↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
事務員さんと営業の僕。  作者: いとまぬ
事務員さん
PR
11/12

11 男には、二面性があります

 

 しかしそろそろ二人とも、契約をどうするのか決めてくれませんかね。


 社長がたぶんもっと本気の強気でいけば、高田さんはその契約諦めてくれそうな雰囲気なんですけど。



 そんなことを思っていたら、今更の小宮さんが帰ってきた。


 応接室に向かって軽く挨拶をしたあと私の隣の席に座った小宮さんが、目線で高田さんを追いながら小声で聞いてくる。


「あれか?」



(……メール読んでたんなら返事ください)



 心配してるのになぜメールは無視なのかと疑問ながらも、社長に喋っているのを気づかれないよう小宮さんと視線を合わさず机に目線を置き、仕事をしてる振りしながら説明をする。



「はい。今、二人で契約継続か破棄かって話してます」


「なんで破棄の話になってんだよ。珍しいな。で、今回は何を貢いだんだ?」


「電話機、七年リース、計100万越えです」

「それ。まさかこの事務所に置く電話機じゃ」


「そのまさか、です」

「……いらないよな」

「はい。考えるまでもなく」


「そんな金あるなら、50万づつボーナス欲しいな」

「欲しいです」


「俺、応接室に顔出しに行こうかな」

「契約破棄ですよね。応援します」

「ちゅーか、今この状況で、それ以外の用事が何かあるか?」


「社長の手を取って『俺とその契約書、どっちが大事なんだい?』と宝塚ばりに甘くささやいてきて下さい」


「いや、それはちょっと…」






 ****





 そして外見の爽やかさを生かしつつ、実は悪魔な気分の小宮さんが行動しようとしたとき、急に応接室の方から高田さんの声が聞こえてきた。


「契約をこのままにしてくれるなら、とってもありがたいです」


 そりゃそうだろ…と心でツッコミを入れたが、その言葉からちょっと後に今度はこう聞こえてきた。


「はい。別に仕事に関係ない困りごとでも助けますし、暇だからちょっとお茶でも、ってのも付き合います。本当にいつでもお伺いしますから」



 話しの流れは不明だが、


 高田さんが社長が自分の事を気に入っているのを知っており、更に契約書を返してほしくて必死なのだって事は分かった。



 そうなるとかなり気になってきて、どんな話をしているのかと応接室の二人を見たら、またまた流れはよく分からないんだけど、高田さんがかなり激甘の笑顔で何かを社長に言っている姿が見えた。


 その言葉のせいか激甘の笑顔のせいかは知らないが、まるでキューピットの矢で射貫かれたような顔をして社長が放心状態になっている。



 そんな状態の社長に高田さんは何かを語り、にっこりと手を差し出す。


 すると「破棄して!」とわめいてずっと社長が抱えていたはずの、契約書一式が挟まれているクリアファイルが、高田さんの手へと渡された。



 そしてそれを見て、横に座っていた小宮さんは不快そうに舌打ちをした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。