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私と魔女 −再会−  作者: 彩花-saika-
第四章 約束
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82 約束⑩ いい加減

 暗闇に包まれた船の外でバルタがアルフォンスに話しかけていた。


「やあ、バルタ」


「アルフォンス! ねぇ、クレアとエレノアの二人を見た?」


「いや、そういえば今日は二人とも見かけていないね」


「やっぱり……。あのさ、何かあったんじゃないかな?」


「どうしてそう思うんだい?」


「誰に聞いても二人の居場所がわからないからだよ。そんなのおかしいでしょ? エレノアならまだいいよ。調理場にこもってることもあったし。でもさ、クレアがだよ? あのクレアを誰も見てないっていうのはおかしいでしょ?」


「ううん。そうだね。クレアなら必ず誰かのお手伝いをしているしね」


「もしかして海に落ちたのかな?」


「はは。まさかね……」


「今さ、私は二人を探し回ってるの。警備の二人にも頼んできた。部下たちも捜索に当たらせるって。アルフォンスも手伝って。心当たりのある場所を片っ端から探してよ?」


「わかったよ。でも、心当たりね……」


「じゃぁ、頼んだよ!」


 バルタはそのままどこかへ行ってしまった。アルフォンスは彼女が居そうな場所を思い浮かべたが、そのほとんどが皆が知っている場所だった。これだけ捜索をしているのなら、そういうところには居ないのだろう。そう考えた彼が思い当たる節を探していると一つの結論に至った。


 もしかして魔女のところに行った? 昨日、エレノアを探す時に魔女がいることに気づいてもおかしくない。自分が彼女にアドバイスをしたが、その力は予想以上に強く驚かされた。クレアが魔女を見つけるように、魔女もクレアに気づいて干渉してこないか心配したが、何事もなかったように感じた。しかし、もしかしたら……。そう整理するうちに倉庫の奥に忍び込む二人の姿が想像できた。


 先日、調べるために忍び込んだらアリとルカに見つかり奇襲を受けた。ただ、それ以降は何もしていない。彼らは魔女を運ぶだけのようだったし、魔女も箱の中で安定していた。何より、見張りで交代をすることで船の中で悪さをしないという流れが都合よかった。


「クレア……エレノア……」


 アルフォンスはとりあえず倉庫区画奥にある魔女のところへ行くことにした。箱の中にいるのは光の魔女。もしも、外へ出てきても死にかけているそうだし、それを捕まえた彼らがいるのならさほど被害も出ずにどうにかできるだろう、と考えながら通路を進んでいった。沢山の人たちが「クレアみた?」とすれ違うたびに聞いてくる。彼女が色々な人たちに心配されていることに彼はなぜか誇らしかった。


 そしてそれは突然に起こった。


 ――、アル……エレノアが……


 漠然としたイメージ、微かな声、たしかにクレア本人のものだった。連れていかれたエレノアに対する危険、心配、不安という感情。彼女がいる部屋の場所と中にいる数人の人。頭に直接流れ込んできたそれはすぐに消えてしまいそうだったが、幸い場所を把握しているアルにとってはそれがどこだかすぐにわかった。


 クレア!


 アルフォンスは彼女の意思を受け取り、エレノアのいる場所へと急いで向かった。そして、途中でアリとルカとすれ違う。彼らの面持ちからただ事ではないことが分かった。アリと目が合ったが、彼はそのまま視線を前に戻し歩いて行った。アルフォンスは彼らとすれ違い、見えなくなるとすぐにまた走り出した。


 そして、目的の部屋につくころには氷霧を準備し終わっていた。ちょうど部屋の扉があくと一人の男が出てこようとしていた。奥には縛られたエレノアが見えた。始め、アルフォンスは眠らせるつもりだったが、彼女の状態をみてその気が失せた。エレノアもこちらの様子に気づいていなかったので気兼ねなく魔法を使った。


