冬……そして厳冬に
11月。ダンジョンマスター帳を見ると1765ポイントが入っていた。
前月繰越分が632ポイントなので、2398ポイント。
そこからアイラ隊に500、レクシーに200、スカーレットに100、エルフィーに100を支払って、残りは1498ポイントである。
「バダルライン卿!」
「おお、マミエル」
「今月分のマナポイントです」
彼女の差し出したマナポイントは319ポイントだった。
「いつもすまない」
「冬に備えるため、今月の戦力増強は控えようと思いますが……よろしいでしょうか?」
「そこはお前に任せる」
「ありがたきしあわせ!」
話し合いをしていると、今度はイルースィヴと一緒にスカーレットが歩いてきた。
「バダルライン卿、こちらをお納めください」
彼女は225ポイントを稼ぎ出したようだ。
「お前も凄いな……たった100ポイントの投資だというのに」
「今は実りの秋ですからね。来月からはこうは稼げないと思います」
残りは2042ポイントか。冬でどれくらいマナ収入が減るのかわからないから、最低でも1000は残しておく必要がありそうだ。
「よう、みんな」
南の統治者ジェイダンもきた。
「お前の領地の蓄えは万全か?」
「ああ、とりあえず500ほど残しておけば大丈夫だろう」
まあ、確かにジェイダンの部隊規模を考えると、500の貯金があれば十分な気もする。
――あのーバダルライン卿?
「おお、フェアリーたちか」
――植物たちに冬の備えをさせたいので、マナの施しをお願いしたいのですが……
「いくらだ?」
フェアリーたちはお互いを見た。
――そうですね……もし、たくわえに余裕がございましたら……300を
俺自身の霊力がたとえ半減しても、1500の貯金があれば冬は乗り越えられそうだ。
「500出せるぞ」
フェアリーたちは驚いていた。
「す、すごい……!」
「そんなに出して頂いて……大丈夫なのですか?」
イルースィヴもまた笑っていた。
「お主の霊力があってこそ言える言葉じゃな。賛成じゃ」
500のマナポイントを渡すと、フェアリーたちは嬉々とした様子で森に帰っていった。
「お、お前……半端じゃねーな!」
「こう見えても俺はケチだ。これ以上は何も買わんぞ」
間もなく、ツーノッパには深い雪が降り積もり、少し動くだけでも一苦労する季節となった。
ただ雪掻きをするだけで11月は終わり、12月となった。
前月分の繰り越しが1542ポイントだったが、さて……今月分は?
確認すると、1557マナポイントの収入があったようだ。そこから900ポイントの支出があり、2199ポイントが残っている。
おや、イルースィヴが姿を見せた。
「シュジン、マミエルから190ポイント、スカーレットから95ポイントを預かっているぞ」
「すまない」
これで2484ポイントか。思ったよりも大したことがないと思っていたら、イルースィヴは険しい顔をした。
「冬の本番はここからじゃぞ。今年は特に寒波が来ると父上も仰っていた」
「寒波!?」
どうやら、ここからが本番のようだ。




