終<子>を裁くモノ:01 兎河うさぎ
まずは、女の子と話すうえで重要なのは、目をみることだ。
いや、やっぱきつい。
「すみませんね。いきなり声をかけて」
「あっいえ・・・」
目の前にいる少女、高森ミサキは不安げな顔でこちらを見つめていた。
隣に座るメイはすぐにでも帰りたそうだ。
俺たちは市内の喫茶店にいる。
昼時であるが、平日とあって店内は閑散としていた。俺は窓際の4人用の席にメイと一緒に座っている。フードを目深に被る高森ミサキの顔も少し見えた。たどたどしい口調と態度から、極度の人見知りだと分かる。痛いほど気持ちがわかるし、別に指摘しない。それと、今回の依頼はそれだけ、初対面では打ち明けにくい内容なのだろう。警戒するのは当然だ。
「少し驚いただけです。常森さんから代わりの方が来るときいてましたが、想像より若い方だったので」
「やっぱ、もう少し頼りがいのある大人がくるべきでしたよね」
「いいえ!そんなことは!」
互いに慌てて反応する。
これが、内向人間同士の会話か、ろくに進まねえ。
「そんな緊張しなくて大丈夫なんで」
「そうだニャ〜そう、警戒するなよ〜人間」
俺の隣に浮かぶ謎の生き物は腕組みをして言った。
「えっ!?」
3人が口を揃えていった。
「なっ、な、なんですか!そ、それは!」
「ソレとはなんにゃ!無礼な人間だにゃ!」
ミサキは、突然姿を現した奇怪な生物を前に、少し興奮した面持ちで指をさして言った。
「まだ出てくるなって言っただろ」
「ニャ!別にいいじゃないか!減るもんじゃにゃいし」
ぷんぷんと、怒って飛びながら言う。身長は20センチあるかないかで、片手に乗るような大きさであり、ミニキャラのような見た目をしている。
銀色の長髪に帽子、和洋折衷を取り入れた服装スタイルにタイツの上からブーツを履いている。見た目だけだと、妖精にも見えなくはない。
「こいつは、ニャー、俺たちの相棒みたいな感じ?」
「相棒でなく、主と従者にゃ」
「オレたちが主でニャーが従者か?」
隣に座るメイがニヤついて言う。
「我が主人!お前らが従者にゃ!」
ニャーが言うと、
「かっ可愛い…」
ミサキは戸惑いつつも、そう口にした。
「おっ!見る目あるにゃお主。特別に触ってもよいぞ」
褒められて嬉しかったのか、ニャーはドヤ顔で言う。
チョロいなこのネコ。
「危ない奴がいたらボコってやるにゃ」
ニャ―はファイティングポーズをしながら言う。
「何そのパワー系みたいな考え。脳筋じゃん」
「あっそれと、うさぎ、さっきから敬語にあわんにゃ。きもいにゃ」
このネコもどきは平然と人の悪口を言う。
「うるせえーよ!初対面の子にタメ口は失礼だろ」
「ふふっ仲が良いのですね」
ミサキはクスリと笑って言う。
「ははっ、よくいわれるにゃ」
「おめーえは黙ってろ」
ニャーは俺のツッコミをスルーすると、ミサキに手を差し伸べて言った。
「では、ミサキよろしく」
片手で握手を求めると、ミサキは笑みを浮かべつつ、ニャーの小さい手を握っていった。
「ええ」
握手が終わると、ニャーはこちらに向き直った。
「ニャーのおかげで、場が和んだんだぞ。ありがたく思え」
「へいへい、ありがとよ」
礼を言うと、ニャーは満足げな顔をした。
ミサキは話し始めた時より少し明るい表情で答えた。
すると、ミサキが被っていたフードをゆっくりと下ろした。
ショートヘアで黒髪、片眼鏡をかけて、顔立ちもしっかりしており、文学系女子といった感じだ。すごく綺麗な子じゃん。
「ニャー、今は話を進めたいからーー」
「わかったにゃ。ミサキ、何かあれば、ニャーを呼ぶにゃ。直々に守ってやる」
ニャーは、その場で一回転して姿を消した。
俺は、話す内容を記録するため、デバイスで録音をすることを彼女に了承してもらうと、本題に入った。
「まず、どこから話せばいいか・・・」
彼女は、少し迷いつつ、切り出した。
「私は、その・・・子供の頃から人のーー終わりが見えるんです」
※作者からコメントとお知らせ
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