第八話「修行をする」
俺は疲れたという言い訳を使って、今2日部屋から出ていない。
そろそろなにかしないとなぁ。
そう思っている時に、ふと思い付いた事がある。
前の戦闘の時のインビジブルボール他にも応用が利くのではないだろうか?そう思ったら居ても立っても居られない。
早速近くで魔法が打てそうなところを探して修行でもするか!
そう考え、朝ごはんを食べて後魔法が使えそうなところを探している時、魔物が襲って来た。
「うおっ?!」
気の抜けた声が出た。
何故なら目の前にいきなりスライムらしきものもが現れたのだ。
もっと可愛いと思っていたのだが…うんキモイな。
思っていたスライムとは違ってずっとリアルで気持ち悪いそう感じられる見た目に正直萎えていた。
「はぁ~スライムってもっと可愛いんじゃねぇのかよ!」
そう一人でつぶやいているとふと気づく。
ここ、魔法打っても被害なさそうじゃね?
そう、今俺がいるこの場所はさきほど言っていた魔法が打てそうな場所つまり打っても被害が少なそうなところに該当する場所なのだ!
「なら早速修行しますか!」
「まずは…俺の魔法を感知されなくなりさらに見えなくする魔法インビジブルにファイヤーアローを合わせて…
インビジブルアロー!」
「ってうわっ?!」
一つ気づいた事がある。
このアホみたいに高くなる威力は魔力を制御することでどうにかなるということだ。
今は下手すぎて威力が高くなってしまうけど、これは解決できそうだ!
よしならこっからはひたすら魔力を制御する練習だ!
そうして3日ほど修行をしていると少しずつだが制御できるようになってきた。
「結構制御できるようになってきたな。」
「よし!なら次は魔法の複合だ!」
って前から複合はしてきたが今回で種類を増やせれたらなと思う。
こっから俺は一日中複合の練習をしていた。
結構精度が良くなって来た。
「インビジブルアロー!」
命中力も上がった。
狙った小枝にちゃんと魔法が当たるようにまで成長した。
魔法ってこんなにも楽しいものなのか!
前世に魔法があればもしかしたら俺はニートではなかったのかもしれない。
まぁ考えるだけ無駄であろう。
「暗くなってきたし帰るかぁ」
そろそろ日が暮れる。
今日はおしまいだなと思い、帰路についた。
夕ご飯中のことだ
「ねぇライト、冒険者ギルドもう再開したんだって!」
「早いな?!」
「ねっ早いよね。」
冒険者ギルドが復活したのなら明日言って見るか!
修行の成果をモンスター討伐で試そう。
そう考えてる内に夕食を食べ終え、寝る体勢を整えた。
「明日楽しみだ。」
布団でうとうとしながら言葉を発した。
こんな気分は久々だ!そう思った。
前世でもこんなことはなかったのでこっちの世界に来れて感謝している。
前世の俺はろくでもなかった。
高校にはちゃんと行ってたし、数人は友達がいた。
けど働きたくなくてあえて自分の知能じゃ無理な大学を受け、浪人となりそのまま成り行きでニートになった。
親には迷惑かけたと思ってる。
まぁ最後は親に追い出されて外で野宿してる時に、目が覚めたら転生していた。
いきなり赤ん坊に変わってて最初は幻覚でも見てるのかと思っていた。
けど日に日にこれが現実だとわかり、最初は驚いたが
まぁこれが現実だと自分に言い聞かせることにしていた。
こっちの世界でもニートになってしまったけど正直後悔はしていない。
もし追い出されずに家にいさせてもらえる生活が続いていたら、アイカやおじいさんそしてイオリに会えなかったのかもしれない。
結果論になってしまうがこれでよかったと思っている。
そう考えていると睡魔が襲ってきて俺の眼瞼が半分以上閉じて、今にも寝てしまいそうだ。
そう思っている内に意識が飛んだ。
「ん〜」
小鳥のさえずりで目が覚め今日という一日が始まりを告げた。
丁度起きたタイミングで部屋がノックされ、朝ごはんができたから起きてといつもと変わらない日々が始まった。
今日はいやこれからは積極的にギルドに顔を出しお金を稼いで、ずっと家に居候するのも申し訳ないから家を出て旅に出ようと思う。
いろんな国を見てみたい。
今の目標は旅をするに決まりだ。
そういうわけで今日も今日とでお金を稼ぐために冒険者ギルドへと向かうのであった。