 部屋から出ようとしたレカンタは部屋の前にいる男。クレアとエレノアと一緒にいる男だ。下調べはしてある。自分にとっては羨ましい男。少女二人と同じ部屋で寝るなんて……。いつも嫉妬していた。そして、気づいた時には体中が冷え切っていた。何より、足が全く動かなかった。


「うあ。なんだこれ!」


「君たちは少し悪さが過ぎたようだね。まぁ、私がこんなに怒りを感じたのは久しぶりだけどね」


 レカンタの両足が床事凍り付き、まるで動かない。突然の出来事、不利な状況、エレノアの仲間で自分の敵。そんな男が現れた瞬間、足元が凍っている。しかも人間の男に魔法で凍らされている。意味不明の状況も含めて、レカンタは混乱していた。


「うわぁ、何だお前! 何をした!」


「え? え? あたし何もしてないよ!?」


 ベッドでエレノアが驚いてしゃべっている。思っていたほど悪い状態じゃなさそうな彼女をみてほっとするアルフォンス。レカンタの手と口も氷で固定した。さしずめ、氷で出来た蜘蛛の巣にひっかかった獲物と言った様子だった。フゴフゴいうレカンタに恐怖し始めるエレノア。


「え? え? ちょっと、何やってんの? 怖いんだけど? そういうのはあたしを解放してからやってくれる?」


「ははは、元気そうでよかったよエレノア」


「え? あ!? アル!? ねぇ、アルだ! よかったぁ!」


「すまないね。こんなことになってるとは。気づかなかったよ。もう大丈夫」


「アルゥー!」


 縛られた状態から解放されたエレノアがアルフォンスに抱き着く。そしてすぐに、


「アル! クレアが! クレアが!」


「ああ。彼女に頼まれてここに来たんだよ。彼女は魔女のところかな?」


「そう! え、何で知ってるの?」


「さぁ、行こう」


「うん。早く! クレアもあたしもカラッカラになるまで熱い部屋に閉じ込められてたんだ! クレアは大丈夫かな!?」


 走って部屋を出ようとしたエレノアだったが、立ったまま手足と口を氷で固められたレカンタに気づくと彼の前で立ち止まった。


「なんだこれ? なんで凍ってるの?」


「なんだろうね」


「……。レカンタ? あたしさ、あんたには感謝してるよ。でも、これはマジでむかついた仕返し。フシュー」


 エレノアが構え、息を飲み込む。目を瞑り、拳に全てを集中させる。レカンタは動けず、叫べずないまま腹で呼吸を荒くしているのが分かった。視線だけ動かして「ンー!」と叫んでいる。

彼女の目が開くと同時に「どぉっせいぇい!!!」っと叫びながら、渾身の一撃が氷のない彼の股間へとめり込んでいく。レカンタは白目を剥いて氷の巣から解放されるほどの勢いで吹き飛ばされた。


「うっし! スッキリした」


「さぁ、行こう」


 エレノアが走り出すと、アルフォンスは左手でさりげなくレカンタをもう一度、氷で拘束しておいた。二人が通路を走り魔女の元へと向かう中、クレアは倉庫番の四人を説得して上階へと避難していた。四人はそれぞれ警備や船長といったところへ報告しに走った。クレアは急いでエレノアのいる場所へ向かおうと歩き出したが、壁に手をかけないと真っすぐ走れない程だった。


 アリとルカが前から歩いてくるフラフラの少女を見て、何か様子がおかしいことに気づいた。手には人の皮のようなものも握っている。膝をついて休むクレアにアリが手を貸した。


「どうした? 何があった?」


 クレアはアリを見て、彼がハサラの言っていた人物だとすぐに分かった。


「貴方がアリ? ハサラから頼まれた」


「ハサラが? お前は誰だ?」


「クレア。これ、それと伝言よ。『意味がない』って」


 アリは驚いていた。彼女が手を開いて見せてくれたのは五人全員が身に着けている石だったからだ。光の魔女の魔法から守ってくれるはずの物。軽減したり、無効化してくれる。それが「意味がない」という伝言と共に、引きちぎられた皮ごと届けられた。


