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【便宜上・第二分隊】

 涼風・出海組は思わぬ危機に瀕していた。不知火はこの点を考慮して班分けをするべきだった……と涼風は思った。


 涼風和奏、まさかの、いや、当人にとっては日常茶飯事の、迷子である。


「どうしよう……出海さんの通信札……連絡の仕方が分からない」


 通信札とは、通信手段が発達するより以前から魔術師が使用していた、言わば携帯電話のようなものだ。非常に便利で魔術師達は重宝しているのだが、携帯と同じでどこの誰とでも繋がれるという訳ではない。その人と繋がる感覚が分からないと一苦労なのだ。


「頑張れば繋げられないこともないけど……時間掛かるからなあ。まあ、うちはうちで探した方がいいか。見つかったら先輩や和川くんに連絡すればいいし」


 と独り言を呟いて、とりあえず携帯電話を手にした。


 メール画面を開き、不知火オーディン大和にメールを送る。


『申し訳ありません。出海さんとはぐれました。一人で鉄堂さんを探します』


 と。


 通信すると怒られそうなので、しばらくは開かないであろう携帯で伝える。涼風も人間だ。怒られるのは好きじゃない。


 だが、目論見は思わぬ方向へ外れる。


 メールが来たのだ。


 返信だった。不知火オーディン大和からの。


 それは内容までも斜め上だった。

『了解した。首尾よく頼む』


 涼風は首を傾いだ。


 涼風の知る不知火は、魔術畑にどっぷり浸かった人で、携帯なんて必要な時以外には電源一つ入れていないようなイメージだったのだが、意外と返信は早い女子高生タイプなのだろうか。


 いや、まさかとは思うが……涼風が迷って通信札を使うことを嫌い、メールを送って来ることを予見していたのだろうか。だったらすぐにでも通信札からお怒りが伝わってきてもいい筈だが。


「なんか、先輩、気味悪いですね……おっと、いけないいけない」


 これを聞いていたら、不知火はあの鋭い眼光を涼風に向けていたことだろう。一人でよかった、本当に。


 身震いしながら涼風和奏は、刀鍛冶、鉄堂光泉を探す。


迷子の和奏ちゃんです……。

次回もよろしくお願いします!

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