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聖ウェヌス女学院  作者: Paddyside
第1章 不思議のメダイ -Mysterious Medal-
52/215

#052 他言無用

内藤副学長と高坂先生の閉じた目から溢れんばかりの涙が幾筋も頬を伝い流れ落ちていたのを病室を見回りに来た一条日向が発見した。

直ぐに担当医師を呼んで診察をしてもらったが意識は戻っておらず,何か悪夢でも見て涙を流しているのだろうという結論になった。

しかし2人は涙を1時間以上流し続けて,ずっと見守っていた一条日向はあまりのその異常さに流石に病院長に連絡して専門の医師の招集をしてもらった。

そして病院長を含む医師団が病室に入った時に2人はちょうど目を覚ました。


「それで私たちはどれくらい眠っていたのでしょうか?」

「そうですね。搬送されてから概ね4時間というところです。あと今夜はそのまま入院してもらいます。学院の方は秋山先生たちが学長室で待機しておられますので,ご安心を。」


一条日向の説明に安堵の表情を浮かべて2人はベッドに横になった。


「1時間も涙を流すなんてどんな夢を見ていたのですか?是非教えて頂きたい。」


唐突に医師の1人から出た質問に内藤副学長と高坂先生の2人は戸惑いと怒りにも似た感情を覚えた。

あの体験は紛れもなく夢ではなく現実であり,しかも天国のような情景の中で味わった堪え切れない絶望感は誰にも理解してもらえないのは分かっていた。

それでも何も知らない医師にまるで自分の学識の探究のために発せられたような言葉使いに2人は口を噤んだ。

その医師は息を呑み,どんな回答が得られるのかとドキドキワクワクの高揚感に胸を躍らせている表情をしている。

その不躾で失礼極まりない態度に2人はさらに態度を硬化させる。


「いい加減にしなさい!」


病院長の叱責が飛ぶ。

内藤副学長と高坂先生,医師団はその声の大きさにビクッと背筋を伸ばした。

この部屋は防音設備が整っているとはいえ,病院長の声は廊下おろか隣室にまで届きそうなものだった。


「貴方は医師なのだからもっと患者の心を慮って寄り添う事を覚えなさい。」

「は,はい。すみません。」


病院長はギロッと睨みつけて目配せをするとその医師は病室から退出して行った。


「お2人ともごめんなさいね。あの人は普段はああではないのだけれど,姉の一番の弟子だったから学問追究のためならとのめり込む癖があって‥‥‥」


聖ウェヌス女学院総合病院の現病院長・松田聖美の実姉で前病院長・多田理美は妹に言わせればマッドサイエンティストで自分の学術研究のために犯罪にならないなら何でもし兼ねないような人物だった。

それが原因で度々病院の中で姉妹喧嘩をする始末だったが,その様子を見る事が患者や職員にとってレクリエーションであり楽しみでもあった。

その馬鹿みたい明るい雰囲気と彼女たちの先進的で確実な医療がこの病院の特長でもあった。


「それで詳しい話を訊かせてもらっても?」

「はい。」


内藤副学長と高坂先生は自分たちの身の上に起きた事,馬場学長の行方不明の件を話し始めた。


「そうですか。直接試練を受ける者以外にもそんな影響が出ているのですか。だとしたら考え直さないといけないかもしれませんね。私は佐南‥‥‥馬場学長と一緒に試練を受けて,その後医師を志し,医学的な見地から試練の検証を行ってきました。それには姉も協力してくれました。まあ,多少というかかなり暴走もありましたが‥‥‥」


松田院長は遠い目をしながらも苦笑いを浮かべていた。


「これは今回の試練が始まり,北条祈里さんの血から造られた製剤を内服した後の検査で分かった事なのですが‥‥‥実は馬場学長の中で活性化したとあるウィルスが発見されました。」

