時間は五分しかない
時間は五分しかない。
センター試験が終了するまであと五分。僕は他の受験生たちとともに必死に数学の冊子をめくっている。僕はどうやら時間配分をミスしてしまったみたいだ。残り後五分だというのに大問があと一個残っている。
受験会場には機関銃のようにシャープペンシルの音が鳴り響いている。まさに受験戦争だ。
隣のやつが鼻を異常にすする音を聞きながら、僕は自分の神経を研ぎ澄まし問題に向かう。
「っっつ!」
やっかいだ。二人の生徒が対話形式で問題について語り合う問題だ。これのやっかいなところは問題が誘導する解法に何が何でも沿わなければならないところだ。問題は続いている。
異様に数式の計算について話している男子生徒。こいつほんとなんなんだ。理系男子は女子に飢えてるからといって、ここまで数式について話してマウントをとろうとするなんて、見ていて本当に気持ちが悪い。てか迷惑だからホントやめてくれ。
と二人(のうちの一人)を憎みつつ計算を進めていく。
女子のセリフによりなんとかどうやってとけばいいのかはわかった。あとは計算するだけだ。
僕は必死に計算を進める。シャープペンシルの音を高らかに響かせる。これは僕の勝利宣言だ。
机の上の腕時計が残り二十秒を切ったことを示す。よっしゃ、あと一問だ。これさえ計算しきれば、勝てる。
粗雑な文字を問題冊子に書き込みながら計算していく。今の僕は最高にクールなはずだ。
計算結果はでた。答えは2b/34aだ。あとは書くだけ!
回答欄がない。すべてのマーク欄をどうやら一個飛ばしづつにしてしまったようだ。嘘だ!
「回答をやめてください。」
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