「これはハサラのか?」


「いいえ。シルツの。ハサラが噛み切って、私に。ハサラも今頃きっと……」


「とういことは、魔女が出てきたのか?」


「わからない。でも、そうだと思う。箱の中からは出てきてない。水が飛んでくるの。二人とも防ぎきれてなかった」


「わかった。お前には聞きたいことがあったが、今はそれどころじゃない。だが、もしもフードの人物をしっているのなら一緒に闘うように伝えてくれ」


「ごめんなさい。その人のことは本当に知らない。でも、頼りになる人なら知ってる。早く、彼女を止めて」


 アリは持っていた小さな赤い実を彼女に食べさせた。


「ん、すっぱい。何、これ?」


「戦闘用の栄養食だと思え。害はない。その状態では役に立たないからな。さぁ、走れ。戦える奴を集めろ。さもないと、船の乗客全員が死ぬぞ」


「気を付けて」


 アリはルカと目を合わせると、急いで魔女のいる場所へと走っていった。余りの酸っぱさで体を震わせるとすぐにホカホカしてきて目が開いた。そして、立ち上がるとエレノアのいる場所へと走り始めた。


 しばらくするとアリとルカ、魔女が戦い始めたのがすぐに分かった。船全体に響くほどの音と揺れが発生し始めたからだ。皆が避難する中、クレアは通路先にアルフォンスの頭が見えた。いつも巻いている青い布だ。


「アル!」


 声が聞こえるとエレノアが人ごみを避け、急いでクレアに駆け寄る。


「クレア! クレア! クレア!!」


「エレノアも無事だったのね! 良かった! アルに伝わったのね。本当に良かった」


 クレアはエレノアの無事を確認すると涙を流しそうになったが、今はグッとそれを堪えた。魔女が野放しのままだから。それに、避難する人達で船の中はごった返していた。


「クレアも早く離れよう。非難しなきゃ」


「非難するって、どこへ? ここは船よ? 海の上なのに」


「とにかく、離れよう。それと外に出よう」


「さぁ、二人とも。こっちだ」


 アルフォンスが二人を含め、皆を誘導していた。さっきまで慌てふためいていた人たち。「魔女だ、魔女がでたそうだぞ!」叫びながら、青ざめた様子の人々。それが今は落ち着いていた。走っているのは同じだったが、混乱もなく、素早く外へと非難していた。クレアはアルと視線を合わせると、小さく頷いた。


「さぁ、皆落ち着いて。外に出て、指示に従うんだ」


 三人も無事に外へと出ると、ちょうど反対側。船の端でアリとルカ、それに魔女が戦っているのが分かった。


「なんだあれ。なんておぞましい」

「あれが魔女? 化け物よ」

「魔女なんて早く死ねばいい」


 彼らの言葉はクレアの耳に届き、胸に刺さった。たしかに魔女は恐ろしいが今暴れているのは光の魔女。つい先日まで森を守って、村の人たちと静かに平和に暮らしていた。突然現れた男達に襲われ、掴まり、森から運ばれただけなのに。苦しい胸を抑えつつ、クレアは高いところに行くと遠くに見える魔女の姿に驚いた。


 彼女は下半身がなく、両手を大きい釘のようなもので体に打ち付けられていた。代わりに木箱の中で現れていた黒い靄が手足となり動いている。足に関しては決まった形はなく、船に掴まっているためだけに存在してる。


