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62話「大魔王も腰を上げて、婚約を目論む!」

 魔王へルドラーと魔姫ルビナスは息を切らして睨み合っている。

 周囲は荒野と化してて、魔王城は破片となって散乱していた。もはや跡形もなく破壊し尽くされたようだ。


「ここまで腕を上げているとは……!」

「父上に負けたくなくて、修行しまくったからじゃ! 婚約を認めい!」

「それだけは許さん! どうせ妖精王殿と婚約した形で家出したいのが見え透いておるわ」

「くっ……!」


 魔姫ルビナスにとって妖精王と子作りなど、どうでもよかった。

 過保護な父に嫌気がさして反発しているのだ。反抗期ともいえるか。


《魔王ヘルドラーよ……。何をしておるか?》


 ビクッと魔王ヘルドラーは竦む。

 暗雲渦巻く上空で、巨大な影が浮かび上がっていた。曲がって伸びるツノが天を衝く。


「だっ、大魔王ブレズア!!!」

《久しぶりに騒がしいと思ったら、親子ケンカとはな……。その様子だと婚約に失敗したか?》

「ううっ……! し、しかしダークエルフが選ばれました!」

《婚約の刻印は外されたぞよ》

「なんだと……!?」


 大魔王の掲げる水晶玉に映る。

 ダークエルフのチャーアーは涙目でしょんぼりしながら、喜んでいるアッセーを眺めているシーンが。


「なんという事だ……!」

《妖精王は精神攻撃や呪縛を破邪できる力を持っている。故に縛ろうとムダだ。だが、そこの魔姫は恋愛に疎いが、もし知る事ができたならワンチャンあると思うぞ》

「ならん! ならーん! それだけは!!」

《過保護のバカ親の役目は卒業しろ! たわけがっ!》


 大魔王に叱責をくらい、魔王は萎縮した。

 魔姫は憮然とした様子で「恋愛なんて下らぬ」と吐き捨てている。


《ほれみろ、箱入り娘だったせいで恋愛知らずで、行き遅れになる可能性あるぞ。父娘で生涯終えたいのか?》

「我はそれでも構……」

「嫌なのじゃ!」

「ちょっ! ルビナス!! 父としてショックだぞ」

「知るかいっ!」


 うろたえる魔王を、魔姫は毛嫌いしている。


《それはともかく、一大事だから刺客を送ろうと思う。一刻も早く妖精王のハートを掴まねばならぬ》

「だ、大魔王さまっ! その力をもってすればマイシなんて敵ではないのでは!?」

《仮にも妖精王とライバルを張っている竜王。戦闘力では余が上であるが、恐らく互角以上に持ち込めるであろう。妖精王もそんな気配を感じる。侮れんよ……》

「そんな……!」


 大魔王ブレズアの武力は一三六万。

 世界天上十傑ではトップクラスの実力者である。

 しかしアッセーは転生前の世界で、四首領(ヨンドン)と同格の武力一二五万の『最悪の女傑王ピポポクィン』を単騎武力九〇万で撃破した事があるので、大魔王が懸念するのもムリない。


《それに、そういう素質のある者の血筋を魔界にも入れられたら面白い事になるではないか?》

「なんと……! 大魔王さままで……!」

《魔人どもが猛威を振るって、我々魔族がユル世代になっていては情けない限りでな》


 大魔王も魔族の行く末を案じていた。

 それを魔王は察し取り、息を呑む。魔姫は「失礼な大魔王さんねー」とかほざいている。

 魔王はムッとする。


《魔人が絶滅した以上、このままでは人類に押し負けるであろう……》

「そんな事は……!」

《見えるのだ。この先、数百年数千年経てば魔族はどんどん弱体化して絶滅に追いやられる未来が》


 魔王は震えていく。

 幾千年も長らく生きてきた大魔王だからこその先見の明だろう。


《己の立場や身内を可愛がっているばかりでは、魔族に未来はない》

「は、ははーっ!」

《その素質ある娘を孕ませよ! 妖精王の、その強き血筋を掴むのだ!》

「そのように致します!!」


 跪いて頭を下げる。

 娘を差し出すなど我慢ならないが、それ以上に魔族の未来が危ういのだ。

 ぶてぶてしく立つルビナスの頭を掴み、跪かせる。


「いたあっ! 何するのじゃ! クソ親父!!」

「黙れっ! 大魔王さまの御前だぞ! 頭が高い!!」


《それに、余も自慢の娘を差し向けた》

「「へ!?」」


 まさかの大魔王の言葉に、魔王も魔姫も目を丸くする。

 それに構わず大魔王は「ふっふっふ」と愉悦に笑う。




 切り立った丘の上で一人の魔族が立っていた。

 銀髪が揺れる、褐色肌、鋭い目つきで引き締まった美顔、両耳の上からは黒い牛のツノのようなのが伸びている、胸も程よく大きく、スラっとした体型、白いローブをマントのように着込んでて、表からは競泳水着のような着衣でさらしている。


「父上も人が悪い……。この大魔姫ミトンを刺客として出すなどと……、だがまぁ、ぬるい魔界生活も飽き飽きしていたからな」


 フッと強気に笑う。


「さて、妖精王アッセーの抹殺だったか……」


 すると死神風の魔族が駆け出してハリセンでスパーンとミトンの頭を叩く。


「痛いわ! キンル!!」

「そう勘違いするだろうと思ってたよ。君は妖精王殿と婚約しなきゃならないからねぇ。抹殺しては本末転倒ですし」

「私の幻聴かと思ったが、本気で婚約させると……?」

「ンフフッ! 我々魔族もぬるくなったもんでねぇ」


 すると死神風の魔族の肩にロリ魔族がピョコンと乗ってきた。


「キャハハッ! なんならあたしが婚約しちゃおーかなっと」

「ンフフッ、ロッピちゃん。そんな抜けがけしちゃあ、ミトンの立場もないんじゃないかねぇ。こぉ~んな可愛い幼女にロリコンもメロメロさ」

「キャハッ!」


 無邪気に飛び回るロリ魔族に、ミトンは無性に腹が立ってきた。

 なんか、コイツだけには負けられないとメラメラ闘争心を燃やす。


「黙れ! この私がロリコン……いや妖精王のハートすら射止めてみせる……!」


 グッと拳を握って宣言した。

 それはそれでアッセーにとって、かなり面倒な情勢になった気がする。

あとがき


 世界天上十傑のランクイン。


 大魔王ブレズア

 大魔姫ミトン

 魔王へルドラー

 魔姫ルビナス

 暴魔カレン

 龍族の長ゲキリン

 妖精王アッセー(新規)

 ???

 ???

 ???

 ✖強姦魔族オオガ(死亡)

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