チラシの行方
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そのチラシには、演劇部の新入生歓迎公演の詳細が載っていた。しかし、晴がこんな物をもらうとは意外だった。
「ひらりちゃん嬉しそうだったね。」
晴はそう言って、チラシをすぐにゴミ箱に捨てた。は?自分からもらってた……
「捨てるならもらうなよ。資源の無駄だろ。」
「全部印刷してあるんだから無駄なのは同じだろ?それならこっちからもらった方が印象いいでしょ。」
わかってはいたが、最低な奴……。
「それに、チラシ無くしたから時間教えて~!って話かけられるし。」
晴は本当にそうゆう事に関しては本気だな。
「お前、本気なのか?」
あまりにも馬鹿馬鹿しい事を訊いてみた。
「本気?何いってんの?遊びだよ。これはゲーム。ひらりちゃん攻略ゲームだよ。」
あぁ、そういえばそうだったな。晴は、付き合うまでは優しい。付き合う事になるとすぐに飽きて振る。その繰り返しだ。あいつも最低だから最低同士お似合いだな。
「あれがお前の言うシンデレラか?髪はボサボサ、眼鏡にマスク。クラスで一番最低だぞ?笑えるな。」
「いいんだよ。最低だろうが何だろうが。ひらりちゃんって事に意味があるんだから……。」
晴には運命だとか、シンデレラだとか、そんな事に意味があるんだな。俺がチラシは机の中にしまうと、晴はしっかり見ていて、そこを突いて来る。
「春壱は観に行くの?」
「行かない。」
「でも捨てないじゃん。」
舞台に興味はある。でも、うちの演劇部はレベルが低い。去年の学祭なんかひどいもんだった。
「お前と一緒にすんな。こうゆうのは期間が終わってから捨てるもんだろ。」
そうだ…………俺をお前と一緒にするな。