「うえぇ。あれが光の魔女なの?」


「ちがう。そうじゃない。彼女、おかしいわ。私、彼女の姿を見たもの」


「あれは……。クレア? 何か知ってるのかな?」


 ルカの大きな盾を貫けない魔女に、雷のような動きのアリが襲い掛かる。叫び声をあげながら魔女は二人と闘っていた。その様子を見ながら三人は話している。


「アル……。私、彼女に言われて黒い石を取り外したの。でも、それを魔女がハサラの足元に投げ捨てた時、白い石になってた。すごく、よくない感じがした」


「黒い石。木に取り付けてあったヤツだね? そうか……。もう、彼女は光の魔女ではないかもしれないね。闇の魔女でもない。狭間で苦しんでいるのかもしれないね」


「そんな。どうしたらいい? このままじゃ二人とも負けちゃうかも」


 一見、アリとルカが押しているように見えた。非難してきて外で見ている人も彼らを応援していた。初めて見る本物の闘い、異様な化け物。電光石火の戦士。しかし、その力が一時的なものだとクレアにはわかっていた。よく見ると、ルカの盾に隠れるアリの回数と時間が増えている。それに、明らかに疲れてきていた。


「彼は凄いね。あれは……人間の技じゃない。装備も特殊だね。きっと、エルフのものじゃないかな」


「そうなの? 勝てそう?」


「少しきびしいかもしれないね。だが、魔女の狙いは彼らだけのようだし。ここは静観しているのが一番いいかもしれない」


「そんな。アルも手伝ってあげて――」


 クレアがアルフォンスの顔をみて必死にお願いしてるその時、吹き飛んできたアリが三人の横の壁にめり込んできた


「ぎゃぁ!」


 飛び散った破片でエレノアが悲鳴を上げた。アリは血を吹きながらそれを手で拭い剣で体を支えて立ち上がる。肩で息をしながら魔女を睨むと、横にいるクレアに気が付いた。


「おい、例のフードのやつに頼んでくれたか? 氷の魔法を使うやつだ」


「ごめんなさい。その人は見つからないけど、ここにいるアルが手伝ってくれれば誰よりも心強いわ。ね? アル!? 闘ってあげて」


 アリはクレアが紹介する人物を下から上まで見定める。例の動物を扱う優男。眠らせるだけの男だ。体に筋肉もなく、手も綺麗。四十代の人間でちょっと見た目がいいだけの男。

エレノアもクレアの意見に反対していた。


「クレア!? アルじゃすぐに死んじゃうよ!? 人間が魔女と闘って勝てるわけないじゃん。ウッドエルフ達だってあれだけ苦労したんだよ? 何言ってるんだよ? ここは彼らにまかせよ?」


「ああ、そのアニムに賛成だな。眠らせることしかできない訓練もしてないような人間じゃ役に立たん。勝手に死ぬのは構わないが。オークやジャイアント、血統の魔女か魔法使いでもいればな……」


 クレアは今までずっと疑問に思ってきたが、この状況で彼らがいう事についに腹が立った。そして、アリとエレノア、動こうとしないアルフォンスにクレアが声を大にしていった。


「何言ってるの!? アルは強いわよ! それに人間、人間てそれこそおかしなこと言わないで! アルは人間じゃない! なんでみんな、アルフォンスが人間みたいな言い方をするの!? 貴方もよ、アル! 私がお父さんから聞いた話だと、貴方たちは凄い魔法を使って、魔女相手でもひるまないって聞いてるわ! バカ! それなら私一人でも手伝う!」


「血迷ったか? まぁいい、それじゃ俺は行くぞ」


 アリは荒ぶるクレアをよそに、戦場へと戻った。残された三人。エレノアはクレアの言ったことを受け、アルを覗いていた。どこからどう見ても格好いい人間の男。ただ、アルフォンスが今までになく固まっていた。微動だにしない彼の顔に手を振るエレノア。まるで見えていないのか、顔をつねったりもしたがまるで自分が眼中にないようだった。そして、彼がクレアに口を開いた。クレアは口をへの字に曲げてアルを睨んでいる。


「クレア? 私は人間に見えないかい?」


「何を言ってるの? 誰がどう見たって貴方はエルフでしょ。初めて港で会った時からずっとそうよ」


  「そうなの?」


「君には私がどう見えているのかな?」


「どうって。綺麗な白に近い金髪に、白くてきれいな肌。透き通るような青い目。えーっと」


  「え? 茶髪じゃね? 全体的に茶色じゃね?」


「その頭に巻いてる布で耳を隠してるんでしょ? 私分かってるの。耳を隠せば人間のフリが出来ると思ってるのかしら? でも、みんなが貴方は人間の男だって言うから、そうなのかなって思ってた。」


