第二次捜索隊
惑星セルベリスから現在の惑星ハイシャインまでの距離は、亜光速ロケットでも二百年ほどかかる距離だった。それを僅か十二時間で第二次捜索隊が辿り着いたのは、まさに恒星間航行技術の賜物である。
「本当に生存者がいたんだな」
惑星セルベリスから派遣された第二次捜索隊の隊長、フォンサス・クラウチ大佐は、眼前のディスプレイに示される、ひめこと<あさぎ2788KMM>から送信されるデータを見て唸っていた。
代々、軍の上層部には引き継ぎ事項として申し送られ、出動の可能性を佐官クラスまでは聞かされてはきたものの、殆ど誰もその可能性を信じていなかったものが、まさに今、自分の目の前にあるとなれば、そうなるのも無理はないだろう。
そこで早速、惑星ハイシャインの現在の状況を確認するべく、軍用の装備を身に付けたメイトギアの一個小隊六機を降下させることにした。
隊長機としてフィーナQ3-Ver.2002を配し、他にフローリアMM12が三機、イレーネLJ303が二機という、使い捨てにしても惜しくない旧型のメイトギアで構成された小隊ではあるが、人間の隊員とまったく変わりない働きをしてくれるので、斥候としては何の問題もない部隊だった。
それが、第二次捜索隊の旗艦ブーゲンビリア号から降下シャトルに搭乗し射出される。
なお、第二次捜索隊の構成は、旗艦であるプルメリア級高速巡洋艦ブーゲンビリア号(全長八百メートル)及び同じくプルメリア級高速巡洋艦ライラック号(全長八百メートル)と、サンフラワー級中型移民船グランマズ・ダンデライオン号(全長一万七千メートル)となっている。これは、七万人の生存者全員を一度に救出する為の編成であった。
サンフラワー級中型移民船の収容人数は、公称十二万人。理論上は二十万人を収容できるほどの船である。七万人全員を収容して中で連日パーティーを繰り広げても一ヶ月は問題ないと見られていた。きっと、助け出された喜びでそうなるに違いないという、惑星セルベリス行政府と軍からの心配りでもあった。
なお、七万人を一度に収容するとなれば、惑星ハイシャイン側としてもいろいろ準備が必要だろうということで、作戦時間は標準時(地球時間)で六十日間が予定されていた。
「大きい…あれが救出用の船ですか……」
地表からでさえひめのカメラならはっきりと確認できる大きさのそれを見て、ひめは思わず呟いていた。彼女が知る移民用の船は、収容人数が十万人クラスのものが最大だったからである。彼女が今見ているものは、それでも<中型>なのだ。大型ともなれば全長三万メートル・収容人数は五十万人を超えるものさえあった。
空を見上げながら、通信を受信する。
「こちら先遣部隊のフィーナQ3-Ver.2002。個体識別名<ねむりひめ>、応答願います」
シャトルで降下中のフィーナQ3-Ver.2002からの通信であった。




