第九話「旅に出る」
ギルドに通い始めてから早一ヶ月の時が過ぎた。
今俺の金は金貨20枚、銀貨50枚、銅貨200枚だ。あっそう言えば、この前アイカにお金の価値を聞いたら俺が前世でいた国とさほど変わらなく銅貨が100円で銀貨が1000円、金貨が10000円といった価値である。
この世界は物価が安く宿なんかは大体銅貨2枚で1泊は泊 まれると言った感じだ。
そういう感じでお金も貯まってきたことだし、そろそろ旅にでも出ようか。
そう考えたら決まりだ!明日にでも旅に出よう!
そう考え眠りについた。
朝いつものように朝ご飯をたべている時、おじいさんとアイカに一言
「俺旅に出ようと思う」
「えぇ~?!」
「そんなに驚くことか?」
「驚くわよ!もっと早く言ってくれたら豪華なご飯にしたのに…」
「いいよ別にそれに、このいつものご飯が俺にとっての豪華なご飯だからさ!」
「いつでも帰ってきていいからね」
「あぁそうさせてもらうよ」
「じゃあ食べ終わったし俺は行くよ」
「気おつけてね」
「おう」
そうして俺はアリアス村を後にして旅に出た。
まず向かうのは水の都ケティラへと向かうことにした。
こっから山を何個越えればいいんだ?はぁぁ。
正直に言ってキツイきつすぎる…帰ろうかな…だめだ俺旅だぞ!そんなすぐに諦めるなよ!
はぁ歩くか…そうして俺は歩いた。途中で何度か魔物が現れた。
倒して魔石を集めまた歩くそんな日々を繰り返して一日が経ったその時一つの馬車が目の前を通った。
「こんなところを歩いてるってことは行き先はケティラか?」
「あっはいケティラへ向かってて」
「歩きではキツイだろ馬車乗ってくか?まぁ銅貨10枚ってとこだな」
安くないか?まぁそれぐらいなら
「わかった銅貨10枚で乗せてくれ」
「まいどあり!」
「ほら後ろに乗った乗った!あっ一ついい忘れてたけどお客さん以外にも乗ってる人がいるんだが、一緒でいいか?」
「あぁ俺は構わないさ」
「そういうことだけど嬢ちゃんの方はいいかい?」
「あぁ好きにしろ」
「あんがとよじゃあ出発するぜぇ」
そう言いながら馬車を動かし始めた。
馬車の中には一人の女性が座っていた。
「俺はライトと言う君は名前何ていうんだ?」
俺が相手に聞くそうしたら
「名はルカと言う、これから長旅になるケティラまでよろしく頼む」
なんということだフードを外したその時に、
横に長い耳金髪のロングそして青い瞳さらには色白なんという俺好みなんだ…落ち着け俺落ち着け俺。
よし落ち着いたそれにしてもこの世界に来て始めてエルフを見た。
獣人族なら数回見たことあるのだがエルフは見たことがなかった。
なんせ可愛すぎる!あまりジロジロ見ないように馬車の外をみておこう。
そう考え外を眺めているとルカが
「何故ライトはケティラへ?」
「ん〜旅をしているからかな」
「なるほど…旅をしているのか、私も旅をしている。」
「一緒だな」
「あぁそうだな」
「⋯⋯⋯」
「⋯⋯⋯」
やべぇ話す内容がねぇ陰キャにこれはきついよぉ〜
けどケティラにつくまで時間はまだまだあるし、ん〜やっぱり話しかけるべきだよな。
ん〜よし話しかけるか!
「てかルカはエルフなのか?」
「あぁエルフだ」
「俺エルフ始めてみるんだけどやっぱり可愛いな」
「――ッ?!」
可愛いなんて始めて言われた。
正直嬉しい⋯って何考えてるのよ私!多分お世辞よお世辞
でもお世辞でも嬉しい…
しまった!つい言葉に!?!?どうしよう⋯まぁいいか。可愛いもんは可愛い世界がそう告げているのだ。
可愛いは正義なんだ!