「いったい‥‥‥」


松田院長の話では地球上ではあり得ない遺伝子を持った未知のウィルスらしく,検査で導き出された特性からアルカナと呼称した。

問題は馬場学長から摘出したウィルスが彼女の体内で約30年間生きていたのが分かった。

その間彼女にはこのウィルスに由来する病気などは一切なかった‥‥‥

そしてウィルスが彼女の生命維持を担っていたと考えられるのだと。


「これは推測ですが,彼女が受けた試練に於いて,身体も精神も構造を維持できなくなる程に損傷を受けていた‥‥‥しかしその試練でウィルスに感染したお陰で彼女は助かった‥‥‥逆にウィルスがなくなれば直ぐにでも死ぬかもしれない‥‥‥そんな状態だという事です。今まで健康診断や診療を受けているはずですが,そんな報告は上がっていませんでしたから驚きました。」

「ウィルスが‥‥‥なくなれば‥‥‥馬場学長が‥‥‥死ぬ‥‥‥」


内藤副学長と高坂先生は松田院長の言葉に絶句してしまった。






馬場佐南もとい山本佐知は現実世界でそんな話がされているとも知らずに過去の別世界でこの時代の馬場佐南の試練のバックアップをしていた。

自分が試練を受けた時も同じように別の自分がバックアップしていてくれたのだろうと感謝する気持ちが湧いていた。


『まあパンツ事件だけは余計だったけど‥‥‥』


でも今ではその行為もバックアップがあったと気付かせる切欠なのだと思う事にしている。


『それにしても‥‥‥』


山本佐知はこちらの世界で試練に協力するために図書館から運ばれてきた文献や資料を読み漁ったのだが,正直言って絶句していた。

この世界は元居た世界とはほとんど変わらない‥‥‥

地理に関しては太平洋や大西洋,インド洋の海洋があり,ユーラシア,アフリカ,北アメリカ,南アメリカ,オーストラリアの大陸もあり,その他の海や川,島,国,都市に至るまで地名も彼女の知る限り違うものはなかった。

歴史に関してもエジプト・メソポタミア・インダス・黄河の古代文明から始まり,イエス・キリストの登場やそれこそムハンマド,ガウタマ・シッダールタなどの宗教上の人物,歴史的事件の年号や経緯など記憶にあるものと一緒だった。

その他,近世までの風俗文化,学問教養,科学技術,言語体系に至るまで山本佐知の持つ知識上では違いが見つからない。

唯一違ったのは‥‥‥現代においてキリスト教,イスラム教,仏教,ヒンドゥー教だけではなく,ユダヤ教やゾロアスター教など向こうの世界にあった宗教が何一つ存在していない事だった。


