【第二分隊・帯刀】
出海夕夏は、駅から相当離れた所にある山間に佇む喫茶店の前で魔力を探知していた。精度はさほど高くないが、この場所に魔術師がいたかどうかだけは分かる。
出海は手にした刀『天羽々斬』の鞘の鐺を地面に着け、集中し、刀を通して魔力を流し込んでいく。
刀を掴む手に力がこもった。そして、目を見開く。
「魔力の痕跡がある……間違いない。ここは既に『SSパッケージ』が来ている」
喫茶店の店内からは、真冬の田舎に一人佇む学生と思しき少女に、怪訝な目なのか、週刊誌購読及び情報バラエティの芸能コーナー視聴者層特有のトレンディー大好き目線なのか、注目する客が数名いる。だが出海夕夏にはそんなことを気にしている暇はない。
都合よく、ペアを組んでいた涼風和奏はいない。いつの間にかいなくなっていた。おかげで目的に集中出来る。
「他に手掛かりなし。次は……駅かな……」
そう言って、少女はまた走り出した。客たちの目からは、消えたように見えただろう。
魔術の補助を得たスピードは常人を超え、出海夕夏は――「敵」を、追う。
次回はすっかり空気と化したあのお方です。よろしくお願いします!




