1通目
「拝啓
……手紙を書くのは初めてで、形式なんて分からないんです。だから、私の自由に書かせてもらいます。
単刀直入に聞きます。あなたは一体誰なんですか?いや、誰かなのはわかっているのかもしれない。けれど、やっぱり本人から聞きたいんです。正直、少し怖いんです。本当に存在しているのか。だけどそれを確かめる術を私は持っていないから。今、こうして手紙を書いています。目立つ所に置いておくのできっと気づくと思います。
返事、待っています。」
「拝啓……なんて必要ないかもね。
手紙、ありがとう。ちゃんと読んだよ。
私が誰かって?君がいちばんよくわかっているのではないのかな?私はあなた。あなたは私。安心して欲しい、確かに私は存在している。けれど私は……うん、大体1時間くらいかな。1時間だけ存在している。あんまり大きな問題を起こしていないから安心してくれ。ただ、まぁ、ちょっと……お菓子を食べすぎただけさ。許して欲しい。
君とは手紙でしか話せないから、よかったらまた手紙、出してくれないか?毎日じゃなくていいんだ。1週間に1回、1ヶ月に1回でもいい。……いや、1ヶ月に1回は少なすぎるね。とにかく、手紙をまた、出してほしい。返事、待ってるからさ。」
大体これぐらいの文字数で続いていきます。
読んでくださった方に感謝を。




