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番外編・ empty

仕置き執行



ここはどこだ?



なぜこの私がこんな目に合わねばならないのだ。


なんの価値もない小娘のために息子を幽閉され


いくらでも取り替えのきく騎士のために私はこのような辱めをうけている。




「では、どうぞ森の奥へお進み下さい。森にはまだ食料になるものは残っていますし、水筒には水を満たしてありますので」



忌々しい官吏共め!

つい先日まで、私には目を合わせられないほど頭を下げて歩いていた癖に。



「このような森、すぐに抜けてくれるわ」



その辺の腰抜け貴族とは私は違う。侮っているようだが、1人で森で過ごすなど容易い。

すぐに脱出して、今度こそ復讐してくれる。愚かにも奴らの住まうみすぼらしい砦までわざわざ運んでくれたのだ、感謝せねばな。






この時期森の中には、殻に覆われた栄養価の高い木の実が転がっている。

集めて備えるとしよう。







一晩、何事もなかったな。森も特に変わったところは見当たらない。

はて、森が異世界に繋がっているというのは偽りであったか。

ガルニエが王家に取り入るためにでも考えだしたのであろうか。






おかしい。


やはりどこかおかしい。



この森には、生きて動くものがおらぬ。


獣はともかく、虫や鳥すらおらぬというのは、どうしたことか。





森を早急に抜けるべきであろう、もう奴らも見張ってはおるまい。

戻るほうが早かろう。



木々の隙間から一際明るい光が見えてきた。

抜ければ道か。





これは、どういうことだ?

街道はむき出しの土であったはず。

なぜこのように白く輝く石が敷いてあるのか。

どこぞの屋敷でも建っていたのか?しかしこのような石を使える家は・・・。





美しい敷石に気を取られていた。

後ろに誰かがいる。硬い足音。




振り向いた私の目には


  奇妙なヒトが 


ゴツゴツとした表皮は蛇の  ようで  土よりも濃い茶色


  老人のように曲がった背は低く


    体格の割に


  手は大きく 鋭利な爪


 細かい歯の並んだ


口が開いた



「……何者だ?奇妙な奴、不様な形をしているな」




これは 言葉を解するのか

なんということだ、なんという・・・。



「聞いているのか、まったく、何というイキモノか?知性はあるのだろうな…」



手が伸びてくる、曲がった爪で 私を引き裂こうというのかっ?




「わ、私は、ワタシは…」



縦に長い血色の虹彩が動いて  口元が歪んだ




「面白い、素晴らしいぞ!珍しいイキモノだ。ワタシが飼ってやろう。皆が羨ましがるであろうな、少しずつ分けてもよいかな?」



あぁ、ワタシはワタシは


こんなところで

    こんな目に合っていいわけがない


   

 ワタシハ





知性のある爬虫類系は


可愛い気がしなくもない


しませんか?そうですか。


私にとっては知性のある虫が発狂モノです。

考えただけでも ぞわぞわします。

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