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残り600ポイントの使い道

 マミエルがレクシーにマスター帳の管理の仕方を説明している間に、俺はイルースィヴと話していた。

「レクシーのようにマナの加護を得られない者もいるんだな」

「正確には50ポイント以下というべきじゃの。マミエルのように300ポイントも得られる者の方が珍しいんじゃぞ」


 そうなのか……と思った。

「だいたい、300ポイントの加護を得られる奴ってどれくらいいるんだ?」

「そうじゃのう……人間なら100ポイントの加護を得られる者が100人に2、3人と言ったところで、200なら1000人に1人、300となると変わった血筋の持ち主と聞くのう」

「先祖が巫女という……俺の友人のようなヤツか」

「そうじゃな。巫女やエルフの中には、稀に400や500という者もいる」


 エルフでも500か。だけど、この白毛で電気まで操れるイルースィヴなら、俺よりも高くてもおかしくない。

「ちなみに、お前は幾つなんだ?」

「それはじゃな……ん、なんじゃ?」

 マミエルとレクシーはこちらを見ていた。

「話を遮ってしまって申し訳ありません」

「構わぬ。聞きたいことがあるのなら気軽に申せ」

「どうやらレクシーは、余ったポイントでオオカミの部隊を持ちたいそうです」

 レクシーも頷いていた。

「うん。だって、オオカミ、家族!」


 マミエルは許可を求めるように俺を見た。

「確か、生き物を召喚するとエサ代やメンテ代がかかったな。そのことも説明したか?」

「はい、それでもオオカミがいいそうです」

 それならば問題ない。これはレクシーのポイントなのだから。好きに使わせてやって欲しいと思う。

「構わないそうじゃぞ」


 レクシーが手をかざすと、オオカミ11頭が姿を見せた。

 ボスと思しき強い狼1頭。補佐役と思しきまあまあなのがオス3頭とメス1頭。残りは……お察しくださいのオス狼と、普通のメスたちである。

 オスたちは、レクシーやマミエルには舌を出して早くもゴマすりをしていたが、俺と目が合うと、慌てて目をそらした。

 なんだ。俺って、そんなに怖いだろうか?


「じゃあ、レクシーと狼たちには俺のエリアの警備をお願いしよう」

「わかった」

 レクシーは喜んでオオカミたちを引き連れようとしたが、ふと足を止めた。

「バダルラインのもり、ナワバリ、どこまで?」

「私が説明します」

 マミエルがいてくれて本当に助かる。


 さて、こいつらが見回りをしている間にシュジン親衛隊を作っておくとしよう。

「購入する費用が高くて、維持費が安いタイプのモンスターと、その逆がいるみたいだな」

「うむ。ゴーレムや植物系モンスターの維持費は安いが、一度配置してしまうと移動が容易ではない。動物系は配置換えは楽だが、毎日のエサ代や手入れを甘く見ていると痛い目に遭う」


――もしもし


 ん、女の人の声がしたと思って振り向くと、透明なフェアリーのような少女たちがフワフワを宙に浮いていた。

「ん? 今、何か言ったか?」


――バダルライン卿。もしよろしければ……カタログの中からカスミグサ。霧を常に発生させる草を買ってはいただけませんか?

「ええと……植物植物……」


 そのページを開くと、フェアリーの少女が言っていた通りカスミグサが売られていた。1株20ポイントか。

――それをセットで購入してください。植える作業はこちらで行います


 11本セット200ポイントか。オオカミが100ポイントだったことを考えると結構な出費だな。

 ちょっと考えたが、お願いを聞くことにした。まだ600ポイント残っているんだから、200ポイントくらいいいだろう。

「わかった。今、手配する」


 フェアリーたちは少女のように喜んだ。

――やったー!

――ありがとうございます! お伺いした甲斐がありました!!


 フェアリーたちの3分の2くらいは、届いたカスミグサを植えに行ったが、残ったフェアリーのうちの一人が言った。


――あの、重ね重ねお願いしてすみませんが……

「どうした?」

――御神木に害虫が住み着いていますので、薬を買ってはいただけませんでしょうか?


 俺は横目でイルースィヴを見た。御神木のことは彼を通さないといけない気がする。

「どう思う、イルースィヴ?」

「ふむ。確かに老木ならあり得ることじゃな……だが」

 それ以上は言わなくてもわかった。ポイントが更に100かかることに難色を示しているのだろう。

「俺は構わないぜ」

「……そうか。すまぬな」


 こうして残りは300ポイントか。

 何かいいものはないかとフロアマスター帳を捲っていると、おや、手頃な値段のゴーレムがいた。

「なあ、この雨対応のクレイゴーレムというのは使えるのか?」

「粘土でできたゴーレムじゃな。5体で200ポイントか……初期費用は高めじゃが、メンテナンスを一切しなくてよい所が魅力じゃ」


 購入すると、残りは100ポイントとなった。

 残りは……何か不測の事態が起こった時のために取っておこうかな。武器なんかも買えるみたいだし。

【レクシーからの挨拶】


…………

 レクシーです。ええと……この辺に……あった!


【ブックマーク登録】

【☆☆☆☆☆→★★★★★】


…………

……よ、よろしく……


 ペコリ。

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