8月の収入
ニンフのイオシフィナが言った。
「中央部を70、北部を30、東部を100、南部を46ほどマナを増幅させました」
ダンジョンマスター帳を見ると、各場所の収支がわかった。
中央部 1000+350+70+160+46
北部 100+150+30ー56
南部 500+230+46ー46+56
東部 100+600+100ー160
西部 600+0+0
1000は俺の霊力。350は純粋な中央部の豊かさ。70はニンフのブースト分。160はアマゾネス隊のアイラからの贈り物。46は多分だがロプからのマナ増幅分のお礼だろう。
それにしても、ファルシオンの治める西部の数値は凄いな。ゼロだもん。これ……もしかしたら土地を休めているということかもしれない。
とにかく、俺の冊子には4435と記されていた。
――あの、バダルライン卿
早速、フェアリーたちがやってきた。
「おい、来たか。今日はどうした?」
――実は、地区全体の木々に不要な枝が多いので、間引く作業をしたいと思います。1000ほどマナを頂けないでしょうか?
「わかった」
残りマナ:4435→3435
――あと、害虫が増えているので、ペーパーワスプが売られていたら仕入れて欲しいのですが
ペーパーワスプ……アシナガバチのことか。
調べてみると、確かにアシナガバチがモンスター欄に売られていた。小型の巣とハチのセットが20ポイント。大規模なもので50ポイントとなっている。
――小型の巣と巣箱を10個ほど仕入れて頂けませんか?
――配置はこちらで行います
「わかった」
残りマナ:3435→3235
「バダルライン卿」
誰かと思えばマミエルだ。何か冒険者街に進展があったのだろうか。
「どうした?」
「今月分のマナです」
そういえば、イルースィヴやジェイダンはマミエルの治める領地だけは、俺の管轄と言っていたな。
「すまない。ありがたく使わせてもらう」
439ポイントを貰った。
ということは、コイツの霊力は300なのでバダルライン西部の収入は1895と言ったところか。
残りマナ:3235→3674
マミエルはトレントの木を眺めた。
「彼女はもしや……」
「これはトレントの木で、ニンフのイオシフィナが住んでいる」
「初めましてマミエル様」
マミエルは会釈すると言った。
「ニンフは動けないので、領地を見て回る天使が1人はいた方がいいですね」
「ファルシオンの天使の話もあるからな。そう考えると2人は欲しい」
「わかりました。価値ある魂を探してまいります」
「冒険者街では疫病が流行ってる。気を付けるんだぞ」
「承知いたしました」
マミエルが価値ある魂を見つけてきたのは、それから2週間後のことだった。
「バダルライン卿!」
「おお、マミエル……その2人は?」
「生前に家畜の医者をしていたウカガエルと、女狩人だったミエルです」
「お初にお目にかかりますバダルライン卿」
「私たちを臣下に加えては頂けませんでしょうか?」
「歓迎しよう」
喜び合う2人を見ながら、ふと思った。
マミエルは性格的に価値さえあれば男魂にも声をかけるはず。美しく聡明な彼女が士官話をしても男が誘いに乗らないということは……原因はやはり俺ということなのだろうな。
「給金は200ずつでよろしいですか?」
「ああ、それがいいだろう」
マナを渡そうとしたら、ウカガエルたちは言った。
「いえ、まだ働いてもいないので……」
「そうか」




