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2・第一村人

姉視点

弟と森でベリー狩りをしてたら、寒いし暗いし飽きてきたんで霧の中をなんとか戻った、と思ったのに。


知らない道、見たこともない石垣、視線をあげるとヨーロッパ城物語、みたいな建物。

アメリカだよね?


たまにはかわいい弟の意見も聞いてあげようかな。勉強はできるし、おじいちゃん達から情報を仕入れているかもしれないしね!


「リョータ、私達迷ったかな?ここ何かのテーマパークとかホテルとかかな?」


あくまで優しく、聞いてやったのに。

ため息をついて、美少年顔に憂いをにじませて奴は言った。


「どうみても違うでしょ。土の色も。木の葉の色からすると季節も違う気がするよ。さっき寒いって言ってたよね・・・」


あ〜あ〜まだなにかぶつぶつ言ってるけど聞こえません。認めませーん。

道の向こうに馬?にのった人が見えてきたけどあれはそう、きっとコスプレ。


耳をふさいでイヤイヤしていると、弟も馬の人に気付いて、横に立って眺めている。

弟のくせに、私より背が高い。私は168センチで奴は172センチだ。父方はバカでかい家系なのでもっとのびるだろう。

そ・し・て顔もかわいい。学校ではもてまくり、道を歩けばナンパ、スカウト。くせのある明るい茶髪に、ぱっちりしてまつげバシバシの目。色は微妙に色が混ざった灰色。この不思議色はおじいちゃんゆずりだと判明した。

対して私はというと、まっすぐなコーヒー色の髪、切れ長で紅茶色の目。はっきり言ってきつそうに見えるだろう、うん。冷静な自己分析。

対応は弟に任せよう。



ゆっくり進んできた馬の人は、まだ若い、20代前半の男の人。そしてもう1人?一騎?後ろからは30代くらいの人。

うーん、白人、金髪を短くして健康的に日焼けしていて、たまに周囲に目をやっている。白っぽいプルオーバーの上からお揃いの短めの青い上着を着て茶色のパンツに黒のブーツ。そして腰には剣。ソード。ロングな。あぶねぇな、おい。


「リョータ、彼らはスポーツ選手で休日に騎士のコスプレをたしなんでいるのかしら」


「違うってば。いい加減受け入れようよ、トモ。異世界だよ、ファンタジーだよトリップだよ。それにしても、第1村人はもっと一般的な、優しそうな老人がよかったなあ。あんなんじゃ怖すぎ。下手な事言えないよね。頼むから喧嘩売らないでね。黙ってたら安全に見えるから」


いつもより弟がきつい気がする。そしてさらっと失礼な事を言われた気がする!

姉としてちょっとたしなめようと拳を握った時、いつの間にか近づいていた馬の二人が目の前で止まった。



「やあ、君たち変わった服を着ているね。子供だけで旅をしているの?」


若いほうの人が、優しげに話し掛けてきた。


ん?日本語?英語?どちらでもないような気がするのに、意味はわかる。

異世界トリップの親切補正か?

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