「あはは…」
「あはは…」
「ちなみにさっきの言葉は本当か?」
「ん?あぁ俺は嘘はつかないよ」
「そ、そうか」
「あぁってかエルフって森の中に住んでるって本当なのか?」
「良く知ってるな!そうだ!私たちはミルナル森というところで暮らしているんだ!」
「そうなんだ。」
「俺はアリアス村というところで少しの間だが過ごしていたんだ。」
「最近では冒険者になって毎日が楽しいよ。」
「ライトも冒険者なの?私も冒険者なんだ!」
「てかケティラにいる間一緒に行動しないか?あんまり外の世界がわかんなくて案内してくれると助かる。」
「あぁ構わないけど一つだけ寄りたいところがある。
寄っていっても構わないだろうか?」
「あぁこちらが無理なお願いをしているわけだし構わないよ。」
「ってうわっ?!」
「きゃっ?!」
急に馬車が止まった?!何してんだあのおっさん…外の様子でも確認してくるかぁはぁ
「何かあったのかもしれない外の様子を確認しに行くよ」
「私も同行しよう」
「あぁ助かる」
「それじゃあ行こうか」
「あぁ!」
そうして外を見に行くと魔物の大群に囲まれていた。
早速俺が修行した魔法の成果が見れるのか!
そう内心ワクワクしていたのだが隣から
「フリーズアロー」
そう聞こえたと同時に周りの魔物が凍っていく。
これはなんだ?!そう思った時ふと思い出したことがある。
確か氷魔法があったような気がする。
だとしたらだいぶすごい人ってことか?ルカは。
そう考えているとまた隣から
「ファイヤ」
パチンそうルカが指パッチンをすると凍っていた魔物が砕けて魔石だけとなった。
「す、凄い」
思わず口に出たその言葉は紛れもない本心だった。
経験の差と言うやつがここまで強さの差をつけるとは思いもしなかった。そう考えているとルカが
「魔物は片付いた魔石を回収して進もう。」
そうあたかも今の戦いが当たり前のような…普通のような口ぶりで言うもんだ俺とおっちゃんは開いた口が塞がらなかった。
先に声を出したのはおっちゃんだった。
「ほ、ほなケティラに向かって馬車はしらせまっせあはは…」
明らかに変な喋り方!さっきの戦闘でルカに舐めた態度を取るとどうなるか本能で理解したようだ。
まぁ馬車を走らせてくれれば何でもいいが…。
馬車を走らせて数分俺はルカに
「さっきの戦闘すごかったな!あの魔法なんだったんだ?」
そう聞いた。
正直自分の裸を晒すものだ魔法を教えるだなんて、教えてくれるわけがないそう思って聞いてみた。
そしたら
「あぁ、あれは氷の魔法で敵を凍らせた後に火の魔法で一気に火を入れると何故かあんな感じに砕けてくれるんだ。
たからあの魔法を良く魔物相手に使うんだ。」
教えてくれるのかよ!まぁそういうことか…俺で言うインビジブルにファイヤーボールを合わせて敵に感知、見えないまま攻撃をするみたいな感じで2つ以上の属性の魔法を使える人はやはり工夫するんだな。
俺ももっと頑張らなとな。
「なるほど…凄いなそれをできるようになるまで結構時間かかったんじゃないか?」
「まぁ1年ぐらい鍛錬を組んでやっと戦闘で使える程度だな」
「凄いな…」
うげぇ1年ぐらい?簡単に言うけど俺の忍耐力じゃあ絶対に1年も修行だなんて無理だ、うん絶対に無理そう考えるとルカは凄いな、改めてそう感じた。
ケティラについて一段落ついたらルカとはパーティーを組んで共に旅をすることになったがそれはまた別の話。
そうしてルカとおっちゃんと話している内に7日目という時間が過ぎ、無事に水の都ケティラへ着くことができたのであった。