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聖ウェヌス女学院  作者: Paddyside
第1章 不思議のメダイ -Mysterious Medal-
33/215

#033 複雑多岐

内藤副学長からの指示で守衛の警備員,シスターたちが総動員されて学院内の捜索に出た。実際には内藤副学長が意識の下で動くNPCなのだが‥‥‥。

高等部校舎,ウェヌス・ウェルティコルディア礼拝堂周辺をはじめ,普段高等部の生徒が近づく事のない初等部や中等部の校舎,大学棟など捜索は聖ウェヌス女学院の敷地内全てに及んだ。捜索開始から数時間経つが加地美鳥,安田晶良,齋藤由里の3人の影すら踏めないでいた。

捜索も終盤に差し掛かる放課後の時間には加地美鳥は図書館に,安田晶良と齋藤由里は高等部の体育館に居たのだが,ヤルダバオトの眷属による人払いの結界や不可視の魔法でも働いているかのように捜索班は上手く避けてしまった。

そこは所詮自らの意志で動いている存在ではないので,内藤副学長自らか高坂先生や山県先生が捜索に出向いていればもっと上手く立ち回れたのではないかと後の備忘録にも記されていた。

結局,捜索班は3人を発見するに至らなかった。






捜索班からの発見できなかったという報告を受けた馬場学長は戸惑っていた。

向こうの世界なら警備員にシスターまでも総動員すれば学院内に居るはずの生徒の3人を見つられない事はない。

それでも発見できないのはヤルダバオトや眷属の影響があるのか?

それとももっと別の理由があるのか?

馬場学長は答えが出せないでいる。長尾智恵の仮説‥‥‥物理法則の及ばない世界‥‥‥が気になっているからだった。

その長尾智恵も内藤副学長に連れられて100周年記念館の宿泊する部屋に向かってしまった。もしかすると彼女がいればもっと自分では想像できないような考えが出たかもしれない。


『今はそれに期待しましょうか‥‥‥』


馬場学長はどうも他人任せになってしまうのを許容できなくなっている。

でも今回の試練を解決するのはあくまでも長尾智恵であって自分ではない。ただ,彼女たちに出来る協力はしなければならない。それが聖ウェヌス女学院高等部学長の使命でもある。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

もしかしたら逆に自分たちが彼女の受ける試練の邪魔をしているのではないか?という思いが浮かんできた。


こう言ってはなんだが内藤副学長は昨晩暗号の解読に現を抜かして監視を怠り,100周年記念館で起きた問題に気付けなかった。それが遠因か加地美鳥たちの異変にも気付けず,さらに彼女たち3人は行方不明になってしまい,それを発見できずにいる。


『いや,その前に私がそれらの指示を出しているのだから一番の原因は自分にある‥‥‥』


馬場学長は自分がもっと積極的に関わらないといけないのか‥‥‥と考え始めていた。

そもそも内藤副学長や高坂先生は前回の試練には関わっていない。あくまでも伝承や人伝の話しか知らない。直接試練を受けた事あるのはこの世界では馬場学長と山県先生の2人だけなのだ。

自分が出しゃばり過ぎるのも良くないと考えていたが,内藤副学長と高坂先生にあまり任せすぎるのにも問題があるのでは‥‥‥と思うようになっていた。






本庄真珠,高梨瑠璃の2人は高坂先生の事情聴取を受けて,水原光莉,千坂紅音の2人は聖ウェヌス総合病院で診察を受けた後にそれぞれの部屋に戻って行った。

4人ともが昨晩この100周年記念館で起きた事について記憶が曖昧になっており,覚えている事を訊いても他人事のように無関心な感じだった。

馬場学長は高坂先生から事情聴取の詳細な状況を聞いて,本庄真珠たち4人の感情が失われているように思えた。


「私が試練を受けた時も明るく振舞っていた友人の性格が豹変したかと思うと,ふとその感情が喰われたかのように表情を失う‥‥‥そんな事を繰り返していました。試練が終わってからも彼女の感情の起伏が戻るまでに随分と時間が掛かり,それこそまるで植物状態のようでした。」

「そんな事が‥‥‥あったのですか‥‥‥」

「ええ‥‥‥でも病気でいう植物状態ではなかったので回復はしましたし,その子も大学まで進学して,幸せに結婚して,娘も3人授かりましたから。今思えば不幸な人生ではなかったと信じています。」

