ヒロインとは。
夢で頭を通過してったギャグです。
印象が強すぎて目が覚めても出てってくれなくて……。
記憶の走り書きなので設定なんて考えてないですご容赦。
悪役令嬢に転生した主人公。
ヒロインはこの後義妹となる少女……。
しかし主人公はヒロイン推しであった。
「自分の身は自分で」
ヒロインをクズ男どもには簡単に差し上げなくてよ?
* * *
「アドレアナお姉様!」
「ミュリエル」
本作ヒロイン、彼女の名前は【ミュリエル・シェルバーソン】。
対し私しはヒロインを蔑む悪役令嬢なる【アドレアナ・シェルバーソン】。
「ミュリエル……ふんっ、恥ずかしい。そんな風に走って、はしたないわ」
「えへへ、ごめんなさい。お姉様が見えて嬉しくって……」
照れくさそうに顔を赤らめるミュリエル。あぁ全く、全く……。
……んんんんーーーーーッッ!!! なんですのその表情! 私しが見えたから嬉しくて!? 天使か!? 天使なの!?
ッッッかぁぁぁぁぁぁぁ!! その笑顔で白米百杯は軽く食せるわ。
私しを殺す気かしら??? ふざけてるの??
んもぉぉッ、変な男が寄ってきちゃうじゃないの!!
「んっんん……全く。公の場ではないからといっても普段から恥じぬよう身に付けてゆかなくてはなりませんのよ」
「はいっ」
彼女の瞳はきらきらと純粋で眩しい。これはダメね。
「ミュリエル……」
「はい、アドレアナお姉様!」
専属の護衛騎士探さなくては。
いやそこらの男はダメ。
なら女は?
いやダメよ私し以外の女と四六時中べったりなんて私しが耐えられないわ。
「貴方は私しが育てますわ」
* * *
「お、お姉様……」
「自分の身は自分で。貴方も令嬢、いつ危険な目に遭うかわからなくってよ。か弱いままじゃいられないの。さぁ剣を構えなさい」
「は、はい……!」
そして少女達は剣を構え合った――――。
「腰を落として! そんな拳では相手は怯みもしないわよ!」
「はいっ!」
いいわ、筋がいいのね。
「もっと強く! 素早く! こんなのイキリ野郎のフザけた肩パンと変わらないわよ!!」
「イキ……? か、肩パンですか?」
やはりヒロイン、守られる対象なだけあって力が弱いわね……。
「剣先がそっぽ向いていますわよ! 相手に怖気付いてるのが丸わかりだわ!!」
「はい!!」
こんなんじゃ民の視線に向き合えない事は愚か、貴族達にもナメられてしまいますわ……!
「もっと軽やかに! 美しく! 自分に自信をもって! 身体全体で表現するのよ!」
「はいっ!」
流石私しのミュリエル。(違う)
控えめでも輝いているわ……!
「ピンと伸ばしてっ、ぷはっ、笑顔よえが……ブクブクブク……」
「お、お姉様ーーーーッ、ブクブクブク……」
「お嬢様方ーーーーッッッ!!」(メイドの叫び)
* * *
――――数ヶ月後。
[舞踏会]
「ふふ、貴方も立派な淑女だわ……」
「お姉様……恐れ多いです。ですがお姉様に恥じぬよう頑張ったかいがあります」
「えぇ……」
さぁお披露目の時よ――――!
* * *
ざわつく会場。それもそうでしょう、私しが育てたのだから。
皆彼女に視線は釘付け。そうでしょうそうでしょう!
「あれ……確かシェルバーソン家の養女だよな?」
「えぇ……でも以前見た時よりもなんというか……ご立派になられて……」
異質を放っているミュリエル。
皇太子も開いた口が塞がらない。
他の攻略対象達も唖然としてらっしゃるわ。良いこと良いこと!
「お姉様、リボンが緩くなってますわ」
「あら……」
気が利くわ。流石私しのミュリエルね。(違う)
「レディ、一曲いかがでしょうか……」
「喜んで。お姉様、いってきますね」
「えぇ」
――――そうね……うん……。
ふわりと靡くスカート。豊満なボディをさらに豊満に魅せる純白。大きな宝石もミュリエルには小さく感じるわ。
――――輝く筋肉、筋肉、筋肉。
ダンスに誘った男性の心の声が聞こえるわね。
あぁ、雌にされる――――――ッ!!
……わからなくないわ。だって私しが育てたんですもの!!
「ふふ、流石ミュリエル」
男性はいつの間にか腰を支えられ女性のようにリードされていた。
あぁ、私しどこで育て方間違えたかしら。目的なんだったっけ……。
とりあえずピックアップされた競技は空手、ボクシング、剣道、フィギュアスケート、アーティスティックスイミングかな
最近悪役令嬢系の書物を読み過ぎなのかもしれない。お疲れ様でした。