  「え? 耳隠さなくても十分人間じゃね?」


「あははははははは」


「なんで、笑うのよ!? 魔法だって色々使えるはずよ。アルからはシエナさんよりすごい物を感じるもの」


  「まじで?」


「シエナ? もしかしてそれは赤い髪の子かな?」


「ええ。そうよ」


「そうか。クレア。君には驚かされっぱなしだね。これが終わったら話したいことがいっぱいある。じゃぁ、まずはあの魔女をどうにかしないとね」


 アルフォンスはこれまで、クレアに対して眠りの魔法を使ったり色々試してみたが精神魔法が効かないことは分かっていた。ただ、十数年間、人間のフリをするために被っている魔法の布の効果すら無意味だとは思っていなかった。笑いながら、頭の布を取ると、エレノアにも彼の本当の姿が露わになる。


 肌は透き通るような色になり、髪は細く白に近い金髪、透き通るような青い目に少しだけ長い耳。どおりで無条件でアルフォンスを気に入ってたわけだ。エルフはアニムに好かれる。


「あわわわわ。アルがエルフになった!? アルが、アルフに、エルが!? あ!? え!?」


 混乱するエレノアの頭に優しく手を置いたアルフォンス。ちょうどその時、魔女の水線が飛んできた。いつの間にか彼らは闘いながらこちらへと近づいてきていた。アルフォンスは魔女の水を凍らせるとそのまま歩き出した。


「あ」

「あ」


 クレアとエレノアの二人が理解した。結局、フードの人物とはアルフォンスの事だったのだ。氷の魔法をつかう謎の人物。アルフォンスは二人に笑いかけ、空中へと歩き出した。一瞬で冬のような寒さへと変わったかと思うと、彼が空中を歩くたびに足元に氷の板が出来ていた。それが道となり彼は次第に走る速度を上げていく。


「すっげぇ。空中を走ってるよ」


 エルフの参戦に気づいたアリとルカと魔女。すでにじり貧になっていたアリはただ、ルカに守られている存在になっていた。そこへ、アルフォンスがやってきた。


「誰だお前?」


「やぁ。さっきあそこで会ったアルフォンスだ。ちょっと訳ありでね。手伝うよ」


「エルフだったのか? なら……。そうか、フードもお前か。どおりで杖も詠唱も確認できなかったわけだ」


「ああ。ただ、中身を確認したかっただけだよ。その節はどうも!」


 魔女の水線が飛んでくるとアルフォンスはそれを全て凍らせていた。凍った先に更に水が追い打ちをかけるため、空中で広がった水と氷が綺麗な花を作っていた。闘いを見守る人たちからはそれがきれいに見えたが、闘う三人からしたら一歩間違えれば命を奪う魔法。エルフの参戦で一気に勝ち目が見えてきたアリとルカ。


「少しだけ回復させてくれ。一人で大丈夫か?」


「ああ。安心するといいよ。人間のわりに頑張ったね。まぁ、全部が人間かは疑問だけどね」


 アルフォンスはアリにそう言うとまた走り出した。地面から、海上へ、そのまま氷の階段を使い縦横無尽に高速で走り回る。魔女が繰り出す水の魔法も全て凍らせていた。


「エルフ。イマイマシイ」


「すまないね。話はできるかな?」


「シナイ。アイツラをコロス。邪魔スルな」


「残念だ」


 圧倒的な強さでアルフォンスが魔女を削っていく。水と氷の相性もあったが、彼自身の魔力の強さにも理由があった。彼の戦いを見ながらルカがアリに話しかける。


「おい、あいつ」


「ああ。あの方が言ってたやつだろうな。まずは魔女を殺すことに専念するぞ」

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