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普通で関西本線

続いて、王寺9時7分発の普通列車JR難波行に乗る。朝ラッシュが終わり、既に昼間ののんびりした空気が流れている。


始発駅ということもあってか、1輌目には自分一人しか乗っていない。結局、そのまま発車した。

車輌は黄緑一色の201系で、ゴトゴトと年季の入った音がしている。


三郷を過ぎると、左手にゆったりと流れる大和川が見えてくる。

周りは山。紅葉も散り始めていて、冬の訪れを感じる。


そんな景色の中にある、河内堅上。いつの間にか大阪府に入っていたようだ。すぐ下を流れる大和川と崖に挟まれるように位置している駅である。それにしても大和川は大河で、橋を掛けるのにも苦労したそうだ。

ちなみに同じ関西本線の笠置駅の横を流れる木津川とは全く別の川である。


トンネルをいくつか潜り抜け、高井田を過ぎると、柏原。

この駅の配線はおもしろく、2面3線に中線を入れた2面4線(更に近鉄1線)となっている。関西線では複線単線問わずよく見る配線で、俗にいう『国鉄式配線』である。

王寺以来の待避駅で、またこの辺りから市街地になっていくので柏原折返しの列車も存在する。


近鉄道明寺線の駅が併設されているはずなのだが、全く見えない。元々近鉄でも大阪線の勢力が強く、道明寺線が支線扱いなのも相俟ってかなり地味だ。


乗っている列車は上り線の片面ホームに停車。横の中線を快速が通過する。下りは島式ホームになっている。


発車。ここからは一転、市街地を走る。右手には近鉄大阪線も見える。

こまごまとした町並みを、複線の関西線が真っ直ぐ突っ切って行く。古くからある路線ならではの、実に見事な光景だ。


志紀、八尾と少しずつ乗客が増えてくる。この辺りは近鉄とも互角らしい。確かに、天王寺や梅田に出るには関西線は便利だろう。


久宝寺。2面4線の大きな駅だ。この駅で快速を待避する。乗り換える乗客も多い。

下り線にはおおさか東線の列車も入線してきて、一気ににぎやかになった。

昔は上下線のホームが離れていたと聞いたことがあるが、もし未だに離れていたならおおさか東線の乗り換えが大変だっただろう。


快速が到着し、慌ただしく発車していった。

その後を追うように、普通列車JR難波行も、ゆっくりと走り出す。


久宝寺を出るとしばらくは複々線になっている。

真ん中2線はおおさか東線、外側2線は関西線だ。

だだっ広い、ゆとりのある線路が如何にもJRらしい。


おおさか東線と別れ、加美を出て平野。

この駅は柏原とほぼ同じ配線なのだが、外側に一線貨物線がある。この貨物線を辿っていくと、百済貨物ターミナル。おびただしい数のコンテナが置かれている。大きな倉庫のような建物が目印だ。


東部市場前を出ると、車内は立ち客も出てきた。高架線を、ビル群の中でもひときわ目立っているあべのハルカスの方向へ向かう。


天王寺。かなりの乗客が降りた。都会の雑踏に駅の放送が絡み合う。

ここで乗務員が交代する。あと少しの距離なのに交代するのは、環状線に直通する列車に合わせているのだろうか。


新今宮9時50分着。ここで大阪環状線外回りに乗り換える。環状線乗り場は関西線を降りてホームの向かい側なので、天王寺で乗り換えるよりも楽なのだ。


――――と思ったら、来たのは環状線直通の大和路快速。これじゃあ天王寺で乗り換えるのと変わらなかったんじゃないか…?

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