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番外編・砦の夜

ずっとパイク視点です


姉弟が保護された日の夜のことです。


「森から出た二人組を保護したと聞いたが」


「はい。まだ詳しく調べてはおりませんが、森で迷ってた、と言っております。服装も、形は似ていますが見たことのない素材で。それと、『アメリカ』という地名らしき言葉も」


「ふむ。・・・明日、朝食後に連れてこい。

二人はまだ子供らしいが、大丈夫なのか?」


「はい。姉弟ということで10代半ばから後半、といったところでしょうか・・・とても落ち着いていて礼儀正しく、教育をきちんとうけている様子です。今夜は私の空き部屋に泊めています。動物がいると子供の相手をしてくれるので、安らぐんではないかと。

今はボッシュ先輩と食堂のジル嬢が相手をしてくれています」


「・・・あそこか。それは大丈夫なのか・・・?まぁいい、報告ご苦労」


「はい。失礼します」





ああ緊張した。

ラーソン隊長相手はいつも萎縮してしまう。多分本人は普通にしてるだけなんだろうけど。

ボッシュ先輩は僕の目標で憧れてるけど、隊長はなんだか格が違いすぎる。都から来た騎士は、王様よりも王様っぽい、なんて冗談を言っていた。

確かに。


骨身を惜しまず働き、武芸を極め、部下や民、他国の旅人にも気を配る。

王様だったら完璧じゃないか。顔が怖いけど。




砦のある場所は、もとは僕の家の領地だった。ほとんどが森という貧乏な家だけど、おかげで砦にはすんなり着任できた。

七光り万歳。


先祖が残した資料や、証拠品もとい生物。それらによってあの森が監視すべき対象として砦が建てられた。

ほとんどの人は本気にしていなかったし、一般的には事情を明かしてないので、この砦勤務は閑職だった。20年前に灰色の獣が発見され、僕が8年前に黄色の獣を見つけたことにより、5年前にラーソン隊長が赴任してきた。

僕が正式に砦勤務になったのは2年前で、すぐに森からでてきた鳥を保護した。


まさか人まで出てくるとは思わなかった。ご先祖様疑ってすいませんでした〜。



あ、早く行かなきゃ。

姉弟の様子も気になるけどジルさんがいるんだ。

ボッシュ先輩と近づいて欲しくないし、リョータはかわいい顔をしていた。年が離れているから大丈夫だと思うけど、ジルさんは美人な上に優しいからな・・・走っていこう。




無意識に威圧感を醸し出す人いますね。

ラーソン隊長はそんな人です。ちょっとお気の毒。

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