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台所でせかいをかえる Revolution Starts in DAIDOKORO  作者: 朧月 澪(おぼろづき みお)
間奏話 シマエナガちゃんとキョンタくんによる水の話

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第3話 次女、未希のものがたり ① 紙芝居『シマエナガちゃんとキュンタくん による 水の話』北海道北広嶋エルコンフィールド秋の陽ざしの中で

台所でせかいをかえる Revolution Starts in DAIDOKORO

第3話 次女、未希のものがたり


◇◇◇


伸子の次女、未希。


幼稚園の先生として働きながら、六歳の娘・凛を育てている。


学生時代は東京で幼児教育を学び、教員免許を取得。

卒業後は北海道に戻り、実家からほど近い恵別で家庭を築いた。


行事が重なり、長旅から戻った母の顔を、

なかなか見に行けずにいた。



そんな未希が、休日の今日、足を運んだのは北広嶋。

母・伸子が暮らすこの街には、二年前に誕生した球場――

エルコンフィールドがある。


この日、未希は娘の凛を夫の実家に預け、

エルコンフィールドのイベントで紙芝居の読み聞かせをしていた。



北海道で、札張(さっぱり)ドームに次ぐ規模を持つエルコンフィールド。

試合がない日でも、広々とした空間を楽しみに、多くの人々が訪れる。


芝生では子どもたちが走り回り、

若い夫婦が交互にベビーカーを押す姿も目立つ。


その日も、よちよち歩きの子どもが転んでも泣かずに立ち上がり、

まわりに笑顔をふりまいていた。



未希の紙芝居はこの日、二度目の公演。

なかには、わざわざ足を運んでくれたリピーターの姿もあった。


「ここは、地下のお水を増やすために大切な場所なんだ。

雨が降って、お水が地面にしみこむと、地下のお水が増えるんだよ。ええがな。」


シマエナガちゃんが、まるで博士のように説明する。


「すると、キュンタは言いました。

『へえ、へえ、へえ! しまえなが博士、さすがすごいこと知ってるね!

公園が地下水を増やすお手伝いをしてるんだね!』」



次のページをめくると、秋の風が吹き抜ける。

未希はやさしい声で続けた。


「シマエナガちゃんとキュンタは、みんなに教えてあげることにしたよ。


みんなも、お水を大切に使ってね。

ゴミを捨てないようにして、雨がやんだら公園に行こう。


地下水が増えるように、みんなで協力しよう!」



紙芝居の世界に、目の前の子どもたちが入り込んでいる。

未希のまわりには、たくさんの親子が集まり、

その姿を見守っていた。


ジャンパーを着た親たちの後ろに、

いつの間にか未希の義母・春江が、凛と手をつないで立っていた。


紙芝居が終わると、温かい拍手が起こる。


満足そうな未希の顔を見た凛は、そっとささやいた。


「はるえちゃん、本番はこれからだよ。」


◇◇◇

* * *


 次話へつづく


* * *

◇◆◇ あとがき ◇◆◇

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

また次話で、お会いできましたらうれしいです。

◇◆◇

次回予告:「未希のものがたり ②人形劇『シマエナガちゃんとキュンタくん による 水の話』は、本番。」

◇◆◇

―― 朧月おぼろづき みお

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