「‥‥‥ではなかった‥‥‥という事はもしかして,その方はもう亡くなられたのですか?」

「‥‥‥余計な話をしてしまいましたね。ごめんなさい。」

「こちらこそ思い出したくない事を思い出させてしまい,申し訳ございません。」

「いいえ,いいですよ。でもこの試練というのは本当は一歩間違えたら生命の危機にもなるという事だけは覚えておいてください。高坂先生,あなた方は伝承を読んだり,人伝の伝聞を聞いていて‥‥‥でも実際は伝わっている以上の他人には触れて欲しくはない部分というものもありますから。こういう言い方は好きではありませんが,経験した人間にしか分からない事もあるんですよ。」

「そうです‥‥‥よね。」


高坂先生は,馬場学長が遠くを見る目をして思い出しながら噛みしめて話をしている姿をじっと見つめながら,まだ本当はもっと苛烈を極める経験をしたのだろうと察した。


『その亡くなられた方って‥‥‥』


本当は高坂先生もその人物が誰なのかを薄々は勘付いているのだが,敢えてその答えを言い出すのを躊躇していた。

遠山美織‥‥‥のちに結婚して北条美織と名乗る馬場学長の初等部からの親友で,1年A組の北条祈里の母親でもある。前々回の試練において,とある能力を得てしまった事で,十年ほど前にある組織に狙われて生命を奪われてしまう。その能力は形を変えて娘に遺伝しており,今回の試練に役立ったのだが。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


「もしかしたら母親である遠山美織が能力を獲得する事すら仕組まれていた‥‥‥とか‥‥‥いや,それは考えすぎかもしれない‥‥‥」


思わず,高坂先生は頭の中で考えていた事をボソッと独り言のように呟いていた。


「えっ!?」

「いえ,すみません。何でもないです。」

「もう1回,あなたの考えを聞かせてください。」

「‥‥‥分かりました。」


馬場学長は高坂先生の意見を黙って聞き入った。

あまりに出来過ぎた状況‥‥‥本来は偶然の産物と感じても仕方がないが,相手は神にも近い存在と考えれば,意図的に仕組まれたと見てもおかしくはない。自分たち人間にとっては何世代にも渡っているこの試練も彼らにとっては瞬きくらいの時間の中での出来事に過ぎないのかもしれない。

そう考えた時,答えが出て来るのではないかと‥‥‥


「だとすれば‥‥‥山県先生が前回の試練を失敗するのすら仕組まれていた‥‥‥とか?」


どうもそこまでは考え過ぎだという思いを馬場学長は持っていた。

それは今回の試練の樋口ソフィアというキーパーソンの父親も母親もさらにその祖父母に至るまでこの聖ウェヌス女学院に関係した過去がない。関わりのない者が突然介入してくるとは思えなかった。


「いや,でも‥‥‥自分たちでいう人間の数世代‥‥‥この学院の歴史だってたかだか130年程度。それすら彼らにとっては瞬きする一瞬程度の感覚なら‥‥‥もっと昔,学院創立前にまで遡らないといけないのでしょうか?」

「そこまで行くと調べようがないのでは‥‥‥」

「そうですよね。確かに難しいでしょうね。」


でも馬場学長には確信があった。

伝承を調べて行けば,この聖ウェヌス女学院の歴史は天草島原の乱で長崎に逃げ延びた隠れキリシタンが寺子屋を開いたのが始まりだと云われている。隠れキリシタンという事は元を辿ればカトリック教徒であり,それは彼女の父親の故郷であるアイルランドも19世紀のカトリック解放まで同じように虐げられたり,制約を受けて来た。ある意味根っこは一緒なのである。


「もっと彼女の先祖を辿っていけば,この歴史事実のどこかに関わっているのではないか?」


代々受け継がれてきた使命に対して偶然で樋口ソフィアがその役割に当たった訳だろうが,それすらも遺伝子レベルで組み込まれていたもの‥‥‥そう考えるしかない。まさに必然だったのだろうと思った。


「私たちは彼らヤハウェとヤルダバオトに踊らされている‥‥‥」

「でもこの空間に居る事自体が彼らに踊らされているのでは‥‥‥」

「そう言われてみればそうでしたね。」


馬場学長と高坂先生は目を見合わせてプッと吹き出して笑い合う。


「何かこうして笑うのもいつぶりでしょうか?」

「少なくとも私がこの学院に着任してからは初めてです。」

「あら,そうでしたっけ?」

「そうですよ,学長。」


暫く学長室には楽しそうな笑い声が響いていた。






長尾智恵は内藤副学長に100周年記念館に案内されて宿泊する部屋に来た。内藤副学長はやる事があると言って自室に戻った。暫く過ごして後,まだ夕食にするにも時間が早いと思い,部屋を出て少し学院の敷地内をぶらつく事にした。


