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13・できちゃった?!

姉 弟 で視点変更です


訓練の翌日はやっぱり筋肉痛だった!リョータは三日間くらいお爺さんみたいな動きになってて笑えた。ちょっとずつでも体力がつけばいいけど。

継続は力なり。いい言葉だよね。


今日の仕事は昼と夜の当番だ。珍しいことに。なんでもいつもの人が風邪引いたらしい。ジルさん達にも仕事のローテでしわ寄せがいってて大変だから断るわけにはいかない。仕事にも随分慣れたしね。

夜の部は二つに分かれていて、多分6時くらいと9時くらい。夜に仕事がない人はずーっと居座る人もいる。私の当番は6時からの第一部。



「トモ、最近ボッシュさんと仲いいよね」



弟がぼそりと呟いた。ベッドの上で体育座りして、膝の上にのせたモップと一緒にじーっとこちらを見ている。

仲いいのかなぁ?別に毎日会ってもないし。



「それを言うならあんたはお姐様方に人気だし、パイクさんとは何かもう兄弟みたいじゃない」



そういうと弟はなぜかウゲェ、と不気味な声を出す。


「遊ばれてるだけだし。パイクさんは同志なの!そうじゃなくて、トモは、そのボッシュさんのこと好きなんじゃないかって」



「あぁ。ボッシュさん好きだよ」



弟はなぜか口を半開きのままで固まった。よくワカラン奴。かわいい顔が台無しだよ〜?


弟が無言になってしまったので、部屋の中には鳥の声が響いた。ピルピルピル。あ、そろそろ食堂へ行かねば。夜の当番その1の準備しないと。



「今日私食堂の夜その1の当番だから、行ってくる。部屋片付けてから来てね」



ロボが散らかした毛布や布を丸めてつくった弾まないボールなどを指差して言い付ける。言わなきゃやらないんだから。






○ ○ ○ ○




「ボッシュさんのこと好きなんじゃないか」



思わず聞いてしまい、どうごまかそうか慌てたら・・



「ボッシュさん好きだよ」



は?え?


普通のトーンで言われたので、頭にすぐ入ってきませんでした。

だってあまりにもいつも通りで読めないんですよ!

『苺好き?』『うん、好きだよ』って友達と言ってたのと同じ調子で・・・。

女子はもっとこう顔を赤らめて恥じらったりキャーキャー言ってましたよ、コイバナする時は!



はっ!姉は普通ではありませんでした。


じゃあ本当に?


これは要観察です。


ボッシュさんがダメなわけじゃないけど。相応しくないとか言うつもりもなく…むしろあれ位大人の方が安心かな〜とか。だいたいジルさん狙ってたんじゃなかったんですかね。


うぅ。決して姉を渡したくないとかそんなんじゃないですから!たった1人の家族として当然のことです!




部屋を片付けて、2匹と1羽の水をかえてから、食堂に向かうことにしました。夜はちょっと雰囲気が違って、早い時間帯でもテーブルにはお酒がおかれています。ワインぽいのとブランデーぽいのが主流のようです。


今日のハーレムはパイクさんレオさんボッシュさん。

観察のためにつかず離れずの席に着きました。



「この前のトモの訓練、面白かったぜー。またやるんだろ?」

「今度は私もやりたいですね。あの体格で大人を投げ飛ばすんでしょう?痛快だわ」

「あ〜、か細くて綺麗だよな。お守りしたいです!」


む。なんかできあがっちゃった人達に囲まれていました。20歳そこそこの若い騎士連中です。

お前ら人の姉に発情すんなよ。



「でもあの子、ボッシュ先輩とできてるんだよね」



はい?



「さり気なく近寄れないように守ってなかったか?」


「この前2人で見つめ合って、先輩がなでなでと…」



不意にぼそぼそと声を低めてそんなことを言うから、むせてしまいました。



隣のごつい人が、慌てて背中をさすってくれました、が。



「姉ちゃん獲られると辛いよな〜。でも先輩なら大丈夫だぜ」


「そうそう!ちょっとやる気ないけど、あの強さは出世間違いなし!憧れてる人多いんですよ!」


「今まで浮いた噂もなし。ジルさんにだって本気かわからないしな」


「トモならお似合いだぜ」



何この人達勝手に盛り上がってんデスか?こんなむさい人達の女子高生並みのコイバナを聞くはめになろうとは。



じっとりと噂の先輩を見ると、ジルさんのハーレムにいるくせに視線は遠くを見ていて・・・なんだよ。

すごく優しい顔をしてました。


もしかして。




「できたぞ!!」



すごいタイミングで食堂に駆け込んできたケラーさんが大声で叫んだので、頭が真っ白になりました。


え、やっぱりトモとボッシュさんが?




いつもきちんとした印象のケラーさんなのに、髪は無造作に結んでちょっと歪んでるし、黒いパンツに白いプルオーバー1枚で、しかも腕まくりしていて寒そうな格好です。


僕と目が合うとどかどかと近づいて来て、腕を掴まれました。



「リョータ、できたんだ、だから早く見てくれ」



え?違うの?何のこと?

何が何だかわからない内にケラーさんに拉致されるのでした。

どうにでもして下さい。

姉と弟に微妙な温度差があるんですよね




外堀から埋まっていってるお二人さん。

どうなんでしょうか。

ジルさんのハーレムも。


唯一リョータには対象者がいないのでかわいそうだこと。 皆さん母親並みの年なんです。

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