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英雄旅記  作者: 斬緋藍染
第4章:キュヴェイル王国
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死霊使い

「失礼…します」

「なッ!」

 凜々とアリカはとんでもないものを目にした。

「あら?もう見つかっちゃったの。思ったより早かったな」

 中肉中背の男が神或の胸に腕を突き刺していた。話し方に特徴はあるものの、オネエな感じは、まったくない。

「もうここには用はないわ。じゃね」

「待て!」

「なによ。あたしにだって時間はないの」

「貴様…何者だ!」

「んー。そうだなぁ。あなたも勘づいてると思うけど、【陰の(イビル・)不死英雄(エインフェリア)】よ、あたしは。その中の一人、『死霊使い』。ネクロマンサーよ。名乗るならアブラメリンね」

 最も来てはいけない人が来た。それを言ったら…

「だったら!あなたのその力を使ってお祖父様を蘇らせて!」

「やなこった。なんで殺した本人(あたし)がやんなきゃなんないのよ」

「ふざけるな!エクスカリバー!」

 大剣が出現。

「うおおおおお!」

「愚か者。いや、『愚者(イカロス)』程ではないか」

 グサッ。

「…!」

 凜々が刺したのは、神或だった。

『凜々…』

「国王…!」

「あたしが『死霊使い(ネクロマンサー)』だってこと忘れたの?つい2分前くらいよ?」

「あんた!よりにもよって国王陛下を使うなんて!」

「なによ、あんた。急に出て来て。近くにあるんだから使わない手はないでしょ」

 ドサッ……。

 神或が倒れ、凜々が下敷きになった。

「これで邪魔はいなくなったわ。じゃあね」

 靄がアブラメリンの周囲に現れ、包んだ。

 靄が晴れると、アブラメリンが消えていた。

「アブラメリィィィンッッ!!!」

「もう…いいですよ。アリカ。お祖父様は死んでしまった…。でも、相手の情報は得られた。それでいいです」

 神或から抜け出し、そう言った。

「でも…!」

「諦め悪ぃな、アリカ。本人がそう言ってんだから良いだろうが」

 ガインはいつの間にか戻ってきていたらしい。

「あと、凜々。こんなものを見つけた。読んでみろ」

 凜々はそれを受け取り、読み上げた。

「『ありきたりだが、これを読んでいる時、私はこの世にはいないだろう。これは魔法をかけていたから奴らに見つからないようにしていた。所謂【陽の(ホーリー・)不死英雄(エインフェリア)】の君たちにしか見つからないように。さて、本題だ。お前の持ってる物はエクスカリバーじゃない』。ってどういうこと…?」

「先を読み進めてみればわかる」

「『もちろん、『勇者』の力を引き出すことは出来るが、最大の能力は引き出せない。本物のエクスカリバーは円卓の部屋の更に奥のラボにある。パスワードは同じだ。行ってみるといい』」

 読み切ると、凜々は壁にかけて行った。

『einherjar』とパネルに打ち込むと、壁に通路が出現した。

「おお、すげえな」

 凜々が走って行ったので、ガインたちもついて行った。

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