第3地点の戦い
ムキムやマミエルの前に、伝令役のゴブリンが走ってきた。
「申し上げます! 第2地点の部隊が……敵魔導士部隊を撃破」
「おお!」
リザードマンたちが歓声を上げると、ゴブリンは更に言った。
「それだけでなく炎魔導士の将マギスを討ち取りました!」
「おおおおおおおおおお!」
「よくやった……それでこそ竜族の末裔だ!」
しかし、彼らの善戦はここまでで、第2地点を守っていた部隊は後続部隊によって倒された。
ムキムは、ゴブリンたちにヒット&アウェイを行わせ、ロプ軍の侵攻を遅らせた。
更にムキムは、ゴブリンたちに夜襲を指示。
マミエルも強硬偵察を行い、ホブゴブリン1体を撃破、ゴブリンナイトとホブゴブリンにケガをさせる戦果を挙げた。
「ただいま戻りましたムキム殿」
「加勢までしてくれて感謝するぞ」
「偵察をしていたら、偶然敵と撃ち合いになっただけです」
彼女は空を見た。
「それから、聖樹公に呼ばれたので一旦戻ります」
「わかった。気を付けて戻られよ」
「皆さんのご武運をお祈りいたします」
マミエルが飛び立つと、ムキムは不思議そうに言った。
「はて……バダルラインはそっちではないと思うが……」
マミエルが向かったのは西バダルラインではなく、ジェイダンの治める北ゴルアースだった。
そこには俺もいるため、マミエルにとっては都合が良いというワケだ。
「お帰り」
「ただいま戻りました、バダルライン卿」
「ロプ軍は、どこまで侵攻した?」
「第2地点と第3地点の間にいます」
「よし、じゃあ……今のうちに奴らの本拠地を奪い取るぞ!」
そう言うと、ジェイダンも自慢の槍を手に頷いた。
「おう!」
ジェイダンはマミエルに言った。
「一応、領内にはリリィとクレイゴーレムたちを残していくが、何かあったら連絡してくれると助かる」
「わかりました」
ジェイダン軍の先鋒を務めたのは、俺とユニコーンのファルシオンだ。
ハイユニコーンの突進力と、俺の弓さばきがあれば大抵の敵を撃破できるだろう。
「いくぞ」
「うん、終末に鳴り響くラッパが如く!」
本当に独特なお馬さんだ。
俺たちは侵攻当日の17日中に拠点を1つ攻略し、18日になると立て続けに2つの拠点を攻略し、夕方ごろになるとゴルアース中央部の重要拠点を制圧。戦闘力の高さを内外に見せ付けた。
夜になると、本隊であるジェイダンの部隊とも合流した。
「見事な手腕だったな」
「警備も手薄だったからね」
俺も辺りに気を配りながら言った。
「早ければ明日、遅くても明後日には中央部を平定しよう」
「そうだな」
マミエルのハトが飛んできた。
「ん、これはマミエルの使い魔か」
『バダルライン卿。どうやらロプ軍本隊は、今……我が軍に拠点を奪われたことを知ったようです』
「なるほど。他にもわかったことがあったら教えて欲しい」
「はい。では……一旦、失礼します」
ジェイダンは微笑を浮かべながら言った。
「さて、奴らはどう出るかな?」




