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第六話「依頼を受ける」

今俺は冒険者ギルドの前にいる。

扉を開けて依頼を受けて、依頼をこなす。

ただこれだけのことが、

今までのニートだった俺にはきつい。

畑仕事なんかより比にならないぐらいにきつい。

そう思っていると。


「ライト大丈夫?」


アイカがそう俺のことを心配しているような目で言ってきた。


「あはは…少し緊張して。」

「大丈夫だよ!」

「なんかあったら私もいるし!」


何かあってもアイカがいる。

この言葉に今俺はどれだけ救われたのだろうか。

あぁさっきまでの緊張は溶け、体が軽くなっていく。

今なら行ける気がする。

そう思い扉を開ける。


中は前見た風景そのものだった。

正面には受付カウンター右には依頼ボード、左には、酒を飲むためのテーブルが並んである。

俺は右の依頼ボードの方へ足を動かし歩いていった。


そして依頼ボードを見る。Bランクにもなればやはり思ってた通り、

いろんな依頼が受けれる。

どれにしようか…そう悩んでいると一人の男が話しかけてきた。


「冒険者ギルドに登録したばかりかい?初めてなら薬草採取がオススメだよ。」


驚いた。

異世界の冒険者の初めは喧嘩を売られるものだとばかり思っていたから、

親切にしてもらえるなんて思ってもいなかった。

そう考えていると


「ありがとうございます。さぁこれにしよ!ライト」


そうアイカが言ってきた。

ありがたい最初はどれを選んだらいいのか分からないから先輩的存在のアイカについていけばなんとかなる。

そう考えていると男の人が


「もしかして女性の方依頼発注したことある?お邪魔しちゃったかなあはは…ごめんね」


この男なんていい奴なんだ!

前世にいたら確実にモテていただろう…いやこの世界でもこの男はモテるこれだけは言える。

そう思った。


「ありがとうございます。全然邪魔だなんてことないですよ!助かりました。」


そう俺が言うそしたら男の人が


「あっそうだ、俺の名イオリっていうんだこれから何か分からないからことがあったら何でも相談してくれよな。」


「イオリわかったよ、わからないことがあったら遠慮なく相談させてもらうよ、そして俺の名はライトこれからよろしく。」


「おう!じゃあ俺は別の用事があるからこれで失礼するぜ、じゃあなライト、あとそちらの嬢ちゃんは名前はなんていうんだ?」


「アイカって言います。」


「アイカっていうのかそれじゃあライト、アイカまたな。」


そう言うと男はギルドを後にしていった。

それにしてもあんな良い奴と出会えるとは思ってもいなかった。依頼前に気分が良くなった。

イオリには感謝だな。


そうして薬草採取の依頼を受付で発注して街の外の草原で採取を始めようとしていた。

その時アイカから


「ライトこの薬草根っこから取らないとだめだから取り方教えるね。」


そう言いアイカは取り方を手取り足取りと教えてくれた。

正直女性が近くにいてあまり聞き取れなかったが、勘でやれば意外と行けた。


採取も終わり街へと戻ろうとしたとき、左の方からカサカサっと草が不自然に揺れた。

何だと思ったがアイカが俺を守るように前に来て、


「ライト!後ろに下がって私から離れないように」

「な、何が起こってるんだ?アイカ?」


そう呑気に聞くとアイカから


「魔物が来たわ!」


「ーー?!」


俺は驚いた。

魔物だと?前世の記憶通りに行くならゴブリンやスライムなどを思い浮かべるが実際はどうなんだろう?少し気になる。

そうやって前を見るとそこにはゴブリンらしき魔物がいた。


正直チビリそうになった。

ゲームなどの見た目とは全然違う。なんというか、リアル…リアルすぎる!正直怖かった。


けどなぜかなんとかなると思っている自分がいる。

アイカなら勝てるそう思っていた。けどやっぱり怖い。

そしたらアイカが


「ゴブリンかライトあいつらに魔法打ってみて」


「わかった!」


初めての実戦での魔法、被害のことを考えるとファイヤーボールはだめか…なら!


「シャドーボール!」


ゴブリンは悲鳴らしき物を上げながら体が消え魔石だけがその場に残っていた。


「これで…倒したのか。」


そう言うとアイカが


「やった~!」


んん?!アイカが抱きついて来た。

柔らかい胸の感触が肩いっぱいに広がる。

鼻血が出そうになったが、気合で抑えた。

アイカから離れ俺は


「魔物も倒したことだし、街へ戻ろうか。」


「う、うん…ご、ごめんね!はしゃぎすぎちゃって…」


多分さっき抱きついてきたことについてだろう。

こっちからしてみればこちらが土下座して感謝を伝えるべき処遇を受けた。

けどこんなことを言ってしまうと変だと思われるよな。

よしこうなったら…


「いいよ別に俺も初めて魔物を倒して少し緊張してたから逆にほぐれた。」


「な、ならよかったじゃあ戻ろっかあはは…」


意味のわからない言葉を並べてしまったが、

アイカが納得してくれたなら良かった。

そう思い街へと戻ったのであった。


冒険者ギルドへ戻ってきて依頼完了の報告と薬草の提出をしに受付カウンターへ向かうとイオリに出会った。


「依頼はどうだった?」

「あっイオリ無事に成功したよ」

「なら良かったよ」


こいつは本当にいい奴だ正直友達になりたいぐらいだ。


「今から提出するとこなんだ。」

「そうなんだ、俺は今から魔物を討伐するところなんだ。」

「そうか頑張れよ。」

「おう!ありがとうライトそして、依頼お疲れ様初めてだから疲れただろ?ゆっくり休めよ!じゃあまたな。」


そう言いイオリはギルドを後にした。

早速薬草を提出し銅貨十五枚貰えた。


正直、皇帝の息子だった俺は今まで金を使うということはなく、頼めば何でも手に入っていたから、

金の価値が分からない。

またアイカにでも聞こう。

そう考えながら家へと足を動かしたのであった。

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