『あっ,そういえば真珠たちもここに泊まっているのよね。どの部屋に居るのか内藤副学長に聞いておけばよかったな。でもこういう状況だし馬場学長からはあまり接触しないようにとも言われているから教えてくれないかも‥‥‥』


スマートフォンは部屋に置いてきているし,今さら部屋に戻るのも面倒だしと思い,そのまま100周年記念館の外に出て歩き始めた。


『こんな時間に学校でゆっくりしているのって今までなかったなあ‥‥‥』


この春に高校生に進学したばかりなので高等部と大学の学園祭でもある聖ウェヌス祭の準備などで遅くまで学校に居るような事はなかった。

先日の図書館の時は予想外に3時間も経ってしまい遅くなったので,急いでいて周囲の風景に目を向けるような余裕はなかった。

遊歩道の真ん中で立ち止まり,腕を上げて背伸びして深呼吸してみる。顔を上げて視線を空に向ける。菩提樹の生い茂る葉の合間から見える星空も綺麗なものだった。

天頂付近には夏の大三角を構成するわし座のアルタイル,こと座のヴェガ,はくちょう座のデネブがダイヤモンドの様に明るく輝き,南西の方にはさそり座のアンタレスがルビーの様に赤い輝きを放っている。その近くには土星や木星も視界に入る。

初等部の頃は母親と一緒にプラネタリウムに行くのが楽しみで,中等部に進学した際に進学祝いにプレゼントされた天体望遠鏡で夜になると星を眺めるのが好きだった。

中等部には天文クラブがなく,科学クラブの一環で活動をしていた。

高等部に入り,クラス委員と生徒会が忙しく,あまり天体観測が出来ていない上に,部員不足もあり高等部にも天文部はなく,現在は物理化学部の一部として活動していると聞いている。


『やっぱり高等部で天文部を作りたかったな‥‥‥あれっ?そういえば,この辺って夜空にこれだけの星って見えたかな?それより目視で土星や木星がこんなに見えるなんて‥‥‥あっ,そうか‥‥‥考えてみたらここって現実世界ではないんだった‥‥‥』


長尾智恵はそう考えた時にふと疑問が頭を擡げた。


『だとしたら‥‥‥ちょっと待って‥‥‥こっちの世界で得た知識も‥‥‥私が図書館で読んできた文献や書籍に書いてあった事って‥‥‥』


ヤハウェやヤルダバオトが創造した空間なのだから長尾智恵たち‥‥‥自分の意識を持つ者以外には‥‥‥特に無機物には干渉できてもおかしくないと長尾智恵は考えた。


『得られた知識自体が捏造されたもの‥‥‥』


そしてヤハウェが長尾智恵の夢に一番最初に現れた時に言われた言葉を思い出した。


「‥‥‥これは君の夢の中での出来事になる訳じゃが,君が意識を覚醒した後は君が信用した事しか記憶に残らぬので注意してほしい。要はここでの話が仮に嘘であったとしても「嘘であると信じる」事をしないと記憶には留められないのじゃ‥‥‥」


嘘であったとしても嘘であると信じる‥‥‥

他人の話はよく聞けという事‥‥‥でもそれが真実であるかどうかを見極めるのは自分であり,鵜呑みにはするな‥‥‥というアドバイスだったのか。


『だからこの世界での情報も門戸を開いて,嘘や捏造だとしても入手しておいた方がいいのかも。でもそれを精査し自分の知識として吸収するかは自己責任で‥‥‥』


考えてみたら歴史なんてまさにそうだ。

鎌倉幕府の成立は長尾智恵の母親の世代だと1192年と教えられ「いい国つくろう!」という語呂合わせで覚えていたと言っていた。それが現在では1180年,1183年,1184年,1185年とする説が出てきて,喧々諤々と議論されている。幕府は征夷大将軍の居る場所を指すから1192年でいいという見解に,源頼朝の政権自体はそれ以前から成立していたとみる向きがあったり,単に語呂を覚えるよりもそう言った悠久の流れに思い馳せるだけでも歴史の面白さを感じる事ができると長尾智恵は考えている。

近年,様々な一次資料というものが発見され,それを調査する事で歴史的事実すなわち今までの定説が覆ったりもしている。だがそれすらも数十年後にはまたひっくり返される可能性だってある。


