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シュジンの血統(イルースィヴ予想)

 ダンジョンマスター帳を開こうとすると、見覚えのあるユニコーンが姿を見せた。

「バダルライン卿!」

「ファルシオン。何とかお前たちの世話をしてくれそうな天使が見つかったが……どうだった?」

「もう、僕をこんなに待たせて……この、この~」

「やめ、くすぐったい!」

「ついでに、聖樹公にも、この、この~」

「こらーやめんか! くすぐったい」

「えい」

「こら、やったな~」


 少しじゃれ合うと、ファルシオンは言った。

「ああそうそう。来月辺りから西側もフェアリーたちが復活しそうだよ」

「早いな。来年の春くらいまではダメかと思っていたぞ」

「イオシフィナとトレントの木のおかげだよ。彼女たちがいなければ、最低でも半年は寝かせないと本当に荒れ地になりそうなくらい危険な状態だった」

「なるほど……」


 ダンジョンマスター帳を見てみると、9月分のマナポイントが集まっていた。

 俺自身の1000。領内からは550。イオシフィナの増幅分110。そこまで目を通すと、ファルシオンは言った。

「そう言えばさ、先月にバダルライン卿……400ポイントくらいこの土地に投資したよね?」

「ああ、地域一帯に1000、ここに200だから、そういう計算になるな」

「2マナ払って、毎月1マナを収穫という計算になるけど、隣のバダルライン地区はもっとマナの収穫が高くなかったかい?」


 そう言われてみればそうだ。

「それは恐らく、イルースィヴの特殊能力じゃろうな」

 振り向くと、いつの間にか赤毛のロプが立っていた。

「どういうことだ?」

「彼の母親は魔王……古の神の加護を得ている。じゃから、自分の統治する地域のマナを活性化させる力がある」

 確か、バダルライン地域は、500ポイントを投資して月々400ポイントのマナとなったりと、いろいろと内政が楽だった記憶がある。


「そういうカラクリがあったのか」

「うむ。我は逆にマナを徴発する特殊能力があるがのう」

「使っちゃダメだよ」

 ファルシオンが真顔で言うと、ロプは不服そうに言い返した。

「何度も言わんでもわかっておるわ!」


「実は魔王は古の神か……教団が聞いたら嫌がりそうな話だな」

 そう言うと、ロプは真顔になった。

「他人事のように言っている場合か。お主も魔王の血を引いている可能性が高いのだぞ」

 俺は、は? と思いながらロプを見た。

「どうしてそうなる!?」

「月々の基本マナポイントが1000。充実しすぎたダンジョンマスター帳……これだけでも相当真っ黒じゃが、トレントの木を召喚したことが決定的じゃったの」


 頭が混乱する。

 つまり俺は、異世界からやってきた勇者の末裔であり、かつ魔王と呼ばれた古の神の血まで引いていると。

 そして、先祖は王国と敵対して非業の死を遂げた。


「ん……それってつまり……」

「こういうことじゃろうな」

 いつの間にか現れているイルースィヴは、真顔で話し始めた。


「お主の父の父が、異世界からやってきた英雄……リュウ・コーダ」

「ああ」

「お主の父の母が、リュウと共に活躍した賢者……彼女は現地民という説が有力じゃが、異世界人という噂もある」

 頷くと、イルースィヴは話を続けた。

「お主の父が、謎の多い人物……通称リュウジュニア。正確な名前はわからん」

「おう」

「お主の母が、魔獣と不作を司る魔王……通称グリーンエンペラー」

「母父と母母は?」


 イルースィヴは難しい顔をしながら答えた。

「母父はわからんが、母母はフライマスターベルゼブブの可能性が高いの」


「つまり俺は、バリバリの良血馬ということか」

 イルースィヴはにっこりと笑った。

「ベルセブブ殿は、他地域の神と言われる人物でもある」

「それはすげえな」

「親クジが当たって良かったの!」

 そのクジのおかげで男が誰も仕官してこないことを、イルースィヴはどう考えているのだろう?

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