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第零話/僕が僕だけだったとき
僕が2人になることに気づく前の話…
祐樹、これが僕の名前だ。親が付けてくれた。でも、今、両親はいない。二年前に事故で亡くなった。それから二年間祖父母の家で育てられた。今年の四月から高校三年生になる僕は一人暮らしを始めることになった。生活費は仕送りと小説家だ。小説家が結構上手くいったので不十分なく生活できている。
いつも通り準備をして自転車で登校する。去年となんら変わらない日常が続いていた。クラス替えが発表されてから二日たった今日は朝から幼馴染の玲子と立ち話をしていた。
「祐樹って最近暗いけどなんかあった?」
「なんもないけど。ってか俺そんなに暗いか?」
「あ、私が他の男子と喋ってたから嫉妬してるのねー」
「相変わらずの夫婦喧嘩だなぁ」
そう言って近づいてきたのは、もう一人の幼馴染の翔だった。
「ちげぇーよ。そのネタ何年使いまわしてるんだ!」
こんなやり取りを毎日繰り返すのが僕の日常だ。
そう、この毎日を繰り返している。
そしてこれからもこの毎日があると思ってた…
次は裕樹が女の子として初めて異世界の地に降りる話です…