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僕のお父さんの“お嫁さん”になってくれませんか?

作者: 七瀬







僕は、幼い時にお母さんを亡くしている。

僕を産んですぐに、病気になったらしいんだ。

ずっと、僕は僕のせいでお母さんが死んじゃったんだと思っている。

こんな事、お父さんにも言えないし。

僕の心の中にしまい込んでいる気持ちだよ。

お父さんにも本当に申し訳ない気持ちでいっぱいなんだ。




・・・でもね? そんなお父さんが僕に紹介したい女性ひと

いると連れてきたひとがいるんだよ。

とても綺麗な女性ひとだった。

きっと、お父さんの事を好きな女性ひとだと直ぐに僕にでも

分かったよ。

お父さんは、この女性ひとと【再婚】するものだと僕は思っていた。

でも? あれ1回きりで、僕はあの女の人と会う事はなかったんだ。

何故? お父さんはあの女性を家に連れてこないのか?

僕は心配になった。

だからね、僕は思い切ってお父さんに直接聞いてみたんだ。




『ねえ、お父さん?』

『うーん、どうした?』

『以前、僕に会わせてくれた女性ひととはどうなったの?』

『・・・あぁ、ううん、』

『上手くいってないの?』

『もういいんだ! この話はこれでおしまい!』

『まだ、何も終わってないじゃないか!』

『いいから、もう自分の部屋に行って寝なさい!』

『・・・・・・』





お父さんは僕に、“何か隠している?”

それが気になって僕は眠れない。

ふたりの関係は、どうなっているのか?

僕のせいで、上手くいかなかったなんて! 凄く嫌だよ。

僕は行動に移す事にしたんだ。




・・・先ずは、お父さんが僕に隠しているなら?

お父さんのお母さん(僕のおばあちゃん)に聞いてみるのがいいと思った。

きっとお父さんは? おばあちゃんにはあの女性ひとの事を

話しているはずだから。

僕は僕の家から近くにあるバスに乗っておばあちゃんの家に向かった。

おばあちゃん家に着くと、おばあちゃんは嬉しそうに僕を抱きしめてくれた。



『才君、よく来たわねぇ~ 一人で来たのかい?』

『うん! それよりおばあちゃんに聞きたい事があるんだ!』

『おばあちゃんに聞きたい事かい?』

『うん!』

『じゃあー先ずは、中に入って! ケーキでも食べるかい。』

『うん、食べるよ。』

『さあさあー中にお入り』

『ありがとう、おばあちゃん』






僕はおばあちゃんに、不器用ながらに説明したら?

おばあちゃんはやっぱり、あの女性ひとの事を知っていた。

お父さんと付き合っていて、再婚相手になる女性ひとだった事まで

僕に話してくれた。

でもね? お父さんは僕の事を考えてあの女性ひととは別れたらしい。

僕が亡くなったお母さんの事が“大好き”だったから。

仕方なく、あの女性ひとと別れる事を選択したんだって。

僕はその話を聞いて、凄く悔しくて悲しくて泣き出してしまった。

僕のせいで、ふたりが上手くいかないのは許せない。

僕はおばあちゃんから、あの女性ひとの携帯番号を聞いて電話したんだ。

そしたらね? 凄く綺麗な女性の声で、電話に出てくれたんだ。

僕は声が震えながらも、一生懸命に僕の想っている事を伝えたら?

僕と一度、会ってくれると約束してくれたんだよ。

僕はお父さんに内緒で、あの女性ひとに一人で会いに行ったんだ。




僕は家の近くにあるファミレスで、一人であの女性ひとを待って

いると、凄くスラッとしたアノ綺麗な女性ひとがお店に入って来た。



『ごめんね、才君? 待たせちゃったね』

『ううん、今来たところだよ。』

『おばさんに、才君は何の話なのかな?』

『お父さんの事。』

『・・・その話なら、“もう終わったのよ。”』

『終わってなんかないよ! 僕のせいでふたりがダメになるのは嫌なんだ!』

『・・・でもこれは、里見さんと話合って決めたの事なの。』

『お願い! 僕のお父さんの“お嫁さん”になってくれませんか?』

『えぇ!?』

『“僕のお母さんになってください!”』

『・・・才君、』

『何で泣いてるの?』

『嬉し泣きよ! 嬉しいと涙が出るの。』

『・・・お母さん』

『才君!』







 *




これは後で聞いた話なんだけどね?

“新しいお母さん”がお父さんに連絡してまた付き合いだしたんだって。

それから来月には正式に、“アノ女性ひとは僕のお母さん”になるんだ。

きっと、亡くなったお母さんも天国で喜んでくれていると思う!

僕も嬉しいから、新しい家族でこれからは楽しく生活できたらいいな~




最後までお読みいただきありがとうございます。

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