表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/163

公演1日目


何とか……何とか初回の一回が終わった。今度こそ……今度こそは、こっちを向かせる!そう、思ってやったけど…………こっちを向いてくれたのかな?公演終了後、役者全員が舞台に出て挨拶をする。


「人数も少なく、力不足な部ではありますが、少しでも興味のある方は入部よろしくお願いします。」


部長の挨拶の後は、よく覚えてない。片付けして……早く帰りたい……。今日はお父さんが早く帰れる日だし。お父さん、今日学校に迎えに来てくれるかな……?


「ありがとうございました!」

受付が客出しをしてくれて、やっと外に出られると思っていたら…………

「ひらりちゃんお友達~」

受付の先輩に呼び止められた。私はジャージを肩に羽織って、外へ出た。


「ひらりちゃーん!」

あ、チラシをもらってくれた男子……?本当に来てくれたんだ。

「観に来てくれて、ありがとう。」

寒い……。寒気がする……。

「最初全然ひらりちゃんだってわからなかったよ。いつもと全然違うから。」

「役で違う人だからね。」

嬉しい!見てくれた人がいる……!せめて名前ぐらいは訊いておこう。

「えと……名前は……?」

「僕?僕は白石 晴喜」

背の高い男子は白石君って言うんだ。

「僕の事は晴って呼んでよ!みんなそう呼んでるし」

晴…………心の中では呼んでみたけど、この人は苦手だなぁ……もう1人はもっと苦手だけど。

「こっちは春壱。須藤春壱。みんなはイチって呼んでるよ。」


「ハル……イチ君……。」

何故かそっちの人の名前は思わず口に出してしまった。

「須藤。」

へ?

「須藤って呼べ。」

「あ、須藤君もありがとう。」

何で?何だか微妙な雰囲気……。なんか……気難しい人……。


「ひらり!衣装脱いで!そろそろ片付け!」

部長に声をかけられ、やっと抜け出せた。

「はーい。もう行くね。二人とも今日は観に来てくれてありがとう。」

だって、クラスの男子と何をどう喋っていいかわからない。


「ひらりちゃんまた明日ね!」

二人を見送った後は、着替えて…………

「ひらり?どうしたの?」

受付の先輩の声が聞こえた時にはもう、立っていられないくらい辛い…………半端なく体が重い……。

「大丈夫?ちょっと!熱あるんじゃない?片付けはいいから、保健室行きな。1人で行ける?」

「はい……。」


着替えだけはしないと……衣装が……もうろうとした意識でどうにか着替えをして、保健室への道を探した。とにかく今すぐ横になりたい……。辛い…………辛い…………。


なんとか下駄箱までたどり着くと、さっきの男子二人がいた。

「どうしたの?」

返事する余裕すらなかった。とにかく、ベッド…………

「ひらりちゃん大丈夫?」

うるさい……!話かけないで!今、私それどころじゃないから。

「大丈夫……。」


普通の女子なら…………助けてって言えるのかな……?

「僕に寄りかかっていいよ。」

え…………?

無理やり腕を肩にかけられ、腕が引っ張られる。嬉しいけど……けど…………この人、背が高くて、逆に辛い……!


「晴、代われ。お前の背に合わせたらこいつ逆にキツイだろ」

「助かったよ壱。中腰キツかったんだ~」

キツイなら助けなくていいよ……。


「キツイなら助けるなよ。お前ならお姫様抱っこぐらい平気でやると思ったけどな。」

「僕は壱みたいに鍛えてないから。じゃ、壱、ひらりちゃんを頼んだ!僕これから約束あるから。」

え……!?こっちの人に丸投げ!?

「別に鍛えてない。」


こっちの人、ちゃんと肩貸してくれてる……。さっきよりよっぽど楽……。体重……なるべくかけないように歩かないと…………。

「何の為に肩貸してると思ってんだよ。体重預けろ。お前の体重がこんなに軽い訳ないだろ。」

この人は…………


「晴が運べない重さだぞ?俺に無意味な事をやらせるな。1人で歩けるなら1人で歩けよ。」

良い人なのか……どうなのか……


そもそも、あっちの男子の方は運ぼうとすらしてないし……いや、重いし悪いから別にいいんだけども……辛いなぁ…………。あぁ……保健室、遠いなぁ…………。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