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前線部隊の増強

 俺はジェイダンと一緒に、ダンジョンマスター帳を眺めていた。

「お前、マナはどれくらいある?」

「俺自身の1000と領地内から1495。北部から262、中央部から479、南部から246だから……」

 ページを捲ってみた。

「3482ポイントに、前月分の1665を足して……ああなるほど。5147ポイントだ」

「す、すげーな……俺なんて、やっと手持ちのマナポイントが1000を超えて喜んでるってのに……」


――あのーバダルライン卿?

 フェアリーたちの登場だ。

「おお、どうした?」

――実は、バダルライン地方の土壌の改良をしたいと思いまして……

「なるほど。マナポイントはどれくらい必要だ?」


 フェアリーたちはお互いを見た。

――1500ほど頂けますか?

「わかった」


5147→3647ポイント


 マナを渡してから、ふと気になったことがあった。


「ところで、どうやって土壌を整備するんだ? まさか、新しい土を買ってくるわけじゃないだろう?」

 フェアリーはにっこりと笑った。

――くたびれた土地に肥料となる枯れ葉や、ミミズやダンゴムシをはじめとした分解者たちを派遣するのです

「なるほど……」


――では、早速作業を行わせていただきます

「ああ、頼んだぞ」


 やり取りを見ていたジェイダンは、ポカンとしていた。

「地方の雄になると、地域丸ごと整備できるのか……」

「かかる費用も凄いがな」

「ねえねえねえねえ!」


 聞き覚えのある声がしたと思ったら、ユニコーンのファルシオンだった。

「どうしたファル?」

「散歩をしていたら、野生馬の中にユニコーンになれそうな若馬がいたんだ」

「ほう……誘ってみたのか?」

「うん。そうしたらバダルライン卿の部下になりたいって言ってたよ」

「確か、ユニコーン化するには1000ポイントかかるのだったな」

「そうだよ。僕も500ポイント負担するから、半分ずつ出資したい」


 俺は頷くと、ダンジョンマスター帳に声をかけた。

「なるほど。イルースィヴ、話は聞いているか?」

「聞いているぞ」

 彼は藪の中から姿を見せた。

「実は余も1頭、見込みのありそうな牝馬を見つけてきたところじゃ。2頭まとめて面倒を見て貰っても構わぬか?」

 ファルシオンは言った。

「じゃあ600全部ポイントを出すから、残り400は前借ということで……」

「こらこら、マナの借金はお勧めしない。お前は500だけ出して100は取っておけ」

「バダルライン卿の懐は、飛竜の遠吠えのように深みがあるね」

 それは、褒められているのだろうか……?


 間もなく、鹿毛色の牝馬と葦毛の牝馬、フェアリーたちが姿を見せた。

 ファルシオンが連れてきた葦毛は凄みを漂わせているからわかるが、イルースィヴの見つけてきた鹿毛は普通の牝馬に混じると見分けがつかないようなお馬さんだ。

「すげえなイル……」

「本当、まさに慧眼の士だよ」

「はははは……おだててもマナは1ポイントも出ないぞ」


――鹿毛の娘は風属性の加護、葦毛の娘は水属性の加護を得られます

「ああ、頼むぞ」

 俺とファルシオンが合わせて2000ポイント支払うと、フェアリーたちは陣を地面に記して、2頭の牝馬たちに角を生やした。


3647→2147ポイント


「風使いトレンチと申します。以後お見知りおきを」

「葦毛のクリスです。水に関することなら何なりとご相談ください」


 なるほどと思った。ユニコーンになると人語を操れるのなら話は早い。

「うむ。頼りにしているぞ。我が名はイルースィヴ。そして、ここにいる者がお主たちの上司となる、バダルライン卿と、ファルシオン補佐だ」

「よろしくお願いします」

 俺は笑いながら言った。

「ああ、よろしくな」

「君たちの雄姿は、虚空の闇でも爛々と輝くシリウスのようにたくましい! 頼りにしているよ」

 トレンチとクリスは、苦笑しながら頷いた。


 ジェイダンは羨ましそうに言った。

「いいなぁ……1頭うちに配属してくれよ」

「彼らは3頭まとめての運用だから、全員引き取ることになるぞ」

 ファルシオンたちが目を光らせると、ジェイダンは首を横に振った。

「つ、謹んで辞退申し上げます!」


 結局ジェイダンは、ダンジョンマスター帳を使ってリザードマンの戦士を雇うことにしたようだ。

「ダンジョンマスター殿、お話はわかりました。このムキムにお任せあれ!」

「頼りにしているぞ!」

 なるほど。これほどの豪傑なら、形勢が不利になったからと寝返ることもないだろう。

 さて、主君であるイルースィヴは、どう思っているだろう?


「ふむ……腕は立つようじゃが、文官が欲しいのう」

 よく見たら、リザードマンのムキムの霊力はわずか100ポイント。更に政治に関するページが2ページしかなかった。


「おいジェイダン」

「な、なんだ?」

「リリィをムキムの補佐に付けてやれ。どう見ても領地経営で行き詰まる」

「ええ、リリィは勘弁してくれよぉ……他に誰かいねーの?」

「ちょっと待て。お前こそ重臣リリィひとりって……今までどうやって領地を切り盛りしてたんだ!?」

「だって、慢性的なマナ不足でさあ……」


 俺は呆れながら300ポイントをジェイダンに手渡した。

「これでさっさと文官を探してこい」

「ええ、天使一人くらいくれよぉ」

「天使もウマも集団運用が基本だ!」


残りマナ:2147→1847ポイント

 こうして、次月に繰り越すポイントは1847というになった。

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