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スタートライン~はじまりはこれから~  作者: 葵
佐藤 真人という男の人生
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《生の世界》



真人の生まれ変わりを見届けた老人は、遠くからこちらを覗いていた仙堂のもとへ向かった。

『おまえさんも良い所あるんじゃのう』

老人に褒められ、照れる仙堂。

「うるせぇー 父親がサエメンおっさんってことは、もしオレが生まれ変わったら母子家庭になるじゃねぇーか」

「もう母子家庭はごめんだね」

仙堂は前世で母子家庭だった。

母子家庭の幸せや苦しみは理解していた。

『まあ どっち道おまえさんのポイントじゃ再申請はできんかったから結果は変わらんかっただろうがな』

「う うるせぇー!」

仙堂のポイントは、真人が生まれ変わり申請したポイントよりも、はるかに下回っていた。果たして仙堂のポイントはどれ程低いのだろう。


「あーあー 一発で生まれ変わることできなかったなぁー」

「もう一回美人な母親探すか」

「じいさんはまだ生まれ変わらないのか?」

『あー わしはまだ生まれ変わることはできん。まだ待っていたい人がおるんじゃ』

老人は仙堂が生の世界に来る前から、ずっと扉の前である人を待っていた。

「そういえば、じいさんは誰を待っているんだよ?」

『言わん』

「はぁ? なんで言わないんだよ」

「いいじゃんかぁ~。この世界で会った縁で教えてくれよ」

『嫌じゃ。絶対に言わん』

『言ったらおまえさん絶対笑うじゃろ』

頑固な老人。

「なんだよ 恥ずかしいことなのか?」

「あ! もしかして、長年連れ添った奥さんとか? わー恥ずかしい!」

仙堂は老人を茶化して笑った。

『違うわい! わしに嫁などおらん!』

仙堂に笑われ、すぐに否定した老人。

「なんだよ じいさん! その年で独身かよ! ウケるー!」

ここぞとばかりに老人を茶化す仙堂だったが、自ずと疑問出た。


「ん? じゃあ・・・ 誰を待ってるんだ?」

『知らん!』

仙堂に茶化され、少々怒っている老人。

「なぁ~ 教えてぇ~ 笑わないからさぁ~」笑う準備をしながら、老人に頼んだ仙堂。

『嫌じゃ』

断固として言おうとしない老人。

仙堂が笑う気満々なのは、誰が見ても見え見えだったからもしれない。


そこで仙堂はない頭で考えた。

奥さんではない。

じいさんは独身。

誰かを待っている。

男か? 男待っているのか?

・・・・・・いや違うだろ!! 

男待ってどうすんだよ!

ってことは、女だよな? 女 女 女

「あ! わかった! じいさんが昔好きだった女!」

老人は顔を引きつらせ訂正する老人。

『ち違うぞ』

あきらかに正解である。

「ふ~ん 初恋はいいよなぁ~」

『そうじゃよのう! ・・・あ』

仙堂はニヤリと笑った。

「引っ掛かったな じいさん」

仙堂は山を張った。すると簡単に老人は罠に捕まった。


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