『この世界には宗教がない‥‥‥』


文献を読む限り昔は宗教があったようだ。そういう記述はところどころに散見している。

しかしどんなに文献や資料を引っ繰り返しても何時をもって宗教がなくなったのかという史実が見当たらない。


『だとしたらこの学院はどんな理由によって創立されたのか?』


聖ウェヌス女学院は世界中にある数多の宗教の研究を行い,それぞれの宗教の相互理解を深めるというのが理念の一つになっている。

その理念が必ずしも宗教対立をなくし,内戦や戦争を失くす事にはまだ繋がってはいないが,将来のために研究を続ける事には意味があると山本佐知も考えている。


『もしかするとこの世界では既にその理想が実現している‥‥‥そうだとしたらその歴史がどこかに記されていてもおかしくないはずなのに‥‥‥』


結局その日は文献や資料を深夜まで疲れて寝てしまうまで読み続けたが駄目だった。






翌朝,梶原学長を訪ねて職員宿舎の部屋に山本佐知は来ていた。


「山本さん,こんな朝早くからどうかなさいましたか?」

「少しこの世界の歴史について教えて頂きたいのですが‥‥‥どうも私の知るものと違うようなのです。」


早朝から悲壮な表情で現れた山本佐知を見た梶原学長は何事かと思ったが,まさかたかが歴史を訊きたいとはどういう事なのかと訝しげに見やる。

しかし宗教がないという現実は40年以上も生徒として教師として聖ウェヌス女学院に関わってきた山本佐知にとっては心の拠りどころを喪失しているのと変わらない。

梶原学長と山本佐知を隔てる気持ちの温度差は埋めようがない。


「まあ,いいでしょう‥‥‥どんな歴史を知りたいのですか。」


昨日のおちゃらけていた梶原学長とは違う鋭い視線に真剣な表情をしていた。


「この世界の宗教について‥‥‥知りたいのです‥‥‥」

「分かりました。ではお話しましょう。」


梶原学長は瞼を閉じると何かを思い出すように静かに語り出した。

今から約100年前,欧州で全域を巻き込む戦争が始まった。

これは欧州の東部にある国家の要人が暗殺された事が発端だったと言われている。

当初は関連した国家間での外交交渉によって戦闘が回避されると思われていた。

しかし1か月にも及んだ会談も暗殺した国家の政府当局が事件に関与していたのではという陰謀が出てきて,暗殺された国家が最後通牒を発した。

これには暗殺した国家の領土に住んでいる暗殺された国家の同胞への影響力を削ごうしていたとも云われている。

ともかく暗殺した国家は最後通牒のうち一番重要とも云える暗殺事件の調査のための暗殺された国家代表の受け入れ要求を拒否した事で交渉は決裂し,外交関係は断絶した。

そして暗殺された国家は間髪を入れずに暗殺した国家へ宣戦布告をした。


「ここまでは私の知る第1次世界大戦の歴史とほぼ同じようです。」

「第1次?それは世界大戦が何度もあったのですか?」

「私の世界では2回の世界大戦がありましたが‥‥‥」

「そうなんですか‥‥‥取り敢えず続きを話しましょう。」


それぞれの国家を支援する国家が牽制を始めた。

暗殺した国家側に付いたのが連合国軍,暗殺された国家側に付いたのが同盟国軍と呼ばれた。

連合国軍と同盟国軍との間で当事国以外の戦闘を起こさせないための駆け引きが行われた。

しかし,それぞれの側に付いた国家間でも何かしらの火種を抱えていたために戦闘は避けられない情勢になっていった。

それは同盟国軍の盟主国の覇権主義による欧州各国への介入,そして欧州の極東にあり中央を虎視眈々と狙う巨大な国家,さらには前世紀において世界に植民地を持ち世界を我が物にしていた国家による復讐‥‥‥

様々な要因や思惑が絡み合い,当事国以外でも戦火は拡大していった。

当時,急速な科学技術の進歩により,艦船の大型化,航空機の開発,果ては新兵器の登場と日進月歩で軍備拡張競争が為された。

そして,その兵器開発競争により欧州の都市の建物は無残なまでに壊され,市民は住む所を失っただけでなく食料や物資の補給路であった鉄道や道路を断たれて飢餓に陥り,それでも降り注ぐ爆弾に生命を落としていった。その数は欧州だけで700万人とも1000万人とも言われた。