「馬場学長は試練と仰っていたけど,何か精神修練でもしているみたいな‥‥‥」


そもそも試練とは何なのか?という疑問が出てきた。


「そういえば馬場学長は聖ウェヌス女学院学長になるための適性を見る試験‥‥‥みたいな事を言ってたけど,試練自体はヤハウェとヤルダバオトによる遊びだとするなら学院創立前からあったはず‥‥‥何かまだ私に知らされていない事実が何処かにある?」


どこまで追究できるかは分からないが,今はこの世界に溢れる知識を吸収して自分の糧にしていこうと長尾智恵は決意した。

そして長尾智恵は自室に戻ると内藤副学長から借りたパソコンでインターネットに繋ぎ,図書館では得られないネット上の情報を調べ始めた。


『まぁ,多分ここの情報もヤハウェやヤルダバオトに操作されている可能性はあるでしょうけど‥‥‥でもどんな情報を入手してもそれの真偽の判断と紡いで汲み上げるのはあくまでも私だし‥‥‥』


スマートフォンでも検索はできるが,PC版とスマホ版では違ったり,見落としがあるかもしれないからとニュースサイトから見始めてみた。


「あぁ,一応バス事故のニュースも出ているんだ‥‥‥」


重軽傷者だから氏名の掲載はないが,路線バス3台分だから聖ウェヌス女学院の生徒だけでも結構な人数の怪我人が出たという事を知った。


『そういえば,こういう事故の時って‥‥‥』


長尾智恵は一つ思い出したことがあった。


「正常性バイアス」


自分にとって都合の悪い事柄や情報を無視したり,過小に評価してしまう現象で,重大な事故や自然災害に直面し,自分の生命に関わる想像を超えた被害に遭遇した時,置かれている危険な状況に対して誤認識が働き,他人事のように捉えて,自分は大丈夫などと考えてしまうという。


『でもなぜ急にこんな事を思い出したのかな‥‥‥もしかしたら思考の操作でもされている?』


仮に思考操作を受けたのならそれを出来るのが誰かは決まっている。その思考操作を受けてもなお,それを掻い潜り自分なりの答えを出さなければいけないのならかなりの胆力が備わっていなければ無理ではないだろうか?と思うと長尾智恵は苦笑いするしかなかった。






本庄真珠,高梨瑠璃の2人は事情聴取の後,それぞれの部屋に戻り,今日1日は部屋でゆっくりするようにと言われていた。でも2人とも今日のトレーニングや練習がなかったために体力を持て余していた。それで本庄真珠は高梨瑠璃の部屋に来て,一緒にペアストレッチをしようと提案した。

高梨瑠璃を椅子に座らせると首のストレッチを始める。本庄真珠は肩をしっかり動かないように手で押さえて,こめかみの辺りをもう片方の手で掴むとグッと傾けてキープする。


「1‥‥‥2‥‥‥3‥‥‥」


本庄真珠はカウントしていく。


「あぁぁ‥‥‥うぅぅ‥‥‥」


高梨瑠璃が痛気持ちよさそうな声を洩らす。

本庄真珠はその声にドキッとして,思わず手を緩めてしまう。


「どうしたの?」

「ううん,何でもないよ‥‥‥」


高梨瑠璃にツッコまれて,赤面した顔を本庄真珠は高梨瑠璃に見えないように逸らす。


『どうしたんだろう‥‥‥この気持ち‥‥‥』


本庄真珠は今までに感じた事のないような高揚感を覚えた。

そして肩,背中,胸,脇腹,腰,股関節,内転筋,ふくらはぎ,足首と頭から足に向かって次々と高梨瑠璃にストレッチを施していく。

その度に高梨瑠璃が洩らす声に反応してしまう本庄真珠。Sの気質が目覚めたとでも言わんばかりに高梨瑠璃の洩らす声が大きくなる毎に力を強めてしまう。


「痛い!痛いッ!痛いってば!」

「えっ?あっ!ごめん!」


足首のストレッチになった時には足首の骨を折ってしまうのではないかというくらいに本庄真珠は力が入っていて,さすがに高梨瑠璃も抵抗してタップアウトした。


「もう何しているのよ?気持ちいいけど,それはさすがにないよ。力入れ過ぎ!」

「本当にごめん。」


本庄真珠は高梨瑠璃の怒鳴り声で我に返って恥ずかしくなっていた。


『何してんだろう‥‥‥私。』


意識が狩り獲られ,まるで深層意識にある自分という人間の本性が表に出てきたような‥‥‥そんな感覚に襲われていた本庄真珠だった。


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