃ?」

 結局、貰った20000ポイントはダンジョンマスターに山分けする形で配分していた。

 ジェイダンは答えた。

「実は川に橋をかけて、バダルラインの東側を開拓しようと考えてる」


「シュウジンは?」

「6600のうち、半分は内政に回して開発しつつ、ユニコーンを増やすことに使った」

 そう答えるとジェイダンは苦笑した。

「スパイを摘発したばかりなのにユニコーンを増やすとは……お前も懲りないな」

「このタイミングがいいんだよジェイダン」

 そう切り返すとロプも頷いた。

「傍聴力に自信がないと出来ぬことじゃな」


 ジェイダンは少し考えると言った。

「ユニコーンが増えたということは、ゴルアースの西側を開拓していくのか?」

「始まりの森は冒険者の侵入も多い場所だ。どちらかと言えば……ゴルアースの北側を開発して天然の牧場にしたい」

 ロプは頷いた。

「その方がマナも唸るほど手に入るじゃろう。ファルシオンをダンジョンマスターにするのもいいかもしれんぞ」

「僕よりも、マミエルさんの方が適任じゃないかな?」

 ファルシオンは遠慮がちに言ったが、後ろからやってきたマミエルは笑いながら隣に腰かけた。

「私としては、ユニコーンがどのような統治をするのか気になります」


「やってみろファル」

 そう背中を押してやると、ファルシオンはまいったと言いたそうに笑った。

「わかった。僕以外は全員が牝馬だし……ユニコーンをたくさん増やしてみるよ」

 ジェイダンも笑いながら言った。

「そうなると、警備が重要だな」

「大丈夫。マナ収入にもだいぶ余裕ができてきたから、これからは天使を中心に増やしていく」

「じゃあ、各自……職務に戻るとするかの」

「そうだな」



 イルースィヴが子育てを終えて戻ってきたとき、シュウジン隊だけでも6地域25拠点を支配し、50を超える天使と、34頭のユニコーンが在籍する、大陸有数の精鋭部隊になっていた。

 ダンジョンに中ボスは2体いれば多い方と言われる状況で、これだけの重臣を用意できたのは、地道にマナの生産力を上げたおかげだった。


 また、防諜力も高く内乱を誘発することもできないため、イルースィヴ軍はどこの勢力も手出しできない軍団として、人間界や魔界の列強勢力に一目置かれる存在となっていった。

【あと書き】

 最後まで、【底辺冒険者が最難関ダンジョンの長に】ダンジョンボスになった元冒険者だが、名前のせいで……まともな男たちが仕えてくれない。だから開き直って女性の中ボスを雇いながら最難関ダンジョンを作りたいと思う。を読んで下さりありがとうございます!


 いかがだったでしょうか? 実は、伏線と伏線回収の練習用に作った作品なのです。

 無事に機能していたらいいのですが……もし、機能していなかったら、前向きに次の練習用の作品を書いてレベルアップしていきたいと思います。


 次回作なのですが、今のところはギャグ小説を作れないかと試行錯誤しています。

 もし、新作を見かけたら、是非、見てやってください。


 では、短い挨拶になりますが、これで失礼いたします。

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