この世界大戦は欧州だけではなく全世界に広がりを見せる。

各国が持つ植民地で蜂起が発生したのである。

それは独立運動から独立戦争へと変貌を遂げて,植民地のゲリラと本国からの派遣軍の間での戦闘となっていく。

初めは戦闘員の数の歴然とした差からゲリラ側が勝利を重ねていく。

しかし本国側も手を拱いていたわけではなかった。

本国の戦力の低下も問題であったが戦争関連物資の安定的な供給元である植民地を失う訳にもいかず,蜂起の鎮圧に力を入れたのであった。

徐々に圧されていくゲリラ側に本国と対立する勢力からの援助が入った。

この当時は多くの植民地が連合国側のものであり,同盟国側はほとんど持っていなかった。

そのため同盟国側はゲリラに援助や協力をする代わりに独立のあかつきには同盟国側に付く事を確約させていたのである。

本国撃退後に独立国としての地位が認められるのならとゲリラは士気を高め,同盟国軍から補給された兵器を使うだけでなく,指揮官すら迎えて戦局は一転した。

数に勝るゲリラが軍隊としての実力を付けた事で本国派遣軍は一掃されていく。

そして連合国軍の一部の国は植民地をほぼ失い,物資が入って来なくなったために本国すらも立ち行かなくなってしまった。

国力は衰退し,さらには多くの国民も失った事で国の態を為さない状態にまで陥った。

それでもこの間の同盟軍の技術開発は旺盛で多種多様の新型兵器が生産されては戦地へと送られていった。

連合国軍参加国のうち,主要7か国のうち欧州の2か国が脱落,さらに同盟国軍周辺にあった連合国軍参加国6か国も占領されて併合,連合国側の最大の傀儡国家が本国の呪縛から解放され完全独立を為し,同盟国軍側に付いてしまった。

それを見た周辺の植民地でも蜂起が起き,独立戦争を仕掛けていく。

徐々に連合国側は二進も三進も行かない状況に追い込まれた。


「私の知る第2次世界大戦の状況に似たところまで進んでいる感じです。ここまででどれくらいの期間なのですか?」

「そうですね。ここまでで4年というところでしょうか。」

「4年と言うと向こうでは1回目の世界大戦が終結した頃です。」

「でもこちらではここからがさらに熾烈を極めて行きます。発端は暗殺でしたが民族対立や宗教戦争ともいうべき状態になっていきますから。」

「えっ!そうなんですか?」

「また続きをお話しましょう。」


同盟国軍は戦闘機や爆撃機の空軍と弩級戦艦や潜水艦,さらには航空母艦の海軍を増強してアフリカや南アメリカなどにも戦線を拡大していった。

特にこの方面は戦争物資には欠かせない物が多く,連合国軍から奪っておきたかったのだった。

そして同盟国軍が総てを手に入れたと思わせたその矢先,同盟国軍の盟主国の首都に直径約1キロメートルの鉄隕石が落下した。

その状況は惨憺たるもので,出来たクレーターは直径約20キロ,深さ100メートルの盆地を形成し,その内部の都市機能を壊滅させ,市民は蒸発してしまい,当然生存者はいなかった。

この衝突イベントで飛び散った噴出物は400キロ離れた地域でも観測された。

盟主国は政府機能が崩壊し,辛うじて生き残った者たちが都市国家を形成して分裂した。

また宇宙空間に於いてこの隕石の重力に囚われた小隕石が世界の各地に降り注ぎ,事実上連合国側も同盟国側も戦争の継続が困難となり,終結を迎えた。

その後,様々な宗教団体がこの隕石落下は天罰だと唱えた。

そして宗教間,または宗教内の派閥間などで自説の優位性を訴え始めた事で対立が生まれ激化していった。

その中で一部の過激派が暴徒化し対立組織にゲリラやテロを展開する事態を生んだ。

しかし何かの力が働いているかのようにそのゲリラやテロを発生させた組織の拠点を狙い撃ちにするかのように隕石が落下してきたという。

それを世界中の人々は神の御業と称して,神を敬い,信仰をしつつも畏怖し,下手に宗教を唱えるのを臆するようになっていった。

逃げても逃げきれない隕石を神からの贈り物・ギフトと考える教えも出始め,徐々に古くからの宗教が一掃されていった。

そこに新興宗教が発生してもそれを害するかのように天空から飛来するギフトにより潰される事の繰り返しとなった。

神自体が宗教を否定している。そんな思想が世界を蔓延していく。

神を拠りどころにする人々の間には動揺が走った。

その間にも隕石の飛来は減るどころか増える一方で,対策の打ちようもなかった。

そんな折,同盟国側から連合国側に亡命した科学者たちが開発を進めていた新兵器を完成させた。

俗に言われる核兵器の登場であった。

まだこの頃は巡航ミサイルは未完成で爆撃機による投下しか出来ない。

しかし核兵器による隕石への攻撃は有効だと考えられていた。

そこで検討されたのが航空機に搭載して突っ込むというまるで特攻隊のような攻撃方法だった。


「そんな事をしても無駄なのでは?」

「確かに現在の知識ならばそう思うでしょう。しかし戦争により疲弊しきった時代にそこまでの思考が働かず,ましてや人類が神に存在を否定されたとまで考えている思想が出て,自暴自棄になった指導者まで出ていました。」

