o。◈玉響◈。o 紡ぐアヤ、響きのウタ
ミカサフミは全文ヲシテ文字なので、漢字は全て当て字です。
ーー天地未だ成らざるに
天御祖の成す息は
際なく動く 天土上
水に油の浮かぶ様
巡る空のその中に
天地届く 御柱を
巡り分かるゝ アワウビの
アワは清くて男神の旨と成り
ウビは濁り女神の源と成る
陽はよく軽く 天と成り
隠は重く凝り 地球と成る
有男性の旨は日の輪成る
有女性の源月と成る
天土現れ海と成る
移ろしな土に波動巡り
有様成せば月の水
海と讃えて日に生める
《ウツホ》動きて《カゼ》と成る
《カゼ》《ホ》と成れば 地も又 《ミヅ》《ハニ》と成る
この五つ 交わり成れる 彼の人は
天御祖現る御中主ーー
「……その詩は?」
「御嵩文。天地が生まれて、最初の御祖ーー天御中主が現れるまでを謳ったもの。口伝で、習ったの」
「誰が作ったんだろう?」
「……それは、伝わってない、と思う…」
「不思議だね。ずっとずっと前に作られた詩と意味が、僕たちにまで伝わっているのに、《誰が初めに作ったのか》、《どうして作られたのか》までは伝わっていないなんて」
「カタチは無くても、音と響きは記憶に長く残るから……とか」
「伝えていくのは後世の《記憶》に、残すため?」
「きっと、これは小さな波紋みたいな文。地球の天より遥か高みに在る宇宙の中心から、遠く遠く・・・何千、何万と時を超えて伝わる細波のような、波紋」
「細波の発生元を探るのは、大変そうだね」
「…だからね、繊細な人が多いの。」
「そっか。自然も、瞬きの間に変わりゆく存在で、繰り返す存在だからね…」
「常には美しいけど、時に厳しい。儚さも感じるのに、刻を越えた再生には強かさも感じる」
「その自然の性を強く持っている人が、きっと祀人になるんだろうな。
母上は優しげな雰囲気の女性だったそうだけど、姉上は凛とした雰囲気を持っているから………今後が大変そうだね」
「どうして?」
「そのうち、周りが放っておかないだろうなぁ、って」
「…………その刻は家の奥に、籠もる」
「勝手に群がってくる瓜坊や狼は、僕が往なしておくから安心して?
父上が冬の夜空に例えた姉上の瞳は、人の世では無い処を視ているから、そんなにも澄んでいるんだと思う。でも、それは曇らせちゃダメだ。
母上や姉上が視ている世界を、僕も見てみたかったけど………
細波が分からない僕でも。父上のように、繊細な《尊い存在》を護る者にはなれる」
「私とイブキの見ている世界は……そんなに変わらない、と思う」
「ん〜…それなら、《見てる世界》じゃなくて……感覚的な世界、《知っている世界》が少し違う、って言った方がしっくりくるのかな」
「私は《尊い存在》と言うより、恵みの言の葉を《託される者》だけど…イブキが護ってくれるなら、私も強く、なるね」
「……ごめん。姉上が強くなるとこ、想像出来ない」
「!一人でも、深山の神樹まで行けるくらい体力つけるとか…!滝行だけじゃなくて、川の淵まで泳げるようになるとか……‼︎」
ーー姉上は泳がないんじゃなくて、泳げなかったのか…
「………それにはまず、白米だけじゃなく、好き嫌いせずに旬菜や肉も魚も食べようね?」
「ど、努力、する…」
「豊かな山河の恵みを頂くのは、大事な事ですよ、姫御子さま?」
ーーいくら体に良くても、硬かったり苦いのが多いんだもん。
そんな子供っぽい言い訳は、《姉上》と呼んでくれるイブキに言えるわけもなく。
自分の椀によそう時に、苦手なものを避けていたのをイブキに気付かれていたとは知らず。
その後、ヒミコは食が細くても何の弊害もなかった故郷の生活態度に別れを告げ、山郷暮らしの自分に慣れる為、イブキの指導でゆるゆると食生活の改善から始めたのだった。
日本書紀、古事記の神話的な話も好きだけど、当時の現実が記されたホツマツタエとヲシテ文字の方が好きだ(о´∀`о)
古文とか漢文の勉強じゃなくて、日本の古代文字習いたかったわww
縫製とかミシン使うの苦手でも、機織りなら出来るかもしれない…‼︎