表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/50

#プロローグ #好きになったら負け

「恋愛が神頼みになる時代が来るなんてな——」

 スマホの画面に表示された広告を、ぼんやりと眺めながらつぶやいた。


 そこには、ピンク色を基調とした派手なデザインで、こう書かれている。

『恋愛成就率、驚異の98.7%! 話題沸騰中の恋愛アプリ「恋むすび」』

 若い男女に人気があって、SNSでも話題となっていた。もちろんクラスメイトたちの間でも、最近はこのアプリの話が絶えない——


「ねえ、聞いた? "両片思い"だったあの二人、ついに付き合うことになったらしいよ!」

「えーっ、凄っ!」

「恋愛が成就するって、ホントなんだね」

「なんか、本気で恋愛の神様が宿ってる感じするな」

「分かるかも! あたしも早く使ってみたいなー!」

 その『神様』という噂は、どうやらあながち冗談でもないらしい。

 このアプリ、縁結びで有名な神社が監修しているようだが、心理診断やAIによる分析を組み合わせて、驚異的な精度で『恋愛の未来』を導き出しているそうだ。


「別にそんなのに頼らなくても——」

 今は恋というのが、自然に生まれるものだとも言いきれない。

 なぜなら高校二年生の橘春樹たちばなはるきは、恋愛が縁遠いどころか、まるで関係ない日々を過ごしてきたからだった。

(浮かれすぎだぞ、皆。落ち着けこの世界)


「……私、春樹とこれやりたい。い、一緒にやってみたい」

 隣から、声が聞こえてくる。

 顔を上げると、そこには幼なじみの桜庭蒼依さくらばあおいが立っていた——いつものように勝ち気な目を向けながら。


「は?」

「つ、付き合いたいとか、そういう訳じゃ、全然無いんだけど」

 勝ち気な目を向けていたかと思えば、今度は自分の提案を、自分で否定する。

「春樹も素直じゃないっていうか。そ、それは私もなんだけど……」

「だから、どうしたんだよ」

 いつもと雰囲気の違う蒼依。肩まで伸びた亜麻色の髪を何度か触ると、視線を逸らしては、戻してを繰り返している。


「と、とにかく勝負して。このアプリは勝負のためだから」

「あんたが私を好きになったら、私の勝ち。私があんたを好きになったら、私の負け」

 勝負とは、今の二人の関係を変える合言葉——


「……蒼依。自分が言ってることの意味、分かってるのか?」

 蒼依のことを、昔から知っていれば、負けず嫌いな性格にはきっと納得する——でも、この話を負けず嫌いで済ませるには無理があった。

「……そんなのずっと分かってるよ。いつも何も変わらない——もう、このまま黙って過ぎてく時間にだって負けたくない」


 こうして、二人は『恋愛勝負』に巻きこまれていくのだった。

 自分たちの心と、関係性への勝負に——


「……いつも喧嘩になっちゃうし」

「それは蒼依が喧嘩腰で来るからだろ」

「うるさい。だから、これで勝負するのよ」

「だってさ勝負って、お前——」

 本当に分からない。『幼なじみ』のはずなのに。


 きっと遠くない未来。この勝負に負けてしまうのは——果たして、どちらなのだろうか。

読んでいただき、誠にありがとうございます!

夕方頃に定期更新してますので、よろしくお願いします!


ブクマ登録、評価やレビューは大歓迎です!


皆様の反応を見つつ、作品の質感や温度感に反映させていきたいなと思ってます!


第九話あたりから動きが多めになるんで、前半合わなかったら、そっちから読んでみてください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