「それは致し方ない事ですよね。生命の危機に追い込まれれば生存するために理性の箍すら外れる‥‥‥」

「でも一部の宗教的指導者は自分の地位や利益を失う事を恐れていた。」


神への抵抗‥‥‥そうとも取られる戦いが始まった。


「同時に聖ウェヌス女学院では神からの試練が始まっており,その対応に追われていました。そして試練の中で私たちが神や悪魔と呼んでいた存在は等しく絶対的な存在でどちらが善でどちらが悪ではないと知りました。善悪の判断はかつて古の人類が勝手に決めた事でその行為自体が傲慢であると教えられました。」

「‥‥‥」


山本佐知はどう答えていいものか迷っていた。


『それはそうだ。神を名乗る存在が自分の名を騙り地位や利益を得る者を赦す訳がない。ましてやそれを戦争の切っ掛けにして,同胞に殺し合いをさせて自らは戦闘に巻き込まれない所でぬくぬくとしているなんて‥‥‥それに神と悪魔の存在自体も人類が勝手に決めた事だったなんて‥‥‥』


山本佐知は喉をゴクリと鳴らした。

梶原学長の話は以前長尾智恵の考察した話と一致するとともに先見の明に感心した。

という事は自分たちの時代の方がある意味遅れているのだろうと感じた。

そして意を決して訊いてみた。


「それで‥‥‥どうなったのですか?」

「答えは単純です。」


相手の姿は見えない。それでは戦いになる訳がない。

隕石による一方的な攻撃を受けて,物資も,生命も,何もかもが消耗するだけの戦闘になった。

勝てるはずのない戦闘への民衆の批判や不満は宗教上や政治上の指導者たちに向けられていく。

そしてその指導者たちを処刑に至る国も出てきて,混沌とした状況に収拾が着かなくなっていた。

20世紀に入り,この国もそれまでの宗教弾圧がなくなり,多種多様な宗教を受け入れが行われ,表立ってそう言った事件は起きなかった。

しかし維新後富国強兵を謳い,2回起きた大きな戦争で連勝してきた軍部は連合国側に付いた政府上層部に対して不満を抱いていた。

青年将校たちによる叛乱が起き,時の政府要人の暗殺などが横行してしまい,軍の解体の話が持ち上がるようになった。


「今,そんな事をしている場合ではない!」


聖ウェヌス女学院でも持ち得る人脈を駆使して訴えたが,隕石の大襲来のなかったこの国ではあまり危機感を持っていなかった。

それどころか軍部はこの機に乗じて周辺国への侵略し,物資を手に入れ国民生活を豊かにする政策を打ち出す。

国民には報道規制により周辺国に隕石の大襲来を知らされておらず,夢の新天地へと旅立っていった。

当初は意気揚揚と入植地の開拓をしていたが,隕石の襲来により徐々に破綻を来していった。

本国内では入植地の情報が入り難かったが,入植地から帰還した市民の話が広がり,その不満は現地政府さらに本国政府へと向いていった。

その鬱積した感情がデモや打ち毀しへと発展,さらには政府関係施設への襲撃へと変貌し,最後は革命にまで至った。


「そこまで‥‥‥私の世界では考えにくい現象ですね。」

「そうですか。その後は天皇を象徴とする国家へと変り,軍は解体,平和国家への道を歩み始めたのです。」

「やはり,何か少しずつ歴史にズレがありますね。」

「是非貴女の世界の歴史も知りたいですね。」

「それじゃあ‥‥‥」


山本佐知は自分の世界の歴史を語り始めた。


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